ドイツ女子サッカーリーグにおけるうつ病や不安症状の有病率 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2019/05/06 トップアスリートのメンタルヘルス問題の有病率に関する情報が、明らかとなっていない背景には、回答率の低さやサンプルの不均一さなどの方法論的課題があると考えられる。ドイツ・Medical School HamburgのAstrid Junge氏らは、トップレベルの女子サッカー選手におけるうつ病および不安症状の有病率および危険因子を評価するため、検討を行った。British Journal of Sports Medicine誌2019年4月号の報告。 ドイツ女子サッカー1部リーグ10チームおよび2部リーグ7チームに所属する選手を対象に、選手の特性、うつ病自己評価尺度(CES-D)、全般不安症尺度(GAD-7)に関するアンケートを実施した。 主な結果は以下のとおり。 ・本アンケートに290人(1部:184人、2部:106人)の選手が回答した。 ・CES-Dスコアによるうつ症状は、軽度~中等度が48人(16.6%)、重度が41人(14.1%)であった。 ・GAD-7スコアにおいて中等度以上の全般不安症が認められた選手は、24例(8.3%)であった。 ・うつ症状および全般不安症の有病率は、同年代の一般女性と同様であった。 ・しかし、2部の選手は、1部の選手よりもうつ症状が多く認められており、一般女性と比較しても、有病率が高かった。 ・現在、心理療法的サポートを望んでいる、または必要としていると回答した45人(15.7%)のうち、3分の1の選手だけがサポートを受けていた。 著者らは「トップクラスのサッカー選手におけるうつ病および全般不安症の有病率は、個人およびスポーツ特有の変数によって影響を受ける。コーチやチームドクターは、アスリートのメンタルヘルス問題に対する意識を高め、スティグマを減らし、敷居の低い治療法を提供することが重要である」としている。 ■関連記事 トップアスリートは、うつ病の頻度が高い スポーツ選手へ最も処方される精神科薬物は? うつ病、男女間で異なる特徴とは (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Junge A, et al. Br J Sports Med. 2019;53:471-477. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 切除可能なdMMR大腸がん、ニボルマブ+イピリムマブ術前補助療法が有用/NEJM(2024/06/14) リウマチ性心疾患、低中所得国で死亡率が高い/JAMA(2024/06/14) aggressive ATLに対する同種造血幹細胞移植の有効性(JCOG0907)/ASCO2024(2024/06/14) 年収額に満足している診療科は?/医師1,000人アンケート(2024/06/14) イメグリミンのRWD、体重減少や肝機能改善も/日本糖尿病学会(2024/06/14) 精神病性うつ病の維持療法に対する抗うつ薬や抗精神病薬治療の実際の有効性(2024/06/14) 高リスク早期TN乳がんに術後アベルマブ1年投与でOS改善、DFSは改善せず(A-BRAVE)/ASCO2024(2024/06/14) 遠隔医療のビデオ通話では医師の「背景」が重要(2024/06/14) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) シネマセラピー ~シネマにみるメンタルヘルス~(2013/04/26)