全死因死亡と関連した昼寝パターンは?

提供元:ケアネット

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公開日:2026/05/15

 

 ウェアラブルデバイスを用いて客観的に測定した昼寝パターンと全死因死亡との関連を調査した前向きコホート研究により、長時間の昼寝、頻回の昼寝、そして午前中に昼寝をする傾向がある高齢者では全死因死亡リスクが高いことが、米国・Harvard Medical SchoolのChenlu Gao氏らによって示された。JAMA Network Open誌2026年4月20日号掲載の報告。

 高齢者における過度な昼寝は、心血管疾患や神経変性疾患などとの関連が報告されている。しかし、これまでの研究の多くは自己申告による昼寝評価に基づいており、昼寝のタイミングや日ごとの変動性など、詳細な昼寝の特徴については十分に検討されていなかった。そこで研究グループは、ウェアラブルデバイス(手首アクチグラフ)を用いて客観的に測定した昼寝パターンと全死因死亡との関連を検討した。

 本研究では、地域住民を対象としたRush Memory and Aging Project(ベースライン:2005年8月)のデータを用いて、米国・イリノイ州北部在住の56歳以上の1,338人を最長19年間追跡した。参加者の平均年齢は81.4歳で、76.0%が女性だった。昼寝は午前9時~午後7時の睡眠エピソードと定義し、最長14日間連続の手首アクチグラフのデータから評価した。Cox比例ハザード回帰モデルを用いて、ベースライン時の昼寝の特徴(1日当たりの平均昼寝時間、平均昼寝回数、日ごとの昼寝時間の変動性、昼寝のタイミング)と追跡期間中の全死因死亡との関連を、調整ハザード比(aHR)および95%信頼区間(CI)で評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・参加者の大多数(99.0%)は測定期間中に昼寝をしていた。年齢が高いほど昼寝時間は長く、昼寝頻度は高く、昼寝時間の変動性も大きかった。
・最長19年(平均8.30年)の追跡期間中に、926人(69.2%)が死亡した。
・ベースライン時の長時間の昼寝は全死因死亡リスク上昇と関連していた。昼寝時間が1時間増加するごとのaHRは1.13(95%CI:1.04~1.23)であった(p=0.005)。これはベースライン時の年齢が約1.1歳高い場合の死亡リスクに相当した。
・頻回の昼寝も全死因死亡リスク上昇と関連していた。昼寝回数が1回増加するごとのaHRは1.07(95%CI:1.02~1.13)であった(p=0.003)。これはベースライン時の年齢が約0.6歳高い場合の死亡リスクに相当した。
・午前中に昼寝をする群は、午後の早い時間帯に昼寝をする群に比べて死亡リスクが高かった(aHR:1.30、95%CI:1.03~1.64、p=0.03)。これはベースライン時の年齢が約2.5歳高い場合の死亡リスクに相当した。
・日ごとの昼寝時間の変動性は死亡リスクと有意な関連を示さなかった。
・これらの関連の多くは、夜間睡眠時間、睡眠断片化、概日リズム指標、慢性疾患、抑うつ症状、身体活動量などを調整後もおおむね維持された。

 本研究は観察研究であり、昼寝そのものが死亡の原因であることを示したものではないが、研究グループは過度な昼寝や午前中の昼寝が晩年の脆弱性を反映する行動学的マーカーである可能性を示唆した。そのうえで、「ウェアラブルデバイスを用いた昼寝評価は、リスクの高い高齢者の特定に役立ち、睡眠・健康管理への応用につながる可能性がある」とまとめた。

(ケアネット 森)