医療一般

認知症診療医の8割強が「ケアマネとの連携は集患に有用」と認識

 高齢化の進展に比例し、認知症患者の増加は必至。潜在化したまま医療に繋がっていない患者予備軍をどう見つけ出し、早期発見・治療に結び付けるのか―。そのカギを握るのは、医療介護連携であろう。国が提唱する「地域包括ケアシステム」においても、両者連携の下、認知症治療のみならず、予防や生活支援に取り組む構想が示されている。では、実際のところ医師とケアマネジャーの連携は進んでいるのだろうか。  今回、認知症診療に当たっているCareNet.com会員医師とケアマネジャーを対象に行ったアンケート調査の結果、連携できていると考える医師は4割、ケアマネジャーは3割にとどまり、多くの医療現場で協同関係に至っていない実態が浮き彫りとなった。ただし、連携が進んでいる医師の8割が「集患に役立つ」と回答しており、ケアマネジャーとの連携がメリットとなっている側面は注目すべきだろう。

COVID-19重症例、COPDや糖尿病併存が転帰不良

 中国・広州医科大学のWei-Jie Guan氏らは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の併存疾患を層別化し、重篤な有害転帰リスクを評価した。その結果、併存疾患のない患者よりも併存疾患を有する患者で転帰が不良になることを示唆した。また、併存疾患数の多さが転帰不良と相関していたことも明らかにした。The European respiratory journal誌オンライン版3月26日号掲載の報告。  研究者らは2019年12月11日~2020年1月31日の期間、中国本土の31省・市・区の病院、575施設に入院した患者1,590例のデータを分析。複合エンドポイントはICUへの入室、侵襲的換気、死亡で、その到達リスクとして併存疾患の有無と数を比較した。

長時間作用型注射剤と経口の抗精神病薬との比較

 治療継続やアドヒアランスは、精神疾患の有効なアウトカムと関連する。精神疾患患者の治療継続やアドヒアランスを改善するための最良の選択肢の1つとして、経口抗精神病薬よりも長時間作用型注射剤(LAI)が挙げられる。イタリア・ASL Pescara General HospitalのAlessia Romagnoli氏らは、抗精神病薬のアドヒアランス、治療継続、切り替えを評価し、実臨床におけるLAIと経口剤との比較を行った。Current Clinical Pharmacology誌オンライン版2020年3月9日号の報告。

有給の出産休暇は母子だけでなく社会にも有益

 米国では、産休を有給とすることに対する反対意見で、しばしばコストが問題として挙げられる。しかし、米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のChristina Mangurian氏らが行った新たな研究で、有給の産休を増やすことは家族のみならず、社会にとっても有益であることが示唆された。有給の産休を12週間取得した母親は、精神や身体の健康状態が良好である可能性が高く、乳児死亡率が低く、マターナル・アタッチメント(母親の自分の子に対する愛着)が形成されやすく、母乳育児率が高まり、予防接種も順調に進むことが分かったという。この研究は「Harvard Review of Psychiatry」3月/4月号に掲載された。

魚油の成分が糖尿病網膜症を抑制する可能性

 オメガ3脂肪酸のエイコサペンタエン酸(EPA)が、糖尿病網膜症に有効な可能性が報告された。EPAが代謝されてできる物質が網膜において脳由来神経栄養因子(BDNF)の産生を刺激し、網膜神経細胞の障害が抑制されるという。名古屋大学大学院医学系研究科眼科学の兼子裕規氏らの研究によるもので、詳細は「Diabetes」2月6日オンライン版に掲載された。  糖尿病の合併症として起きる糖尿病網膜症は、治療が進歩した現在もなお、日本を含む先進国で成人の失明原因の上位に位置する。眼底検査での診断に先行して網膜の神経細胞の障害が始まるとされ、神経細胞が不可逆的に変化し始めるよりも前からの神経保護的な早期治療が重要と考えられている。

ニボルマブ+イピリムマブ、化学療法との併用で非小細胞肺がんに承認申請/小野・BMS

 小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブは、2020年3月26日、抗PD-L1抗体ニボルマブ(商品名:オプジーボ)と抗CTLA-4抗体イピリムマブ(商品名:ヤーボイ)について、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(NSCLC)に対する、プラチナ製剤を含む 2 剤化学療法(プラチナ・ダブレット)との併用療法に係る国内製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったと発表。  今回の承認申請は、小野薬品とブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)が、PD-L1発現レベルおよび腫瘍の組織型にかかわらず、化学療法未治療の進行・再発のNSCLC患者を対象に、ニボルマブとイピリムマブの併用療法にプラチナ・ダブレット化学療法を追加した併用療法を、プラチナ・ダブレット化学療法と比較評価した多施設国際共同無作為化非盲検第III相臨床試験(CheckMate-9LA試験)の結果に基づいている。

新型コロナ、2021年初頭にもワクチンを世界規模供給へ―米国J&J

 世界規模で感染拡大に歯止めがかからない新型コロナウイルス。その予防に向けた最初の突破口になり得るのか。米国のジョンソン・エンド・ジョンソン社(以下、J&J社)は3月31日、最初の製造ステップに進むための新型コロナウイルスのリードワクチン候補を同定。2021年初頭にも10億回分超のワクチンを世界規模で供給することを目指し、生産態勢の強化を急ピッチで進めることを発表した。

SGLT2阻害薬の術前休薬は3~4日、FDAが承認

 2020年3月17日、米国食品医薬品局(FDA)は、2型糖尿病治療として使用されるすべてのSGLT2阻害薬において、術前休薬に関する添付文書の変更を承認した。  当局は、「カナグリフロジン(商品名:カナグル)、ダパグリフロジン(同:フォシーガ)、エンパグリフロジン(同:ジャディアンス)は少なくとも予定手術の3日前、エルツグリフロジン(国内未承認)は少なくとも4日前に休薬する必要がある」とプレスリリースを配信した。また、SGLT2阻害薬休薬後は血糖値を注意深く監視し、手術前に適切に管理すべき、と記している。

中国のCOVID-19情報充実のサイトを開設/神戸医療産業都市推進機構医療イノベーション推進センター

 神戸医療産業都市推進機構 医療イノベーション推進センター(センター長:福島雅典氏)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する特設ページを3月18日に公開した。  COVID-19による重症肺炎が最初に蔓延した中国では、すでに膨大な研究が行われ、多くの論文が発表されている。そして、それらの知見を取り入れたガイドラインが改訂・出版されている中で、このウェブサイトでは中国における診療ガイドラインや臨床試験情報などへのリンクを紹介している。センターでは随時更新を行う予定。

リキッドバイオプシーによるT790M変異のスクリーニングとオシメルチニブの効果(WJOG8815L/LPS )/Cancer

 EGFR陽性肺がんにおけるリキッドバイオプシーは、組織生検不能患者に適用される。しかし、リキッドバイオプシーにより同定されたT790M変異非小細胞肺がん(NSCLC)患者におけるオシメルチニブの有効性についての前向き研究はない。これらの患者集団におけるオシメルチニブの有効性と安全性を前向きに評価する第II相試験が行われた。Cancer誌2020年2月5日号オンライン版掲載の報告。

術後せん妄予防に対するメラトニンの効果~メタ解析

 術後せん妄の予防に、メラトニンやその類似体が有効なのかは、よくわかっていない。中国・南方医科大学のYunyang Han氏らは、メラトニンやその類似体の術後せん妄に対する効果を評価するため、システマティックレビューとメタ解析を実施した。Journal of Pineal Research誌オンライン版2020年3月7日号の報告。  PubMed、Cochrane Library、Web of Science、Embase、CINAHLデータベースより検索を行った。主要アウトカムは、術後せん妄発生率とした。

低用量アスピリンの使用で肝炎患者の肝臓がんリスクが低下か

 B型肝炎やC型肝炎の患者は肝臓がん(肝細胞がん)の発症リスクが高い。しかし、低用量アスピリンを毎日使用することで、そのリスクを有意に低減できる可能性があるとする研究結果を、米ハーバード大学医学大学院のTracey Simon氏らが「New England Journal of Medicine」3月12日号に発表した。  この研究では、スウェーデンの登録データを用いて、低用量アスピリン(160mg以下)の使用歴がなく、2005年7月~2013年12月の間にB型またはC型肝炎の診断を受け、2015年12月31日まで追跡可能なデータがある18歳以上の成人患者5万275人を特定。このうち1万4,205人が、心筋梗塞や脳卒中の予防目的で低用量のアスピリンの使用を開始していた。Simon氏らは、アスピリン使用の有無と、その後の肝臓がんや肝疾患に関連した死亡などのリスクとの関連について検討した。

パーキンソン病の眼症状に注意

 パーキンソン病の主な症状は手足の震えや筋肉のこわばりだが、眼症状を訴える患者も少なくないことが、ラドバウド大学医療センター(オランダ)のCarlijn Borm氏らが行った研究から明らかになった。かすみ目やドライアイなどの眼症状が重く、視力が低下して日常生活が妨げられ、転倒リスクが高まっている患者も多いという。研究結果の詳細は「Neurology」3月11日オンライン版に掲載された。  Borm氏らは今回、パーキンソン病患者848人と、対照群とした健康な成人250人を対象に、質問票を用いて視力や眼症状の有無や程度について調査を行った。平均年齢は両群ともに70歳で、パーキンソン病患者群は、発症から平均7年が経過していた。なお、質問票では、視力のほか、かすみ目やドライアイ、平面が立体的に見えるなどの奥行知覚の問題、急激な明るさの変化に対する調整が難しいといった眼症状について尋ねた。

BKT阻害薬チラブルチニブ、中枢神経系原発リンパ腫に国内承認/小野薬品

 小野薬品工業は、2020年3月25日、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬チラブルチニブ(商品名:ベレキシブル)について、「再発又は難治性の中枢神経系原発リンパ腫」の効能又は効果で国内製造販売承認を取得したと発表。  今回の承認は、再発または難治性の中枢神経系原発リンパ腫(PCNSL)患者44例を対象にチラブルチニブを 1 日 1 回、経口投与による有効性および安全性を評価する多施設共同非盲検非対照第I/II相試験(ONO-4059-02)の結果に基づいている。チラブルチニブ投与患者 17 例において、主要評価項目である全奏効率(中央判定による)は 52.9%(9/17例)であった。主なGrade3/4の副作用は、好中球減少、白血球減少および高トリグリセリド血症で、各々11.8%(2/17 例)に認められた。

慢性期統合失調症における抗精神病薬の減量・中止と再発リスク~メタ解析

 慢性期統合失調症患者に対する高用量の抗精神病薬使用は、より重篤な副作用につながり、リカバリーを妨げる可能性がある。しかし、抗精神病薬の減量は精神症状の再発リスクを伴うため、減量による再発のリスク因子を特定することは臨床に役立つと考えられる。オランダ・Mental Health Services RivierduinenのJan P. A. M. Bogers氏らは、慢性期統合失調症における抗精神病薬の減量または中止と再発リスクに関するシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Schizophrenia Bulletin誌オンライン版2020年3月2日号の報告。

“肛門疾患”丸わかり-内科医にも役立つガイドライン発刊

 肛門疾患と聞くと、多くの方はまず“痔”を想像されるのではないだろうか。医師に相談しにくい病気の1つだが、非専門医の方々は相談を受けたことがあるだろうか? 2020年1月、日本大腸肛門病学会は『肛門疾患(痔核・痔瘻・裂肛)・直腸脱診療ガイドライン2020年版』を発刊。これは2014年に策定された診療ガイドラインの改訂版で、既存の肛門部の三大疾患(痔核・痔瘻・裂肛)とは別に直腸脱の項が追加された。今回、本ガイドラインの作成委員長を務めた山名 哲郎氏(JCHO 東京山手メディカルセンター副院長)から活用ポイントについて聞いた。

妊婦への抗真菌薬処方は安全か?

 皮膚科医にとって難問の1つとなっている妊婦への抗真菌薬投与について、デンマークの全国規模の妊娠登録ベースコホートにおける研究結果が発表された。デンマーク・Bispebjerg and Frederiksberg HospitalのNiklas Worm Andersson氏らによる検討で、経口または局所テルビナフィンの投与と、主要な形成異常または自然流産のリスク増大の関連は特定できなかったという。テルビナフィンは一般的に使用される抗真菌薬だが、妊娠中の使用に関する安全性データは限定的である。JAMA Dermatology誌オンライン版2020年3月4日号掲載の報告。

「降圧薬でCOVID-19は重症化しない」、米国3学会が共同声明

 米国心臓協会(AHA)、米国心不全学会(HFSA)、米国心臓病学会(ACC)の3学会は3月17日、「ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)の服用は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)罹患後の重症化要因にはならない」とする共同声明を発表した。COVID-19重症化とこれらの降圧薬の使用をめぐり議論が巻き起こっていることを受けて、今回の声明の発表に至ったとしている。  3学会は、ACE阻害薬またはARBを服用している心不全や高血圧、心疾患の患者に対し、引き続きこれらの薬剤を使用するよう呼びかけている。ただし、心疾患などの持病がある人は、ACE阻害薬やARBの使用の有無にかかわらず、COVID-19罹患後には重症化リスクが高まるとしている。

肥満手術前に禁煙した人の多くが術後に喫煙再開

 肥満手術を受ける患者の中で喫煙習慣のある人の多くは、手術に向けていったん禁煙するが、手術後に喫煙を再開する確率が高いことがわかった。米ピッツバーグ大学のGretchen White氏らが、米国内10カ所の医療機関で調査した結果で、詳細は「Annals of Surgery」2月20日オンライン版に掲載された。  この研究は2006~2009年に肥満手術(ルーワイ胃バイパス術)を受けた成人患者を対象とする前向きコホート研究として実施された。対象者は1,770人で、年齢中央値は45歳、80%が女性、BMI中央値は47。追跡期間は2015年までの7年で、その間は毎年、喫煙状況を確認した。

パーキンソン病の症状が卓球で緩和か

 パーキンソン病患者に対する理学療法として卓球が有望である可能性が、福岡大学脳神経内科の井上賢一氏らが実施した小規模な予備研究で示された。パーキンソン病患者に6カ月間、卓球エクササイズプログラムを実施したところ、さまざまな症状に有意な改善が見られたという。この研究結果は、第72回米国神経学会議(AAN 2020、4月25日~5月1日、カナダ、トロント)で発表される予定。  パーキンソン病は、ドーパミンと呼ばれる脳内の神経伝達物質が減少することで生じる運動障害疾患で、振戦、筋強剛、動作緩慢、姿勢障害、歩行障害、バランス障害、発話の変化などが見られる。