医療一般

医療者向けChatGPT登場!米国在住の医師が特別レポート

多くのAIツールを医療者が使うようになり、医療者の情報検索に特化したOpenEvidenceなどの専門AIツールも急速に普及するなか、4月末に汎用型AIツール・ChatGPTが医療者向けのChatGPT for Cliniciansをリリース。現時点では使用は米国在住の医師に限られるものの、医療AIの「本命」となるのかが注目される。CareNet.comで「タイパ時代のAI英語革命」「医療者のためのAI活用術」などを連載する原田 洸氏(米国・マウントサイナイ医科大学病院)が使用感を特別レポート。

アルツハイマー病に対する4つの第2世代抗精神病薬の死亡リスク比較

 第2世代抗精神病薬(SGA)は、安全性に関する懸念が存在するにもかかわらず、アルツハイマー病の行動症状のマネジメントに対し、適応外で使用されることが少なくない。しかし、特定のSGA間における死亡リスクを比較したエビデンスは、依然として限られている。米国・ピッツバーグ大学のChen Jiang氏らは、一般的に使用されるSGAで治療を行ったアルツハイマー病患者におけるすべての原因による死亡率を比較し、因果機械学習を用いて治療効果の異質性を検討した。CNS Drugs誌オンライン版2026年3月28日号の報告。

免疫介在性炎症性疾患患者のがんリスク、要因は炎症か

 全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ(RA)、乾癬などの免疫介在性炎症性疾患(IMID)患者はがんリスクが高いことが知られているが、リスクが高いのはIMID診断後1年間であり、抗炎症薬による治療を開始するとそのリスクは経時的に低下する可能性が、新たな研究で示された。ガッルーラ地域保健局(イタリア)リウマチ科部長のDaniela Marotto氏らによるこの研究は、「Cancers」に3月23日掲載された。Marotto氏は、「初期段階でがんリスクがピークに達するということは、治療よりも慢性炎症そのものががん発症の重要な要因であることを示唆している」と述べている。

週末の大量飲酒で肝線維化リスクが約3倍に

 多くの人は、平日はほとんど飲酒せずに過ごしていれば、土曜日の夜に多少飲み過ぎても問題ないと考えがちである。しかし、普段の飲酒量が控えめであっても、週末などにまとめて大量飲酒すること(一時多量飲酒)は、肝不全につながる危険な瘢痕化である肝線維化のリスクを3倍に高める可能性が、新たな研究で示された。米南カリフォルニア大学ケック医学校のBrian Lee氏らによるこの研究は、「Clinical Gastroenterology and Hepatology」に4月2日掲載された。  この研究結果は、「どのくらい飲むか」だけでなく「どのように飲むか」も同様に重要であることを示している。

塩分の多い食事で心不全リスクが上昇

 塩分の過剰摂取が高血圧につながり得ることは周知の事実だが、実はそれ以上に危険かもしれない。新たな研究で、心不全(HF)高リスク群におけるナトリウムの過剰摂取は、HFの新規発症と関連することが示された。米ヴァンダービルト大学トランスレーショナル・臨床心血管研究センター(VTRACC)のDeepak Gupta氏らによるこの研究結果は、「Journal of the American College of Cardiology: Advances(JACC:Advances)」に3月18日掲載された。

多発性骨髄腫のフレイル患者に対する抗CD38抗体3剤併用、実臨床での有用性

 多発性骨髄腫のフレイル患者に対する抗CD38モノクローナル抗体を含む3剤併用療法については、主要試験のサブ解析で有効かつ安全であることが示されているが、実臨床ではフレイル患者への投与を避けることは少なくない。今回、国立病院機構渋川医療センターの入内島 裕乃氏らが後ろ向き解析を実施した結果、適切な管理を実施することでフレイル患者においても非フレイル患者と同様の治療効果と安全性が得られることが示された。Cancers誌2026年3月24日号に掲載。  本研究は、2017~24年に同センターにおいて抗CD38抗体(ダラツムマブまたはイサツキシマブ)を含む3剤併用療法を受けた多発性骨髄腫患者を対象とした後ろ向き観察研究である。

「消化性潰瘍診療ガイドライン」改訂、ポストピロリ時代に対応/日本消化器病学会

 2026年4月、「消化性潰瘍診療ガイドライン」が改訂された。2021年から5年ぶりの改訂で、第4版となる。2026年4月16~18日に開催された第112回日本消化器病学会総会では、「日常臨床の現場に残された消化性潰瘍の解決すべき課題 ポストピロリ時代におけるガイドラインの改訂」と題したパネルディスカッションが行われ、各セクションを担当したガイドライン作成委員会委員から、改訂のポイントが紹介された。  冒頭では、ガイドライン作成委員会委員長を務めた鎌田 智有氏(川崎医科大学)が基調講演を行った。

加熱式タバコは2型糖尿病罹患と関係するか/JIHS

 近年、紙巻タバコに代わり加熱式タバコ(HTP)での喫煙が増えている。HTPの健康への影響のエビデンスはまだ少ないが、糖尿病罹患との関連はあるのだろうか。このテーマについて、国立健康危機管理研究機構(JIHS)の胡 歓氏らの研究グループは職域多施設研究(J-ECOHスタディ)から約3万人を追跡調査した。その結果、HTPのみで喫煙している人は、紙巻タバコのみで喫煙している場合と比較し、2型糖尿病発症のリスク低下と関連していなかったことがわかった。American Journal of Preventive Medicine誌オンライン版4月7日号に掲載。

10年間で精神疾患に対する向精神薬使用はどう変化しているのか

 統合失調症スペクトラム症および双極症の治療には、多剤併用療法、高用量の向精神薬、高い抗コリン作用負荷、認知機能低下と関連する抗コリン薬およびベンゾジアゼピン系薬剤の使用が含まれることがある。フランス・Centre Hospitalier de VersaillesのNathan Vidal氏らは、認知機能改善のための今後の治療ガイドラインおよび介入の策定に役立てるため、2013~22年の統合失調症スペクトラム症または双極症の成人外来患者における、薬物治療の動向を評価した。Journal of Pharmaceutical Policy and Practice誌2026年3月31日号の報告。

小児のアトピー性皮膚炎、確実な予防方法はないが治療の選択肢は豊富

 小児のアトピー性皮膚炎の発症を予防するために親ができることは極めて少ないことが、新たなガイドラインで示された。特別な食事療法、入浴を控えること、母乳育児、プロバイオティクスのサプリメントといった広く知られている対策が小児のアトピー性皮膚炎の予防に有効であることを示すエビデンスは見つからなかったという。一方、既にアトピー性皮膚炎を発症している小児には、皮膚のかゆみを和らげるための効果的な治療法が多くあるとしている。米国皮膚科学会(AAD)が作成したこのガイドラインは、「Journal of the American Academy of Dermatology」に4月7日掲載された。

糞便微生物移植で重症C. difficile感染症の生存率が改善か

 生命を脅かすClostridioides difficile感染症(C. difficile感染症)の患者では、糞便微生物移植(fecal microbiota transplantation;FMT)を迅速に行うことで生存率が改善する可能性のあることが、新たな研究で明らかになった。FMTは、健康なドナーの腸内細菌を患者の消化管に移植し、腸内細菌叢のバランス回復を目指す治療法である。米ミネソタ大学医学部マイクロバイオータ治療プログラムディレクターのAlexander Khoruts氏らによるこの研究結果は、「Clinical Gastroenterology and Hepatology」に4月6日掲載された。

抗うつ薬治療開始後、1日の歩数はどう変化する?

 抗うつ薬治療開始後の実生活における活動量の変化については、これまで十分に検討されていなかった。台湾・中山医学大学附設医院のYu Chang氏らは、抗うつ薬治療開始前後の日常的な歩行活動量の短期的変化を定量化するため、ウエアラブルデバイスを用いた評価を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2026年3月29日号の報告。  対象は、90日以内に初めて抗うつ薬による治療記録が登録された成人の新規うつ病患者168例(平均年齢:44.2歳、女性:78%)。過去1年間の抗うつ薬使用歴および統合失調症または双極性障害の既往歴のある患者は除外した。All of Us Research Program CDR v8(データカットオフ日:2023年10月1日)のデータを解析した。

心血管リスクが高い女性は骨折リスクも高い

 女性では心臓の健康状態が骨折のリスクと関連していることを示すデータが報告された。米テュレーン大学のRafeka Hossain氏らの研究によるもので、詳細は「The Lancet Regional Health-Americas」に3月27日掲載された。心血管イベントリスクが高い女性は、大腿骨近位部骨折のリスクもほぼ2倍に上るという。  論文の筆頭著者であるHossain氏は、「これまでの研究でも心血管疾患と骨折リスクの関連性が示唆されていたが、大腿骨近位部骨折のリスクとの関連の強さに驚いた」と述べている。また、「心血管イベントと骨折はいずれも非常に発生頻度が高く、治療費も高額となる」とし、「両者のリスクを抑制することで高齢者の生活の質(QOL)を向上させられるのではないか」と語っている。

親のストレスが軽くなると子どもの肥満リスクが低下する

 ストレスを抱える親をサポートすることが、子どもの肥満の予防に役立つ可能性が報告された。米イェール大学医学部ストレスセンターのRajita Sinha氏らの研究によるもので、詳細は「Pediatrics」に3月6日掲載された。  この研究では、マインドフルネスのトレーニングを受けた親はストレスが低下してポジティブな感情を抱くようになり、その子どもたちの食生活が改善し、体重増加も見られなくなった。論文の上席著者であるSinha氏は、「ストレスが小児肥満の発症に大きく影響することは、すでに知られていた。しかし驚いたことに、親がストレスにうまく対処できるようになると、子育ての質が向上して、子どもの肥満リスクが低下した」と語っている。

プラスチック添加物が年間約197万件の早産に関連

 プラスチックに柔軟性を与える一般的な化学物質であるフタル酸ジ-2-エチルヘキシル(DEHP)が、年間約200万件の早産に関与している可能性が新たな研究で示された。DEHPは、これまで長年にわたって人体に対する有害性が指摘されてきたフタル酸エステル類に分類される化学物質の一種で、化粧品から洗剤、防虫剤に至るまで、さまざまな製品に広く使用されている。米ニューヨーク大学(NYU)グロスマン医学部のSara Hyman氏らによるこの研究結果は、「eClinicalMedicine」に3月30日掲載された。  DEHPは環境中に広く存在するため、空気中から吸い込んだり、水や食物を介して摂取したりする可能性がある。

経皮的電気神経刺激療法は線維筋痛症の痛みの軽減に有効

 実臨床環境で実施された初の試験において、経皮的電気神経刺激療法(TENS)が線維筋痛症に伴う動作時の痛み(以下、動作時痛)の軽減に有効である可能性が示された。TENSは、皮膚に貼った電極を介して微弱な電流を流し、痛みを遮断または軽減する治療法で、外来で長年使用されている。論文の筆頭著者である米アイオワ大学理学療法・リハビリテーション科学分野のDana Dailey氏は、「本研究は、他の治療にTENSを併用することで追加的な効果がもたらされることを示している。研究参加者は全員、鎮痛薬の使用や理学療法も受けていたが、それでもなおTENSは追加的な症状緩和をもたらした」と述べている。この研究は、「JAMA Network Open」に3月27日掲載された。

生活習慣病予防、朝と夕どちらに運動するのが効果的?

 運動を行う時間帯の違いが、健康状態に異なる影響を及ぼす可能性のあることを示唆するデータが報告された。朝に運動をしている人は、遅い時間帯に運動をしている人よりも、肥満や2型糖尿病などの有病率が低いという。米マサチューセッツ大学チャン医学部のPrem Patel氏らが3月29日、米国心臓病学会学術集会(ACC.26、3月28~30日、ニューオーリンズ)で発表した。  Patel氏はこの研究の目的を、「どんな運動でもしないよりはした方が良いことは既に分かっているが、われわれは運動を行う最適なタイミングがあると考え、その特定を試みた」と解説。

AIチャットボットは「迎合的なイエスマン」か

 AIチャットボットは良き相談相手に思えるかもしれないが、実際には、相手の聞きたいことだけを言う迎合的な存在に近い――そんな警告を新たな研究が発している。個人的な悩みについて助言を求められると、AIチャットボットは過度に同調的で、「イエスマン」のように振る舞う傾向が認められたという。米スタンフォード大学コンピューターサイエンス分野のMyra Cheng氏らによるこの研究は、「Science」に3月26日掲載された。  Cheng氏は、「現状のAIは、ユーザーの間違いを指摘したり、愛の鞭となる助言を与えたりしない」とニュースリリースで述べている。

境界性パーソナリティ障害の治療で最も使われている薬剤は?

 境界性パーソナリティ障害(BPD)は有病率が高いにもかかわらず、承認されている治療薬は依然として存在しない。米国・Boehringer Ingelheim PharmaceuticalsのCarissa White氏らは、BPD治療の課題を特定するため、実臨床におけるBPD患者の治療経過を評価した。BMC Psychiatry誌オンライン版2026年3月20日号の報告。  診断後14日以内(ベースライン)に薬物療法を受けており、12ヵ月以上の治療データを有する、12歳以上、BPDの診断を1回以上受けている患者を対象に、レトロスペクティブ観察コホート研究を行った。患者データは、Holmusk NeuroBluデータベース(ver.21R2)の匿名化されたMindLinc電子健康記録より抽出し、治療経過を分析した。

ロボット支援気管支鏡検査で肺がん診断の迅速化と精度向上を実現

 肺がん検診で検出される異常の多くは無害で良性であるが、ごく一部には危険なものも含まれる。こうした中、新たな研究で、ロボット技術によりその異常が良性であるか悪性であるかを迅速かつ安全に識別できる可能性が示された。米メイヨー・クリニックの呼吸器・集中治療医であるSebastian Fernandez-Bussy氏らによるこの研究結果は、「Mayo Clinic Proceedings」4月号に掲載された。Fernandez-Bussy氏は、「肺がんの生存率は早期発見に大きく依存する。より早期に、かつ合併症の発生を抑えて診断・治療できる技術は、生存率の向上に寄与する可能性がある」と述べている。