医療一般

アテゾリスマブの非小細胞肺がん術後アジュバントが米国で承認/ロシュ

 ロシュは、2021年10月15日、米国食品医薬品局(FDA)が、PD-L1≧1%であるStageII-IIIA非小細胞肺がん(NSCLC)の手術後、プラチナベース化学療法後の補助療法としてアテゾリズマブ(製品名:テセントリク)を承認したと発表した。  IMpower010は、外科的切除後のステージIB-IIIA NSCLC(UICC / AJCC第7版)患者を対象に、アテゾリズマブの有効性と安全性を評価する第III相国際多施設非盲検無作為化試験である。

HER2 exon20変異肺がんにpoziotinibが有力な成績示す(ZENITH20)/ESMO2021

 EGFRおよびHER2のexon20挿入変異は非小細胞肺がん(NSCLC)の2〜4%である。しかし、その予後は不良かつ治療も困難で、exon20への非特異的な治療の無増悪生存期間(PFS)は3〜7ヵ月とされる。  HER2、EGFR exon20挿入変異陽性NSCLCの新薬開発が進んでいる。EGFR-MET二重特異性抗体amivantamab、ASCO2021では中国のDZD9008、9月にはmobocertinibが米国で迅速承認された。  欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2021)では、汎HER-TKIであるpoziotinibのマルチコホート試験ZENITH20の一部結果が発表され、HER2 exon20挿入変異への有力な成績が示された。

日本の介護施設の認知症高齢者における向精神薬および抗コリン薬の使用状況

 医療経済研究機構の浜田 将太氏らは、日本の主要な介護施設の1つである介護老人保健施設に入所している認知症高齢者を対象に、向精神薬および抗コリン薬の処方および中止の状況を評価するため、コホート研究を実施した。BMJ Open誌2021年4月8日号の報告。  2015年、日本の介護老人保健施設3,598施設を対象にアンケート調査を実施した(施設ごとにランダムに選択された入所者最大5例)。アンケート回収は、343施設(回答率10%)より得られ、入所者1,201例が含まれた。標準化された尺度を用いて、認知症の有無および重症度を評価した。入所時および入所2ヵ月後の向精神薬および抗コリン薬の処方状況を評価した。入所者のベースライン特性と処方または中止との関連を評価するため、多変量ロジスティック回帰分析を用いた。

コロナ感染による抗体持続、飲酒とARB服用で差/神奈川県内科医学会

 神奈川県内科医学会は、新型コロナウイルス感染後の抗体の有無について、無症候性感染者を対象として、抗体の獲得とその継続について調査を行った。2020年5月18日~6月24日に県内65施設において医師・看護師、通院患者、検診受診者など1,603例を対象に抗体検査を行い、検査結果が陽性かつ無症候性であった参加者を対象に、2、4、6ヵ月後に再度抗体検査を行った。

COVID-19にラマの抗体が有効か

 ラマ由来の小さな抗体「ナノボディ」が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療の選択肢に加わる日が来る可能性を示した研究結果が、「Nature Communication」に9月22日に発表された。研究グループは、新型コロナウイルスに強力に結合して中和するこの抗体は、最終的にはラボで作製して点鼻スプレーで投与できるようになると見ている。  抗体、すなわち免疫グロブリンは、一般に重鎖と軽鎖から成る。両鎖の先端部分は可変領域と呼ばれ、さまざまな抗原と結合できる。ラマやアルパカなどのラクダ科の動物は、重鎖のみでできた免疫グロブリンを産生でき、その重鎖の可変領域をナノボディと呼ぶ。

医療クラウドファンディング、コロナ対応スタッフの苦境を救え

 新型コロナウイルスが猛威を振るい始めてから、クラウドファンディングを利用して医療材料などの資金調達を行う医療施設や大学が増加している。先月3日にREADYFOR主催の記者会見を行った医療法人社団 悠翔会もその1つだが、なぜこのような支援方法を選択したのだろうか。同施設は首都圏や沖縄に拠点を設け在宅診療にあたっている。新型コロナ患者対応においては、かかりつけ医を持たず、なおかつ自宅療養を余儀なくされる患者を保健所紹介のもとで積極的に対応しているが、その責任者である佐々木 淳氏(悠翔会理事長・診療部長)が語る、在宅におけるコロナ対応の現状や自施設スタッフのリスク管理とはー。

SSRIの副作用プロファイル~自然主義的横断研究

 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、最も一般的に使用されている抗うつ薬である。通常の臨床試験では、SSRIの副作用は過少報告されているといわれている。各SSRIの副作用プロファイルを完全に理解するためには、自然主義的な環境で構造化された手法を用いてシステマティックに評価することが求められる。インド・JDT Islam College of PharmacyのK. Anagha氏らは、自然主義的な治療環境で患者の主観的な症状を測定するために設計された自己評価法を用いて、3種類のSSRI(セルトラリン、エスシタロプラム、fluoxetine)によって誘発される副作用の頻度を調査した。The Primary Care Companion for CNS Disorders誌2021年7月29日号の報告。

筋肉をつけるよりも体脂肪を減らす方が心臓に良い

 若年者が心臓の健康を維持しようとするなら、筋肉をつけるより過剰な体脂肪を減らすことを優先すべきであるとする研究論文が、「PLOS Medicine」に9月9日掲載された。論文の筆頭著者である英ブリストル大学のJoshua Bell氏は、「若いうちに筋肉を増やすことが心臓血管系の問題を引き起こすわけではないが、心臓の健康面のメリットを得たいのであれば、まずは体脂肪を減らすことだ」と述べている。  この研究は、1991年4月1日~1992年12月31日に英国で生まれた子どもとその親を対象とする縦断研究のデータを用いて行われた。3,227人(男性39%)を対象として、10、13、18、25歳時点で体組成を評価。加えて25歳時点で血液検査を行い、コレステロール、トリグリセライド、アポリポ蛋白B、血糖値、インスリン、クレアチニン、C反応性蛋白、分岐鎖アミノ酸など228項目にわたる心血管代謝関連マーカーを測定。その測定結果と発育段階の体組成との関連を検討した。

遠い親族の大腸がんは同がんの発症リスク増加と関連

 大腸がんの中には遺伝性のものがあるため、一般に、若年性大腸がんの診断を受けた親やきょうだいがいる人では、注意が必要とされる。しかし、注意すべきは、そのような第一度近親者の罹患歴だけではないらしい。おじやおば、祖父母、孫、甥や姪などの第二度近親者、さらにはいとこや曽祖父母、曾孫などの第三度近親者に若年性大腸がんを発症した人がいる場合でも、同がんの発症リスクは大幅に高まることが、新たな研究で明らかになった。米ニューヨーク州立大学バッファロー校健康衛生学部のHeather Ochs-Balcom氏らによるこの研究結果は、「Cancer Epidemiology」8月号に掲載された。

ロボット技術で白杖が21世紀版へと進化

 白杖は多くの視覚障害者にとって街中を歩く際に欠かせないツールだが、この100年来、ほとんど改良がなされていない。ところが、ここにきて急速に進化が進みそうだ。米バージニア・コモンウェルス大学のCang Ye氏らは、ロボット技術を利用した「ロボット白杖」の開発が前進したことを「IEEE/CAA Journal of Automatica Sinica」8月号に報告した。同氏らは、ロボット白杖の開発を通じて白杖が近代化されることに期待を示している。  試作されたロボット白杖には、3Dカメラとセンサーのほかに、目的地まで道中の障害物を回避しながら利用者を導くためのコンピューターが搭載されている。もちろん実用化にはまだハードルが残されていて、全体の軽量化もその一つだ。またYe氏らは、たとえ技術的な課題が解決されたとしても、完成したロボット白杖が視覚障害者に受け入れられるかどうかという問題もあるとしている。

ゲーム内のアイテム購入が多動性や不注意と関連―国内中学生の調査

 オンラインゲームを有利に進めるために、ゲームの中で販売されているアイテムを購入するという行為と、行動特性やメンタルヘルス状態との関連が報告された。弘前大学教育学部の新川広樹氏(研究時点の所属は同大学大学院医学系研究科子どものこころの発達研究センター)、川崎医療福祉大学医療福祉学部の横光健吾氏らが、日本人中学生を対象に行った研究の結果であり、詳細は「Frontiers in Psychology」に8月3日掲載された。  オンラインゲーム市場は世界中で急速に拡大しており、特に日本での成長が著しい。2019年の統計では、世界のオンラインゲームによる収益の23%(14.5億ドル)を日本が占めていたと報告されている。オンラインゲームの特徴として、ゲームの中で販売されているアイテムを購入することで、有利にプレーを進められることが挙げられる。例えばルートボックス(国内では「ガチャ」と呼ばれる)という手法で購入すると、ゲーム攻略上の利便性が異なる多くのアイテムの中から、ランダムに選択されたアイテムを使えるようになる。

コロナ治療でイベルメクチン適応外使用に注意喚起/MSD

 MSDは10月12日、医療関係者向けの情報サイトで「COVID-19に対するイベルメクチンの処方について」と題した文書を掲載。腸管糞線虫症または疥癬の経口治療薬として国内承認されているイベルメクチン(商品名:ストロメクトール)は、COVID-19の治療薬としては承認されていないため適応外使用となることを注意喚起した。  イベルメクチンを巡っては、同剤を開発した米・メルク社が9月、COVID-19治療薬としての有効性と安全性のエビデンスについて分析した結果をステートメントとして発表。▽前臨床試験では新型コロナウイルス感染症に対する治療効果を示す科学的な根拠は示されていない▽新型コロナウイルス感染症患者に対する臨床上の活性または臨床上の有効性について意義のあるエビデンスは存在しない▽大半の臨床試験において安全性に関するデータが不足している―とし、「規制当局によって承認された添付文書に記載されている用法・用量や適応症以外におけるイベルメクチンの安全性と有効性を支持するデータは、現時点では存在しない」との見解を示した。

急性期および治療抵抗性統合失調症に対する抗精神病薬治療戦略~ガイドラインのレビュー

 慶應義塾大学の下村 雄太郎氏らは、急性期および治療抵抗性統合失調症に対する抗精神病薬の治療戦略に関する現状を要約するため、ガイドラインおよびアルゴリズムのシステマティックレビューを実施した。Schizophrenia Research誌オンライン版2021年9月8日号の報告。  急性期および治療抵抗性統合失調症に対する抗精神病薬治療に関する臨床ガイドラインおよびアルゴリズムを特定するため、MEDLINEおよびEmbaseを用いて、システマティックに文献検索を行った。治療反応不良(抗精神病薬の増量や切り替えなど)や治療抵抗性を含む抗精神病薬治療戦略の推奨事項に関する情報を収集した。

パンデミックで多くの米国人女性が妊娠を断念

 米ニューヨーク市在住の幼い子どもを持つ女性を対象に実施した調査から、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの発生前に妊活に励んでいた女性のほぼ半数が、パンデミック発生の数カ月後に妊娠の計画を断念していたことが明らかになった。また、パンデミック前に次の妊娠を望んでいたがまだ子作りを始めていなかった女性の3人に1人は、現在は妊娠を考えていないと回答したという。米ニューヨーク大学(NYU)ランゴン・ヘルスのLinda Kahn氏らによるこの調査結果は、「JAMA Network Open」に9月15日掲載された。

喘息の誘因がオフィスに隠れている可能性

 ごく一般的なオフィスにも職業性喘息のリスクがあり、職場環境が改善されない場合、そこで働く患者の離職率は100倍以上にも上るというデータが報告された。英バーミンガム大学のChristopher Huntley氏らの研究によるもので、欧州呼吸器学会(ERS2021、9月5~8日、オンライン開催)で発表された。  職業性喘息は一般的に、アレルゲンとなり得る粉塵が発生しやすい工場などで多いとされているが、Huntley氏らはこの研究で、工場勤務者ではなくオフィスワーカーの喘息リスクに着目。英国の職業性肺疾患の医療データベースを用いた横断研究を実施した。2004年1月~2020年12月に診断された職業性肺疾患患者2,761人のうち55人(2.0%)が、オフィスワーカーであり、そのうち47人(85.5%)が職業性喘息と診断されていた。年齢は平均47.9±11.8歳で、女性が70.2%だった。

ストレスホルモンの上昇は高血圧のリスクと関連

 ストレスを抱えることが多い人は、血圧や心臓の健康に注意した方がいいようだ。血圧が正常でもストレスホルモンのレベルが高い成人では低い成人に比べて、6〜7年以内に高血圧になりやすいとする研究結果が報告された。京都大学大学院医学研究科社会疫学の井上浩輔氏らによるこの研究結果は、「Hypertension」に9月13日掲載された。  近年、mind-heart-body connection(心と心臓と体のつながり)に言及した研究報告が増えつつある。これは、心のあり方は心血管リスクにポジティブにもネガティブにも影響を与えるとする考え方のことである。井上氏は、「これまでの研究では、高血圧患者におけるストレスホルモンレベルと高血圧や心血管イベントとの関係に焦点が当てられてきた。しかし、高血圧のない成人を対象にした研究は十分に行われていない」と話す。

太っているとドライアイ症状を感じにくい?―JPHC-NEXT研究

 BMIが高い人は、ドライアイ症状を訴える確率が低いというデータが報告された。国立がん研究センターなどによる次世代多目的コホート研究(JPHC-NEXT研究)によるもので、詳細は「Eye & Contact Lens」8月号に掲載された。  ドライアイは、涙の乾きなどの異常により、目の表面の健康が損なわれ、目の不快感が生じる疾患。スマートフォンの長時間利用や、コンタクトレンズ装用者の増加などによって、国内でもドライアイ患者が増加している。  近年、ドライアイの発症や進行には角膜の知覚低下が関与していることが明らかにされた。また、肥満に伴い末梢神経障害を生じることがあり、それがドライアイの病態に影響し得るかという点についても現在、関心が広がっている。海外からはBMIとドライアイとの関連を調査した疫学研究の結果が複数報告されているが、結果は一致していない。また、これまでのところ、地域住民を対象とした大規模な疫学研究は報告されていない。

スルペラゾンに使用上の注意改訂指示、アレルギー反応に伴う急性冠症候群を追記

 セフォペラゾンナトリウム・スルバクタムナトリウム(商品名:スルペラゾンなど)の使用上の注意について、「重要な基本的注意」の項のショック、アナフィラキシーに関する注意喚起に「アレルギー反応に伴う急性冠症候群」を、また「重大な副作用」の「ショック、アナフィラキシー(呼吸困難等)」の項に「アレルギー反応に伴う急性冠症候群」を追記するよう、厚生労働省より2021年10月12日付けで改訂指示が発出された。

切除不能転移大腸がん1次治療、FOLFOXIRI+ベバシズマブへのアテゾリズマブ上乗せ(AtezoTRIBE)/ESMO2021

 未治療の切除不能転移大腸がん(mCRC)に対し、FOLFOXIRI+ベバシズマブ(BEV)+アテゾリズマブはFOLFOXIRI+BEVと比較し無増悪生存期間(PFS)を有意に延長することが、Gruppo Oncologico del Nord-Ovest(GONO)グループによる「AtezoTRIBE試験」で示された。イタリア・ピサ大学のChiara Cremolini氏が欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2021)で発表した。  AtezoTRIBE試験はGONOによる無作為化非盲検第II相試験で、mCRCの1次治療における第1選択であるFOLFOXIRI+BEVに、抗PD-L1抗体のアテゾリズマブを併用することにより、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)/DNAミスマッチ修復欠損(dMMR)の有無にかかわらず患者の予後を改善できるかを検証したもの。  

ワクチンパスポート賛成は過半数を超える/アイスタット

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による緊急事態宣言下、多くの事務職はテレワークに代替され、不要不急の外出も制限されている。家にこもる日々が1年以上に渡るが、身体にどのような変化があったのであろうか。  「ワクチンパスポート」をテーマに、株式会社アイスタットは10月4日にアンケートを行った。アンケートは、セルフ型アンケートツール“Freeasy”を運営するアイブリッジ株式会社の全国の会員20~79 歳の300人が対象。