医療一般

未治療若年マントル細胞リンパ腫へのイブルチニブ療法、リツキシマブ維持療法でPFS延長(TRIANGLE)/JCO

 未治療の若年マントル細胞リンパ腫(MCL)患者において、BTK阻害薬イブルチニブを含む治療にリツキシマブ維持療法(RM)を追加することにより無増悪生存期間(PFS)が有意に延長することが、TRIANGLE試験の2次解析で示された。イタリア・Universita del Piemonte OrientaleのMarco Ladetto氏らがJournal of Clinical Oncology誌オンライン版2026年7月14日号に報告した。

熱中症による入院患者、多い服用薬は?/MDV

 高温環境により体温調節機能が破綻して発症する熱中症。今年もこの対策が必要な季節が到来した。昨年までの天気予報では「猛暑日」(35℃以上)の表現が多用されていたが、2026年4月17日に気象庁が最高気温40℃以上の名称を「酷暑日」と正式決定し、これまで以上に熱中症対策の重要性が高まっている。  熱中症の重症例では中枢神経障害や循環不全、急性腎障害(AKI)などの多臓器障害を引き起こし、とくにAKIでは脱水や循環血液量減少、横紋筋融解症などを要因とし、集中治療や腎代替療法を要する場合もある。発症予防はもちろんのこと、重症化予防を行うためには患者背景や併存疾患、服用薬剤から重症化リスクをあらかじめ把握しておくことが鍵になるだろう。

若年発症がんの増加、背景に生物学的老化の加速?

 近年、若い世代でのがん発症リスクが増加していることが示されているが、それを説明し得る要因が新たな研究によって浮かび上がった。この研究を実施した米セントルイス・ワシントン大学医学部准教授のYin Cao氏らによると、若い世代に見られる生物学的老化の加速が、がんに対処する体の仕組みに影響を及ぼしている可能性があるという。詳細は、「Nature Medicine」に6月22日掲載された。  研究グループの説明によると、50歳未満または55歳未満で診断される若年発症がんは、1990年から2019年にかけて世界全体で24%増加し、現在も増加し続けている。

患者ポータルの利用拡大で医療従事者のデジタル業務負担増

 米国人の少なくとも12%が、予約、検査結果、継続治療などについて医療従事者とやり取りするために患者ポータルを利用しており、患者が患者ポータルを通じて送信するメッセージ数は2020年から2025年の間に2倍以上に増加したことが、新たな研究で明らかになった。米ニューヨーク大学(NYU)グロスマン医学部外科学分野のMichal Mankowski氏らによるこの研究結果は、「Journal of the American Medical Association(JAMA)」に6月22日掲載された。  Mankowski氏はニュースリリースで、「今回の研究は、米国全土で患者ポータルや健康アプリ、メッセージ機能の利用が日常的な患者ケアの一部となっており、単に時折利用される補助的な連絡手段ではなくなったことを示している」と話している。

潰瘍性大腸炎の粘膜治癒、歯みがき頻度と関連

 潰瘍性大腸炎(UC)は、大腸粘膜に慢性的な炎症が生じる炎症性腸疾患(IBD)の一つである。今回、日本人のUC患者275人を対象とした研究で、歯みがき頻度が高いほど粘膜治癒(内視鏡で大腸粘膜の炎症が認められない状態)の達成と関連することが示された。一方、残存歯数との関連は認められなかった。研究は、済生会今治病院内科の八木専氏、愛媛大学総合健康センターの古川慎哉氏らによるもので、詳細は5月28日付の「Digestive Diseases and Sciences」に掲載された。

アルツハイマー病検出に有望な血液バイオマーカー、認知機能が正常なアジア人での精度は?

 血液バイオマーカーは、アルツハイマー病を検出する有望なツールと考えられる。しかし、認知機能が正常なアジア人集団において、血液バイオマーカーの性能は依然として不明であった。認知機能が正常なアジア人を対象に、血液バイオマーカーの識別性能を評価するため、システマティックレビューおよびメタ解析が実施された。Ageing Research Reviews誌2026年7月号の報告。認知機能が正常なアジア人集団を対象に、血漿中のp-tau217、Aβ42/40および複合バイオマーカーがアミロイドβ(Aβ)PET陽性を識別する能力を評価するため、システマティックレビューおよび変量効果モデルを用いたメタ解析を実施した。CENTRAL、PubMed、CINAHLより、システマティックに文献検索を行った。主要解析では、AβPET陽性の識別能力を評価するため、p-tau217およびAβ42/40それぞれの曲線下面積(AUC)を統合した。副次的解析では、AβPET陽性群と陰性群におけるp-tau217およびAβ42/40のバイオマーカー濃度の標準化平均差(SMD)を検討した。さらに、p-tau217/Aβ42やp-tau217とAβ42/40の組み合わせモデルを含む複合バイオマーカーのAUCを統合した。

移植不適応の再発・難治性DLBCL、R-GemOxにポラツズマブ ベドチン追加でOS改善(POLARGO)/JCO

 移植不適応の再発・難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対する、ポラツズマブ ベドチン+リツキシマブ+ゲムシタビン+オキサリプラチン(Pola-R-GemOx)療法の有効性と安全性を評価した第III相POLARGO試験の結果、Pola-R-GemOxがR-GemOxと比較して全生存期間(OS)を有意に改善したことを米国・Rutgers Cancer InstituteのMatthew Matasar氏らが報告した。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2026年7月6日号に掲載。  本試験は16ヵ国64施設で実施された無作為化非盲検の国際共同第III相試験である。Pola-R-GemOxの安全性導入期間(15例)の後、自家造血幹細胞移植の適応とならない再発・難治性DLBCL患者を、Pola-R-GemOx群もしくはR-GemOx群に無作為に1:1に割り付け、21日ごとに最大8サイクル投与した。主要評価項目はOSであった。

少量の飲酒は死亡率を下げるのか~19万人を21年追跡

 少量のアルコール摂取が健康に良い影響を与えるのかどうか、報告は一貫していない。今回、ノルウェー公衆衛生研究所のAage Tverdal氏らは、約19万人という大規模なコホートを対象にアルコールの種類(ビール、ワイン、蒸留酒)と死亡率(全死亡、心血管疾患・虚血性心疾患・がん・アルコール関連疾患による死亡)との関連を約21年間調査し、とくに「少量のワイン摂取」が死亡率に与える影響について詳細な分析を行った。その結果、アルコール摂取量と全死亡リスクにはJ字型の関連がみられ、とくにワイン摂取量との関連が顕著であった。また、少量のワイン摂取は、ビールや蒸留酒の摂取にかかわらず非飲酒者より死亡率が低いことが示された。Scandinavian Journal of Public Health誌オンライン版2026年7月3日号に掲載。

プレハビリテーションが高齢患者の脊椎固定術後の合併症を抑制

 プレハビリテーションは、術後の回復を促進する目的で術前に体力や健康状態を向上させる介入で、近年、外科医を中心とする医師の注目を集めている。こうした中、新たな研究で、脊椎固定術の前に4週間のプレハビリテーションプログラムを受けた75歳以上の患者では、術後90日以内の合併症リスクが18%低かったことが示された。首都医科大学(中国)附属宣武医院整形外科部長のShibao Lu氏らによるこの研究結果は、「Annals of Internal Medicine」に6月16日掲載された。Lu氏は、「本研究は、構造化された多面的プレハビリテーションが、高齢者における脊椎固定術後の合併症を減少させる上で有効な方法となり得ることを示した」と述べている。

帯状疱疹ワクチンは動脈硬化性疾患患者の主要心血管イベントリスク低下と関連

 動脈硬化性疾患(ASCVD)と診断された50歳以上の成人において、帯状疱疹(HZ)ワクチンの接種は、主要心血管イベント(MACE)およびその他の心血管アウトカムのリスク低下と関連するという研究結果が、米国心臓病学会年次総会(ACC.26、3月28~30日、米ニューオーリンズ)で発表された。  米カリフォルニア大学リバーサイド校のRobert Nguyen氏とAditya Desai氏は、米国のTriNetXデータベースを用い、2018年1月1日~2024年1月1日にASCVDと診断された50歳以上の成人を対象とした後ろ向きコホート研究を実施し、この集団において帯状疱疹ワクチン接種が心血管リスクを低減するかどうかを検討した。

Burnt-out MASLD、肝癌切除後予後を左右する新たな高リスク表現型か

 代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)では、病態の進行に伴って肝脂肪が消失する「Burnt-out MASLD」と呼ばれる状態に至ることがある。今回、肝細胞癌(HCC)患者931例を対象とした研究で、Burnt-out MASLDを有する患者では肝切除後の再発および生存予後の悪化と独立して関連することが示された。術後のリスク層別化に役立つ新たな高リスク表現型として注目される。研究は、埼玉医科大学国際医療センター消化器外科(肝胆膵外科)の渡邉幸博氏らによるもので、詳細は5月29日付の「Liver International」に掲載された。

ベンゾジアゼピンの長期使用は統合失調症の認知機能低下と関連しているか

 統合失調症患者に対するベンゾジアゼピン(BZD)の長期使用と認知機能との関連については、十分に解明されていない。中国・上海交通大学のCaiping Liu氏らは、統合失調症におけるBZDの長期使用と認知機能との関係を調査するため、コホート研究を実施した。BMC Psychiatry誌オンライン版2026年6月10日号の報告。本研究では、中国の統合失調症患者を対象とした非定型抗精神病薬による治療に関する観察研究(SALT-C)のデータを用いて評価を行った。BZDを60日以上使用していた長期使用患者57例を対象とし、年齢、性別、罹病期間、使用された非定型抗精神病薬について傾向スコアを用いてマッチさせたBZD非使用患者57例との比較を行った。認知機能はモントリオール認知評価(MoCA)、精神病症状は陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)、疾患重症度は臨床全般印象度-重症度(CGI-S)尺度、心理社会的機能は個人的・社会的機能遂行度尺度(PSP)を用いて評価した。群間比較には、独立サンプルのt検定またはマン・ホイットニーのU検定を用いた。BZD使用者におけるBZD用量とMoCA合計スコアとの関連を評価するために、スピアマンの順位相関係数による分析を行った。また、MoCA合計スコアに関連する因子の検討には、重回帰モデルを用いた。

BCMA標的治療後の再発・難治性多発性骨髄腫、CAR-T vs.遺伝子改変抗体

 B細胞成熟抗原(BCMA)標的治療後の再発・難治性多発性骨髄腫に対するサルベージ治療として、CAR-T細胞療法と遺伝子改変抗体療法の有効性および安全性を比較したメタ解析の結果を、中国・Huazhong University of Science and TechnologyのYun Kang氏らが報告した。解析の結果、CAR-T細胞療法は抗体ベースのアプローチと比較して有意に高い全奏効率(ORR)を示し、とくにGPRC5D標的CAR-Tが有望であることが示唆された。Blood Cancer Journal誌オンライン版2026年7月14日号に掲載。

体力のある人は加齢に伴う腎機能低下が緩やか/筑波大学

 腎機能が保たれている一般集団において、全身持久力や心肺機能を反映する有酸素性運動能力と、加齢に伴う推算糸球体濾過量の経時的変化(eGFR slope)との関連を調査した結果、有酸素性運動能力が高い人ほど加齢に伴うeGFRの低下速度が緩やかであり、有酸素性運動能力が腎臓に対して保護的な役割を果たす可能性があることを、筑波大学の吉越 駿氏らが示した。Medicine & Science in Sports & Exercise誌オンライン版2026年7月3日号掲載の報告。  慢性腎臓病(CKD)患者では、腎機能低下に伴い有酸素性運動能力も低下することが知られている。

患者説明に使う資料や情報源は?~がん専門医500人に聞く

 情報過多の現代、医療情報も多種多様なレベルのものが世の中にあふれている。数十年前と比べ医師と患者の立場がフラットになりつつある昨今、患者自身の学習意欲もあいまって、診療時間中のコミュニケーションに費やす時間は増加傾向にある。診療の効率化が求められる中でも、医師にとっては患者に対し、患者自身の疾患に関する正しい知識を端的に提供したいというニーズは根強いのではないだろうか。  患者の視点に立った情報発信については、若尾 文彦氏(国立がん研究センター がん対策情報センター副センター長)率いる研究班や「がん情報の均てん化を目指す会」をはじめとする多くの団体が検証を重ねている。

早朝の収縮期血圧、新築マンションへの引越しで◯mmHg低下

 高断熱・高気密および省エネ・創エネ性能を備えた新築マンション「ZEH-M(Net Zero Energy House Mansion)」への転居前後での冬季の家庭血圧について、同一被験者で前後比較を行った結果、高血圧治療中の患者や血圧高値者において、早朝収縮期血圧が最大で約7mmHg有意に低下した。本結果は大阪大学の中神 啓徳氏らの研究グループの研究によって明らかになり、Hypertension Research誌2026年7月13日号に掲載、第26回日本抗加齢医学会総会で報告された(2026年6月26〜28日開催)。

中年期の筋トレ習慣が糖尿病リスク低下につながる

 中年期を通して筋力トレーニングを続けている人は、2型糖尿病(T2DM)のリスクが42%低いことが明らかになった。さらに、筋トレとともに有酸素運動を行い、テレビ視聴時間が短い人では、より大きなリスク低下が認められた。浙江大学(中国)のTianyue Zhang氏らの研究によるもので、詳細は「JAMA Network Open」に6月22日掲載された。  有酸素運動によるT2DMのリスク抑制に関しては豊富なエビデンスがあるのに対して、筋トレのエビデンスは多くなく、特に長期間の前向き研究に基づく知見は少ない。Zhang氏らはこの点について、米国の看護師健康調査(NHSおよびNHS II)と医療従事者対象調査(HPFS)のデータを用いた検討を行った。

ナッツで認知症は予防可能か?

 ナッツは、さまざまな健康上のベネフィットと関連付けられている。しかし、認知症との関連をめぐるエビデンスは、いまだ結論が出ていない。中国・浙江大学のMengjia Zhao氏らは、3つのプロスペクティブコホート研究を対象に、ナッツ摂取と認知症の長期リスクとの関連を検討することを目的に、本研究を実施した。Nutrients誌2026年5月28日号の報告。「Health and Retirement Study(HRS:2013~20年)」、「Framingham Offspring Study(FOS:1998~2018年)」、「Whitehall II Study(WHII:2002~16年)」のデータを用い、ベースライン時点で認知症でなかった45歳以上の成人を対象に解析を実施した。木の実およびピーナッツを含むナッツの摂取量の評価には、妥当性が確認された食物摂取頻度調査票(FFQ)を用いた。HRSではベースライン時に1回、FOSおよびWHIIでは複数回の調査を通じ、繰り返し評価が行われた。すべての原因による認知症の発症は、HRSでは妥当性が確認されたアルゴリズム、FOSでは専門家パネルによる判定、WHIIでは医療記録との照合によって特定された。ナッツ摂取と認知症発症との関連について、コホートごとにCox比例ハザードモデルを用いて推定を行ったうえで、それらの結果をプールした。

日中の過度の眠気と入眠潜時延長、高血圧リスクの警告サインか

 日中に過度の眠気(excessive daytime sleepiness;EDS)を感じることは、高血圧の警告サインである可能性があり、特に入眠に時間を要する場合はその可能性が高まる——そんな研究結果が、米ペンシルベニア州立大学医学部の研究グループにより報告された。EDSを有する成人は、高血圧を有しているか、将来的に高血圧を発症するリスクが高いことが示されたという。この研究は、米国睡眠医学会(AASM)および睡眠研究学会(Sleep Research Society)が共同で設立した米国睡眠関連学会連合(APSS)の年次総会(SLEEP 2026、7月14〜17日、米ボルチモア)で発表予定であり、要旨が「Sleep」5月増刊号1に掲載された。