医療一般

NSCLC1次治療、ペムブロリズマブ単剤の5年追跡結果(KEYNOTE-024)/JCO

 未治療のPD-L1高発現(TPS≧50%)の転移を有する非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象にペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)単剤と化学療法を比較した第III相KEYNOTE-024試験の5年追跡結果が発表された。 ・対象:転移を有する未治療のPD-L1高発現(TPS≧50%)NSCLC患者(305例) ・試験群:ペムブロリズマブ200mg 3週ごと(154例) ・対照群:治験担当医が選択したプラチナベース化学療法 4~6サイクル(151例) ・評価項目:[主要評価項目]無増悪生存期間(PFS)、[副次評価項目]OSなど  主な結果は以下のとおり。

RAAS系阻害薬と認知症リスク~メタ解析

 イタリア・東ピエモンテ大学のLorenza Scotti氏らは、すべてのRAAS系阻害薬(ARB、ACE阻害薬)と認知症発症(任意の認知症、アルツハイマー病、血管性認知症)との関連を調査するため、メタ解析を実施した。Pharmacological Research誌2021年4月号の報告。  MEDLINEをシステマティックに検索し、2020年9月30日までに公表された観察研究の特定を行い、RAAS系阻害薬と認知症リスクとの関連を評価した。ARB、ACE阻害薬と他の降圧薬(対照群)による認知症発症リスクを調査または関連性の推定値と相対的な変動性を測定した研究を抽出した。研究数および研究間の不均一性に応じて、DerSimonian and Laird法またはHartung Knapp Sidik Jonkman法に従い、ランダム効果プール相対リスク(pRR)および95%信頼区間(CI)を算出した。同一研究からの関連推定値の相関を考慮し、線形混合メタ回帰モデルを用いて検討した。

COVID-19既感染者も再感染リスクがある

 新型コロナウイルスに一度感染した人も、再び感染するリスクが存在することが、米海兵隊員を対象とする調査で明らかになった。研究者らは、「既感染の若者でさえワクチン接種を受ける必要がある」と述べている。研究の詳細は、「The Lancet Respiratory Medicine」に4月15日掲載された。  この研究は2020年5~11月に米海兵隊の新兵対象に実施された。軍事訓練に入る前の2週間の隔離期間中に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を発症しなかった3,076人(92%が男性)を6週間前向きに追跡。追跡期間中は定期的にPCR検査を繰り返し施行し、新型コロナウイルスの感染の有無を把握した。6週間の追跡をプロトコルどおりに終了し得たのは、2,436人で、このうち189人はベースライン時において血清抗体が陽性の既感染者だった。

適量のワインが白内障予防に有効?

 白内障は多くの人に失明の脅威をもたらす。しかし、アルコール、特に赤ワインを適度に飲む人では、白内障の手術を受けるリスクが低減する可能性のあることが報告された。研究論文の筆頭著者である、英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)眼科学研究所のSharon Chua氏は、「この所見はワインを飲む人に特に顕著に認められたことから、特に赤ワインに豊富に含まれるポリフェノールの抗酸化作用が白内障予防の鍵を握っている可能性がある」と述べている。研究の詳細は、「Ophthalmology」に2月8日掲載された。  白内障は、通常は透明な眼の水晶体が濁る疾患で、加齢に伴い発症することが多い。米ノースウェル・ヘルスの眼科医Matthew Gorski氏によると、白内障の症状には、グレア(光が伸びてまぶしく見えること)やハロー(光の周辺に輪がかかって見えること)、複視、コントラスト感度の低下、視力低下、視界の薄暗さ、奥行き知覚の低下などがあり、文字を読みにくくなったり、日中や夜間の運転が困難になったりする。

女性の喫煙本数と心理的苦痛が有意に関連―奈良県立医大

 タバコを吸う女性は吸わない女性より心理的苦痛を強く感じていて、さらに喫煙本数が多い女性ほどその傾向が強いことを示すデータが報告された。一方、男性ではこのような関連は見られないという。奈良県立医科大学県民健康増進支援センターの冨岡公子氏らの研究によるもので、詳細は「Harm Reduction Journal」に3月4日掲載された。  喫煙は修正可能な早期死亡の最大のリスク因子であるとともに、不安やうつなどの心理的苦痛の高さと関連することが知られている。ただしこの関連における性差や年齢の影響については十分検討されていない。そこで冨岡氏らは、厚生労働省「国民生活基礎調査」の匿名データを用いて、この点を検討した。

オンラインで過ごす時間の長さはネットいじめに関連

 インスタグラムやTikTokのようなソーシャルメディアのプラットフォームの増加に伴い、10代の若者がそれに費やす時間も増加の一途をたどっている。そんな中、オンラインに費やす時間の増加はネットいじめと関連するという研究結果が、米ジョージア大学教育学部の准教授Amanda Giordano氏らにより報告された。研究の詳細は、「Journal of Child and Adolescent Counseling」に2月3日掲載された。  Giordano氏は、「ソーシャルメディア中毒とは、ソーシャルメディアを使っていないときに使いたくてたまらなくなり、たとえネガティブな影響――例えば、一晩中画面をスクロールしていることから生じる疲れや学校での成績の悪化など――が現れていても、それを使い続けることをいう」と説明する。

転移乳がんのOS、サブタイプ別の経年変化/ESMO Open

 転移を有する乳がん(MBC)の治療はこの10年で大きく進歩している。フランス・Gustave RoussyのThomas Grinda氏らが、全国的コホートであるESME(Epidemio-Strategy-Medico-Economical)-MBCのデータを用いて、2008~17年におけるMBCの全生存期間(OS)の変化をサブタイプ別に評価した結果、HER2陽性患者では改善し続けていることが示された。ESMO Open誌2021年4月22日号に掲載。  ESME-MBCでは、フランスのがんセンター18施設で2008年以降に治療を開始したすべてのMBC患者のデータを収集している。この研究では、全体(2万446例)およびサブタイプごとのOSを調査した。サブタイプ別の患者数は、ホルモン受容体陽性(HR+)/HER2陰性(HER2-)患者が1万3,590例、HER2陽性(HER2+)患者が3,919例、トリプルネガティブ(TNBC)患者が2,937例。MBC診断年などの共変量で多変量解析を実施し、経年的なOS改善の可能性、MBC診断後に新規上市薬剤が投与された割合を評価した。

アトピー性皮膚炎に正しい理解を―患者1,000人への意識調査

 アトピー性皮膚炎は、罹患率だけでなく認知度も高い疾患でありながら、その疾患特性、患者に及ぼす影響、治療法などについての理解は十分ではない。  4月16日、アッヴィ合同会社は、『アトピー性皮膚炎による患者さんの生活や対人関係への影響~患者さん1,000人を対象にした疾病負荷 調査結果を発表~』と題したセミナーを開催した。  本セミナーでは、片岡 葉子氏(地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪はびきの医療センター 副院長兼主任部長 アトピー・アレルギーセンター長)と江藤 隆史氏(東京逓信病院皮膚科客員部長、あたご皮フ科副院長)が、アトピー性皮膚炎の正しい理解をテーマに講演を行った。

片頭痛予防のための抗CGRPモノクローナル抗体による治療のベネフィット

 抗カルシトニン遺伝子関連ペプチド受容体モノクローナル抗体(抗CGRP抗体)は、反復性および慢性の片頭痛の予防に対するランダム化比較試験において有効性が示されているが、現在確立されている治療方法と直接比較した研究は行われていない。ギリシャ・General Hospital of AigioのKonstantina Drellia氏らは、反復性片頭痛の予防に対する抗CGRP抗体、トピラマート、プロプラノロールおよび慢性片頭痛の予防に対する抗CGRP抗体、トピラマート、onabotulinumtoxinAのベネフィット・リスク比の違いについて検討を行った。Cephalalgia誌オンライン版2021年2月10日号の報告。

うつ病の薬理学的介入に対する肥満の影響~メタ解析

 うつ病と肥満との関連は、ベースライン時のBMIがうつ病に対する薬理学的治療の寛解率に影響を及ぼす可能性を示唆している。ブラジル・サンパウロ連邦大学のRuth Bartelli Grigolon氏らは、抗うつ薬を投与したうつ病患者の寛解に対し、ベースラインのBMIが影響するかについて、検討を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2021年3月15日号の報告。  PRISMAガイドラインに基づいて、PubMed、Cochrane、Embaseよりシステマティックレビューを実施し、メタ解析およびメタ回帰を行った。抗うつ薬単剤療法または併用療法の有効性を評価したランダム化比較試験のうち、ベースライン時のBMIを収集した研究をメタ解析に含めた。ベースライン時のBMIと寛解率との線形関係を説明するモデルを作成した。

バイアグラで心疾患男性の寿命が延びる?

 勃起障害(ED)の治療薬であるバイアグラを使用している慢性冠症候群の男性では、全死亡リスクや心筋梗塞の発症リスクなどが低下する可能性のあることが、カロリンスカ研究所(スウェーデン)のMartin Holzmann氏らにより報告された。研究の詳細は、「Journal of the American College of Cardiology」3月30日号に掲載された。  健康な人におけるED発症は心血管疾患の初期兆候である可能性がある。治療としては通常、アルプロスタジルの注射、またはバイアグラやシアリスなどのPDE5阻害薬の服用により、局所の血流を増加させる方法が取られている。PDE5阻害薬は血圧を低下させる作用があるため、以前は心筋梗塞のリスクがある冠動脈疾患の患者への処方は推奨されていなかった。しかしHolzmann氏らは2017年に行った研究で、心筋梗塞の既往歴がある男性でもPDE5阻害薬に対して良好な忍容性(薬剤の副作用が投与された人にとってどれだけ耐えられるかを示すもの)を示すだけでなく、同薬剤が寿命を延長し、新たな心筋梗塞や心不全の発症も防ぐ可能性のあることを示していた。

アスピリン服用は新型コロナ感染リスクを下げる?

 心血管疾患の予防目的で数百万人の人に服用されている低用量アスピリンが、新型コロナウイルスへの感染予防にも有用である可能性が、予備的研究で示唆された。Barzilai Medical Center(イスラエル)のEli Magen氏らによるこの研究の詳細は、「The FEBS Journal」に2月23日報告された。  非ステロイド系抗炎症薬であるアスピリン(アセチルサリチル酸)は、RNAウイルスへの感染を予防する可能性のあることが過去の研究で報告されている。研究グループによると、アスピリンは、RNAウイルスに対する活性が確認される数十年前に大流行した1918年のスペイン風邪の治療薬としても、広く使用されたという。

KRASG12C阻害薬ソトラシブ、KRAS G12C陽性肺がんに国内申請

 アムジェンは、2021年4月28日、KRAS G12C阻害薬ソトラシブについて、KRASG12C変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(NSCLC)を予定の効能又は効果として、日本国内で製造販売承認申請を行った。  KRAS G12C変異は、米国では肺腺がんの約13%、日本人では非扁平上皮がんの4.5%に認められると報告されている。しかし、KRASG12C変異を有するNSCLCに対する治療薬は承認されておらず、また既存の2次治療における転帰も不良である。

統合失調症患者に対するVR介入の可能性

 統合失調症は、重度および障害を伴う精神疾患であり、社会的機能の持続困難と関連する。仕事の継続や社会的な関係を維持することは、患者にとって困難な場合もあり、限られた薬物療法の選択肢では、機能不全の治療が難しいことも少なくない。医学的な治療の限界に対処するため、心理療法の分野では、いくつかの革新的かつ興味深いアプローチが導入されている。ハンガリー・センメルワイス大学のEdit Vass氏らは、統合失調症患者に対するバーチャルリアリティー(VR)介入の可能性について、症例ベースの報告を行った。Frontiers in Psychology誌2021年2月26日号の報告。

波の音や鳥のさえずりに健康増進効果

 大自然の中で1日を過ごすと充電されたように感じるが、自然の音には実際に健康増進効果があるようだ。鳥のさえずりや波の音は、いら立ちやストレスといったネガティブな感情を抑える一方で、ポジティブな感情を高め、健康を増進させる効果があることが、米国の国立公園で実施された研究で明らかになった。カールトン大学(カナダ)のRachel Buxton氏らによるこの研究結果は、「Proceedings of the National Academy of Sciences」4月6日号に発表された。

米国のがん検診受診率はパンデミック前のレベルに回復

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより大幅に低下していたがんスクリーニング検査受診者が、米国では比較的短期間で回復していたことが明らかになった。同国の政策研究関連非営利団体であるRAND CorporationのRyan McBain氏らが医療保険データを解析して明らかにしたもので、詳細は「Journal of General Internal Medicine」に3月19日掲載された。  McBain氏らはこの研究に、2020年1月15日~7月31日の米国内の民間医療保険の医療費請求データベースを利用。がん検診の対象年齢である45~64歳の約680万人の、乳がんマンモグラフィと大腸内視鏡によるスクリーニング検査の受診状況を把握した。この2種類のがんは米国で最も一般的ながんであり、2019年には約40万人が新たに診断され、約9万人が死亡しており、スクリーニングの重要性が高い。

緑豊かな環境は脳卒中の発症リスク低下と関連、AHAニュース

 近隣に緑が豊富であればあるほど、脳卒中の発症リスクは低下するという研究結果が報告された。米マイアミ大学ミラー医学部のWilliam Aitken氏らによるこの研究結果は、国際脳卒中学会(ISC 2021、3月17〜19日、オンライン開催)で発表された。Aitken氏は、「自然環境が健康に影響を与えることを示すエビデンスは数多くあるが、われわれは、とりわけ脳卒中に与える影響について検討したかった。この研究結果は、住んでいる場所がその人の健康に影響を与えることを示す、新たなエビデンスとなるものだ」と話している。

日本人はCOVID-19に対する意識が低い?―英国やスペインとの比較

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する国民の意識を、国際比較した研究結果が報告された。日本人はCOVID-19に対する不安が少なく、感染回避行動をとる人の割合が低いことなどが明らかになった。千葉大学社会精神保健教育研究センターの椎名明大氏らの研究によるもので、詳細は「Annals of General Psychiatry」に2月18日掲載された。  COVID-19パンデミックに対する国民の反応は国ごとに異なる可能性があり、実効性のある対策を取るには、その違いを把握することが欠かせない。椎名氏らは、日本と英国、スペインの一般住民を対象に同じ内容のアンケート調査を実施し、回答を比較検討した。英国は日本同様に島国という地理的条件が共通しているが、感染者数は英国の方が圧倒的に多い。またスペインは他国と地続きであり、かつ感染者数は英国よりもさらに多いという、国ごとの特徴がある。

乳児はベビートークが好き

 普段接している言語の種類に関係なく、乳児は、通常の話し方よりもベビートーク(赤ちゃん言葉を使った乳幼児に対する語りかけ方)を好み、より注意を向けるという研究結果が、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)Language Acquisition LabのMegha Sundara氏らにより報告された。この研究結果の詳細は、「Advances in Methods and Practices in Psychological Science」に3月12日掲載された。  この研究は、バイリンガルで育てられている333人の乳児と、モノリンガル(単一言語)で育てられている384人の乳児を対象に、英国、フランス、米国、シンガポールなど世界7カ国、17カ所の研究所で実施された。乳児の年齢は、生後6〜9カ月、あるいは生後12〜15カ月であった。

EDを自覚していない男性の特徴は?―かかりつけ医での調査

 勃起障害(ED)の症状が現れているのに、自分がEDだと認識していない男性が少なくないことが明らかになった。プライマリケア医(かかりつけ医)にかかっている中高年男性の9割以上がEDの可能性があるにもかかわらず、自分がそのような性機能不全に該当する状態だと認識していたのは4割足らずだという。手稲家庭医療クリニックの竹内優貴氏らの研究によるもので、詳細は「Family Medicine and Community Health」に1月22日掲載された。