医療一般

パルボシクリブ、HR+HER2+乳がん導入療法後の維持療法に適応拡大/ファイザー

 ファイザーは2026年9月16日、CDK4/6阻害薬パルボシクリブ(商品名:イブランス)について、「ホルモン受容体陽性かつHER2陽性の手術不能又は再発乳癌における化学療法後の維持療法」に対する製造販売承認事項一部変更承認を取得したことを発表した。  本承認は、ホルモン受容体陽性HER2陽性(HR+HER2+)の転移乳がんを対象とした無作為化非盲検第III相試験であるPATINA(AFT-38)試験の結果に基づく。同試験において、導入療法(中央値6サイクル)を受けた試験参加者は、1次維持療法として抗HER2療法(トラスツズマブ単独、またはトラスツズマブ+ペルツズマブ)および内分泌療法+パルボシクリブ併用群(n=261)と、抗HER2療法および内分泌療法群(n=257)に無作為に割り付けられた。

再発・難治性多発性骨髄腫へのテクリスタマブ、ダラツムマブとの併用療法で承認/J&J

 Johnson & Johnson(日本における医療用医薬品事業の法人名:ヤンセンファーマ)は2026年9月16日、再発・難治性の多発性骨髄腫の治療法として、テクリスタマブ(商品名:テクベイリ皮下注30mg、同153mg)について、ダラツムマブ(商品名:ダラキューロ配合皮下注)との併用療法で製造販売承認事項一部変更の承認を取得したことを発表した。  今回の承認は、1~3ラインの前治療歴を有する再発・難治性多発性骨髄腫を対象として、テクリスタマブとダラツムマブの併用療法の安全性および有効性をダラツムマブ+ポマリドミド+デキサメタゾン併用(DPd)療法またはダラツムマブ+ボルテゾミブ+デキサメタゾン併用(DVd)療法と比較した国際共同第III相MajesTEC-3試験および海外第Ib相TRIMM-2試験の結果に基づく。

インフルで入院しやすい人、死亡リスクが高い人の特徴~メタ解析

 インフルエンザ患者における入院および死亡に関連するリスク因子を特定することは、臨床管理および公衆衛生戦略を策定するうえで重要である。今回、中国・Shandong University School of Public HealthのYa Gao氏らは、WHOインフルエンザ臨床ガイドラインの更新を支援する目的で、季節性インフルエンザ患者における入院および全死因死亡のリスク因子を系統的レビューおよびメタ解析で検討した。その結果、非重症例の入院の主要リスク因子として、65歳以上、免疫不全、心血管疾患、神経疾患、慢性呼吸器疾患が、重症例の全死因死亡の主要リスク因子として、2次細菌感染、栄養不良、敗血症、急性腎障害、65歳以上、慢性心血管疾患、悪性腫瘍、慢性神経疾患が示唆された。Lancet Respiratory Medicine誌オンライン版2026年9月8日号に掲載。

高度なケアを要する高齢者における認知症・BPSDの有病率は

 高齢者において、高度なケアを必要とする疾患と認知症を合併すると、そのケアは複雑化する。台湾・Changhua Christian Hospitalの氏らは、経管栄養、呼吸器ケア、皮下注射、尿道カテーテル、ストーマケアまたは浣腸、創傷ケア、疼痛管理、透析といった高度なケアを要する患者を対象に、認知症および認知症の行動・心理症状(BPSD)の有病率を明らかにするため、調査を実施した。The Journal of Prevention of Alzheimer's Disease誌オンライン版2026年8月14日号の報告。  本研究は、台湾全国規模の集団ベース横断調査として実施した。多段階層化系統抽出法を用い、2020年9月〜2022年6月に計1万1,297例の参加者を登録した。

米国の20代の8割に心腎代謝症候群の兆候

 米国では多くの若年成人が、将来の心血管・腎・代謝に関する健康リスクを高める状態にあることが明らかになった。米ボストン大学のDonald Lloyd-Jones氏らの研究の結果であり、詳細は「Circulation:Population Health and Outcomes」に8月20日付で掲載された。平均年齢23歳という若年集団を対象とした調査で、参加者の約8割に心腎代謝(CKM)症候群の兆候が認められたという。  CKM症候群とは、代謝性リスク因子、腎疾患、心血管疾患が相互に関連し、心血管疾患の発症・進行リスクを高める状態を指し、米国心臓協会(AHA)によると、その初期兆候として、高血圧、脂質異常、インスリン抵抗性、糖尿病前症などが現れてくるという。

州規制下のシロシビンサービス、メンタルヘルス症状の改善と関連

 オレゴン州の規制下にあるシロシビンサービスを利用した人では、シロシビンの使用後に抑うつ、不安、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などのメンタルヘルス症状が改善し、安全性もおおむね良好であったことが、新たな研究で示された。シロシビンはマジックマッシュルームに含まれる幻覚成分で、治療抵抗性うつ病などに対する効果が期待されている。米オレゴン健康科学大学(OHSU)医学部のTodd Korthuis氏らによるこの研究結果は、8月19日付で「JAMA Network Open」に掲載された。

糖尿病へのスタチン、開始時期で認知症リスクに差?/ESC2026

高齢化に伴い認知症の負担は増大しており、とくに糖尿病患者ではリスクが高いことが知られている。一方、LDLコレステロールは認知症の修正可能なリスク因子として注目されている。そこで、デンマーク・Copenhagen University Hospital-Herlev and GentofteのTummas Ternhamar氏らは、2型糖尿病診断後のスタチン開始時期と認知症リスクとの関連を検討した。その結果、診断後1年以内の「スタチン早期開始」が、全認知症リスクの有意な低下と関連することが示された。本結果は、2026年8月28~31日にドイツ・ミュンヘンで開催されたEuropean Society of Cardiology 2026(ESC2026、欧州心臓病学会)で発表され、The Lancet Regional Health Europe誌オンライン版2026年8月27日号に掲載された。

HR+/HER2-乳がん、2回目の同側局所再発後の転帰

 早期乳がん患者において、局所再発(LRR)は遠隔転移および乳がん関連死亡リスクの増加と関連しているが、2回連続して同側LRRが発生した場合の転帰に関するデータはきわめて少ない。今回、イタリア・European Institute of OncologyのMonica Milano氏らは、ホルモン受容体陽性/HER2陰性(HR+/HER2-)乳がんで2回の同側LRRを経験した患者の転帰について単施設コホート研究で評価した。その結果、約半数の患者で7年以内に無浸潤性乳がん生存(IBCFS)イベントが発生し、とくに内分泌療法抵抗性や胸壁・領域リンパ節再発で予後不良の傾向が示された。eClinicalMedicine誌2026年8月31日号に掲載。

重度腹膜転移を伴う進行胃がん、mFOLFOX6は選択肢か

腹腔全体に及ぶ大量腹水や輸液補助を要する経口摂取不良を伴う重度腹膜転移を有する進行胃がん患者は、主要な臨床試験から除外されてきた。そこで、愛知県がんセンター薬物療法部の舛石 俊樹氏らは、重度腹膜転移を有するHER2陰性・化学療法未治療の進行胃がん患者を対象に、mFOLFOX6療法を評価する第II相試験「WJOG10517G」を実施した。その結果、mFOLFOX6療法は忍容可能で、治療選択肢となりうることが示された。本研究結果は、Gastric Cancer誌オンライン版2026年8月27日号に掲載された。

エチゾラムとゾピクロンの投与期間30日上限以降、処方傾向はどう変わったか?

 2016年10月、日本においてベンゾジアゼピン受容体作動薬(BZD)であるエチゾラムおよびゾピクロンは第3種向精神薬に指定され、両剤の投与期間の上限が30日に制限された。横浜市立大学の立岡 幸大氏らは、エチゾラムおよびゾピクロンの投与期間上限の設定が両薬剤の処方に及ぼした影響を評価した。Therapeutic Innovation & Regulatory Science誌オンライン版2026年8月8日号の報告。  本研究は、2012〜20年の日本の全国医療保険レセプトデータからランダムに抽出されたデータに基づいて実施した。2016年に向精神薬に指定されたBZDであるエチゾラムおよびゾピクロンについて、年齢層別の処方動向を分析した。向精神薬指定が処方動向に及ぼす影響は、中断時系列分析を用いて評価した。

妊娠中のRSVワクチン接種は乳児の入院リスクを低減

 妊娠中のRSV融合前Fタンパク(RSVpreF)ワクチン接種は、生後90日以内の乳児におけるRSV関連入院の予防に有効であるという研究結果が、「JAMA Network Open」に6月5日掲載された。  米ピッツバーグ大学の Anne-Marie Rick 氏らは、RSVpreFワクチン承認後、最初の2シーズンにおいて、生後90日以内の乳児におけるRSV関連の急性呼吸器感染症(ARI)および下気道疾患(LRTD)による入院に対して、妊娠中のRSVpreFワクチン接種がどの程度有効であるかを推定した。解析対象は274人の乳児であった(RSV症例83人、対照191人)。

年齢と治療前の聴力がメニエール病の長期的な聴力予後に関連

 メニエール病(MD)患者では、年齢および治療前の聴力が長期的な聴力予後と関連するという研究結果が、5月16日付で「Acta Oto-Laryngologica」に掲載された。  亜東紀念医院(台湾)のPing-Chia Cheng氏らは、MD患者159人(患耳179耳)を対象とした後ろ向き研究を実施し、長期的な聴力予後を評価するとともに、聴力予後に影響を及ぼす主な因子を特定した。聴力予後は、4周波数(500 Hz、1,000 Hz、2,000 Hz、3,000 Hz)の平均聴力レベルに基づいてステージ分類した。平均追跡期間は4.7年であった。

犬を飼うことで認知症予防は可能か?〜日本人対象研究

 国立環境研究所の谷口 優氏らは、犬の飼育者の身体的、社会的、心理的特性に基づいた傾向スコア重み付け法を用い、犬の飼育と要介護認知症の発症および死亡との関連を調査した。さらに、操作変数モデルを用いて、この関係における因果関係の可能性を検討した。加えて、費用対効果分析を用いて、犬の飼育に伴う費用と効果についても検討を行った。International Journal of Environmental Research and Public Health誌2026年7月22日号の報告。  犬の飼育状況は、「現在飼育中」、「過去に飼育経験あり」、「飼育経験なし」の3つに分類した。要介護認知症は、日本の介護保険制度における医師の判定に基づき定義し、死亡については約7.5年間のフォローアップ期間中に日本の人口動態統計を用いて確認した。

T-DXd関連ILD、日本人の胃がん・乳がん患者で死亡例に多い所見は?

トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)に関連する間質性肺疾患(ILD)/肺臓炎は、治療継続や生命予後に関わる重要な有害事象である。そこで、愛知県がんセンター呼吸器内科の藤原 豊氏らは、日本人の乳がんおよび胃がん患者を対象とした市販後全例調査のデータを用いて、独立したILD判定委員会により判定されたT-DXd関連ILDの臨床的・画像的特徴を検討した。その結果、多くは軽度~中等度で副腎皮質ステロイドに反応した一方、びまん性肺胞傷害(DAD)パターンは死亡例に多くみられた。本研究結果は、The Oncologist誌オンライン版2026年9月7日号に掲載された。

卵巣がん患者の17.1%が診断後3年で心血管イベントを発症/Gynecol Oncol

 卵巣がん患者は、非がん患者と比較して心血管イベントリスクが増加していることが明らかになった。また、その傾向は若年患者(55歳未満)においてより顕著であった。  婦人科がん患者の間では心血管疾患(CVD)の負担が大きいとされる。治療の進歩により生存率が向上するにつれ、CVDの脅威は増大している。  卵巣がんとCVDの関係は十分に解明されていないものの、卵巣がんの両側卵巣摘出術(外科的閉経)は、エストロゲンの心臓保護効果の喪失を介してCVDリスクの上昇に関与しているとされる。

極端な暑さは数十種類の健康問題と関連

 極端な暑さによる健康への影響は、単なる脱水や熱中症にとどまらないようだ。米ノースウェスタン大学地球・環境・惑星科学准教授のDaniel Horton氏らによる研究で、極端な暑さへの曝露と関連する診断カテゴリーは、急性腎不全、多発性硬化症、カンナビノイド関連の精神・行動障害、昆虫による咬傷・刺傷、交通事故、銃器による外傷など33に上ることが示された。この研究の詳細は、8月26日付で「Science Advances」に掲載された。Horton氏は、「これまでの研究から、人は極端な暑さにさらされると攻撃的に振る舞いがちになることが示されている。今回の結果にも、そのことが関係している可能性がある。暑いと心身の双方にストレスがかかり、注意力が散漫になったりいら立ちが強まったりして、事故が増える可能性がある」とニュースリリースで述べている。

指先に貼るパッチがパーキンソン病患者の汗からレボドパ濃度を測定

 パーキンソン病患者に投与する薬剤の適切な量を見極めるのは容易ではない。パーキンソン病の標準治療薬であるレボドパは、用量が少な過ぎると患者が動けなくなる一方、多過ぎると重度の制御不能な不随意運動を引き起こす。こうした中、患者の汗を利用してレボドパ濃度を測定できる指先に貼るパッチが、この問題の解決に役立つ可能性があることを示した研究成果が報告された。このパッチは、電池なしで汗中のレボドパ濃度を測定できる。初期段階の試験では、同パッチで測定した汗中のレボドパ濃度は、標準的な血液検査で測定した血中レボドパ濃度と強く相関することが示された。米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)のTamoghna Saha氏らによるこの研究の詳細は、「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」に7月27日掲載された。

喫煙者の多くはタバコが心臓や脳に及ぼすリスクを認識していない

 タバコのリスクに関する過去数十年にわたる啓発活動にもかかわらず、多くの喫煙者が喫煙や受動喫煙が心臓発作や脳卒中を引き起こすという事実をまだ十分認識していないことが、46カ国で行われた調査から明らかになった。ウォータールー大学(カナダ)と米疾病対策センター(CDC)タバコ規制プログラムの研究者による研究の結果であり、同大学のJanet Chung-Hall氏らによる論文が、「BMJ Open」に8月4日付で掲載された。  この研究では、2002~2022年の国際タバコ規制プロジェクト(ITC)と、2008~2020年の世界成人タバコ調査(GATS)のデータを用い、46カ国の18歳以上の喫煙者において、喫煙と受動喫煙が肺がんや心血管疾患(CVD)の原因になるという認識が、過去約20年間でどのように変化してきたかが解析された。

電子シーシャ、ニコチンの有無で人体への影響に違いは?

 フレーバー付きリキッドを加熱・エアロゾル化して吸引する電子シーシャは、近年若年層を中心に普及が進んでいる。ニコチンを含有しない製品も販売されているが、心血管系を含め人体への影響については未解明の点が多い。  米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のMary Rezk-Hanna氏らの研究グループは、健康な若い習慣的シーシャ(水タバコ)喫煙者を対象に、ニコチン含有/非含有の電子シーシャの吸引前後での心血管疾患関連マーカーの変化を比較した。その結果、ニコチンの有無にかかわらず、電子シーシャ吸引後に炎症および凝固系マーカーである血漿フィブリノゲンレベルが有意に上昇したことが確認された。本研究結果は、Journal of the American Heart Association誌2026年8月4日号に掲載された。

双極症患者の自殺、年齢により手段が異なることが判明

 双極症における年齢層別の自殺手段については、これまで十分に検討されていなかった。台湾・台北市立聯合医院のMeng-Chiao Chou氏らは、双極症患者の自殺者と一般集団の自殺者を対象に、自殺手段の選択について比較を行った。Acta Psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2026年8月5日号の報告。  台湾の全国規模の医療データベースを用い、2003~23年に双極症と診断された4万7,488例を特定し、死亡記録と照合して自殺による死亡を確認した。自殺者のみを対象とするデザインを用い、双極症患者の自殺者と一般集団の自殺者との間で、自殺手段の分布を比較した。性別、死亡時年齢、都市化の程度、就業状況を調整変数として、年齢層別(30歳未満、30~49歳、50~64歳、65歳以上)の多変量ロジスティック回帰分析を実施した。