医療一般

コルヒチン中毒の報告受け、添文の警告や副作用など改訂/厚労省

 コルヒチン(商品名:コルヒチン錠0.5mg「タカタ」)の添付文書への警告や重大な副作用の新設、用法及び用量などの改訂について、2026年2月24日、厚生労働省より改訂指示が発出された。  主な改訂内容として、用法及び用量に関連する注意の項では、「痛風発作の緩解への使用において、1日量1.5mgを超える高用量の投与は臨床上やむを得ない場合を除き避けること。1回量、1日量及び投与期間は国内の最新のガイドラインを参考にすること」「痛風発作の予防又は家族性地中海熱への使用において、承認された用量を超えて投与しないこと」の追記がなされた。

デュシェンヌ型筋ジストロフィーの治療薬発売/中外

 中外製薬は、2026年2月20日にデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の治療を目的とした再生医療等製品のデランジストロゲン モキセパルボベク(商品名:エレビジス点滴静注)を発売した。投与対象は、DMDのうち、エクソン8および/またはエクソン9の一部または全体の欠失変異を有さず、抗AAVrh74抗体が陰性である3歳以上8歳未満の歩行可能な患者となっている。また、本製品は2025年5月13日に条件および期限付承認に該当する製造販売承認を取得している。

日本における統合失調症、患者と介護者の負担は?

 統合失調症は重篤な精神疾患であり、臨床的、経済的、そして人道的に大きな影響を及ぼす。日本ベーリンガーインゲルハイムのFumiko Ono氏らは、日本における統合失調症患者と介護者への負担を評価するため、文献レビューを行った。Schizophrenia誌オンライン版2026年1月20日号の報告。  2013~23年のPubMed、医中誌、CiNii、J-STAGE、Cochraneデータベースおよび2018~23年の医師会、政府機関、患者団体からの補足資料から該当データを収集した。本レビューでは、統合失調症患者と介護者が経験する疫学、臨床管理、社会的、人道的、そして経済的負担に焦点を当てた。

インフルA型、B型それぞれの感染に影響する個人的・環境的要因

 インフルエンザの感染伝搬について、個人的および環境的要因が及ぼす影響について評価したカナダ・マクマスター大学のNushrat Nazia氏らによる研究の結果、高年齢であることはとくにB型インフルエンザ感染において防御的に働く可能性が示された。また環境・地理的要因がインフルエンザ感染に与える影響はウイルスの型ごとに異なっていた。Influenza and Other Respiratory Viruses誌2026年2月号掲載の報告。  本研究は、カナダの厳格なキリスト教徒「フッター派(Hutterite)」のコミュニティを対象に行われた。同コミュニティは外部との接触が少なく、ライフスタイルが共通した単一的で明確な集団構造を持つ。

都市生活者の心臓に良いのは芝生ではなく樹木

 都市部に暮らす人々では、自宅の周辺に樹木が多いという環境が、心血管疾患(CVD)リスクの低さと関連していることが明らかになった。しかしその一方、芝生や背の低い草地の広さは、CVDリスクの高さと関連しているという。  この研究は、米カリフォルニア大学デービス校のPeter James氏らによるもので、詳細は「Environmental Epidemiology」2月号に掲載された。論文の筆頭著者であるJames氏は、「われわれの研究結果は、公衆衛生介入において居住環境の樹木の保護と植樹を優先すべきであることを示唆している。そのような取り組みは、芝生を敷くといったことへの投資に比べて、心臓の健康にメリットをもたらす可能性が高い」と述べている。

祝日や年末に外傷は増える? 国内データが示す外傷の季節性

 救急外来や外傷医療の現場では、患者数の増減が医療提供体制に大きな影響を与える。これまで外傷の発生には季節性があることが知られてきたが、祝日や年末年始といった社会・文化的イベントとの関係を、長期かつ日単位で検証した研究は限られていた。日本全国38万人超の外傷データを解析した本研究では、ゴールデンウィークや年末など特定の時期に外傷が増加する一方で、お盆や年始には減少することが明らかになった。研究は、総合病院土浦協同病院救命救急センター・救急集中治療科の鈴木啓介氏、遠藤彰氏によるもので、詳細は12月18日付で「Scientific Reports」に掲載された。  外傷は世界的に主要な死因・障害原因であり、医療・社会に大きな負担を与えている。

転移のあるTNおよびHR+/HER2-乳がんへのSG、最大規模のリアルワールドでのOS解析

 転移を有するトリプルネガティブ乳がん(mTNBC)および転移を有するホルモン受容体陽性/HER2陰性乳がん(HR+/HER2- mBC)の3次治療でのサシツズマブ ゴビテカン(SG)のリアルワールドにおける生存アウトカムを、フランス・National Agency for Medicine and Health Product Safety(ANSM)/National Health Insurance Center(CNAM)のAya Elhusseiny Shaaban氏らが過去最大規模のリアルワールド研究で評価した。本研究では、全生存期間(OS)中央値はmTNBCで11.0ヵ月、HR+/HER2- mBCで11.4ヵ月であった。British Journal of Cancer誌オンライン版2026年2月5日号に掲載。

肝機能指標の正確な理解度は20%未満/ベーリンガーインゲルハイム

 日本ベーリンガーインゲルハイムは、2月の全国生活習慣病予防月間に合わせ、同社が行った「脂肪肝に関する認知・理解度調査」の結果を2026年2月16日に公表した。  脂肪肝は、わが国では2,000万例以上が罹患していると推定され、最も頻度の高い肝疾患とされている。また、日本人を含む東アジア人においては、遺伝的背景により肝臓に脂肪が蓄積しやすい体質の人が多いことが知られ、普通体重であっても脂肪肝に至るリスクが相対的に高いとされている。重症化すると肝硬変や肝がんになるリスクがあり、肝硬変に進行すると、再生能力の高い肝臓でも元に戻ることは難しく、日常生活にも大きな支障を及ぼす。さらに肥満症や2型糖尿病などの代謝疾患の合併や発症につながり、心血管疾患イベント(心筋梗塞、虚血性心疾患、心不全など)のリスク増大や、がんなどの重篤な疾患の要因になることも知られている。

片頭痛予防に有効性と安全性のバランスが最もよいCGRP関連抗体薬は?

 反復性片頭痛は、生活の質を著しく低下させる神経疾患である。カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を標的とするモノクローナル抗体薬は、反復性片頭痛の予防と治療に有効性が示されている。パキスタン・Islamic International Medical CollegeのIshwa Shakir氏らは、反復性片頭痛に対する各CGRP関連抗体薬の有効性および安全性を比較するため、ランダム化比較試験(RCT)のネットワークメタ解析を実施した。European Journal of Clinical Pharmacology誌2026年1月17日号の報告。

2型糖尿病の病初期にも網膜の微細な変化が生じる

 2型糖尿病の初期段階で、網膜のわずかな菲薄化などの変化が生じることを示唆する研究結果が報告された。コインブラ大学(ポルトガル)のSara Oliveira氏らが行った動物実験の結果であり、詳細は「Eye and Vision」12月号に掲載された。  糖尿病網膜症は、過去20年ほどの間にいくつかの新たな治療オプションが開発されてきたにもかかわらず、依然として成人の失明原因の主要な一角を占めている。その一因として、糖尿病の発症から網膜症の診断までに年単位のタイムラグがあり、その間に網膜の分子・細胞レベルでの不可逆的な変化が生じてしまっており、網膜症診断後の治療では十分に病勢を制御できないことの影響が想定される。しかし、現在の臨床で一般的に使用可能な蛍光眼底造影、光干渉断層撮影(OCT)などの検査では、病初期の網膜の変化を検出できない。

風邪がひどくなるかどうかは「鼻の細胞」で決まる?

 なぜ、同じウイルスに曝露して、ひどく寝込む人とほとんど症状が出ない人がいるのだろうか。その答えは、「鼻の中で何が起きているか」にあるかもしれない。新たな研究で、風邪の最も一般的な原因ウイルスであるライノウイルスに対して鼻腔内の細胞がどのように反応するかが、症状が出るかどうかやその重症度を左右し得ることが明らかになった。米イェール大学医学部の免疫学者Ellen Foxman氏らによるこの研究結果は、「Cell Press Blue」に1月19日掲載された。  Foxman氏は、「この研究によって、一般的な風邪の感染時に体内で何が起きているのか、これまでになく詳細に理解できるようになった」とウォール・ストリート・ジャーナル紙に対して語っている。

一般的なボトル入り飲料水の一部に規制対象外の化学物質

 ボトル入り飲料水を飲むことは、極めて安全な水分補給の方法と感じられるかもしれない。しかし、ボトル入り飲料水は多くの人々が考えているほど純粋ではなく、有害な化学物質を含んでいる可能性のあることが、新たな研究で示唆された。10種類の人気ボトル入り飲料水ブランドの全てから化学物質が検出され、その中には政府による規制の対象となっていない化学物質も含まれていたという。米サウスカロライナ大学化学教授のSusan Richardson氏らによるこの研究の詳細は、「Water Research」3月15日号に掲載予定。

リツキサン、自己免疫性溶血性貧血の適応追加/全薬工業・中外

 全薬工業および中外製薬は、共同販売を行っている抗CD20モノクローナル抗体のリツキサン点滴静注100mg/同500mg(一般名:リツキシマブ(遺伝子組換え))について、2026年2月19日、「自己免疫性溶血性貧血」の適応追加の承認を取得したことを発表した。  自己免疫性溶血性貧血(AIHA)に対する適応追加は、日本血液学会および日本小児血液・がん学会より開発要望が提出され、2025年7月4日の医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議の評価を経て、同年7月31日の薬事審議会医薬品第一部会で公知申請を行って差し支えないと正式に決定された。これを受け、全薬工業が同年8月29日に公知申請を行い、今回の承認取得に至った。なお、第一部会で決定された7月31日付けで薬事承認を待たずに保険適用となっている。

テゼペルマブ、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎の適応追加/AZ

 アストラゼネカは2026年2月19日、テゼペルマブ(商品名:テゼスパイア)について「鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(既存治療で効果不十分な患者に限る)」に対する適応追加の承認を取得したことを発表した。  本承認は、既存治療で効果不十分な18歳以上の鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎患者を対象とした国際共同第III相無作為化比較試験「WAYPOINT試験」の結果に基づくものである。WAYPOINT試験では、共主要評価項目の鼻茸スコア(NPS)と鼻閉重症度スコア(NCS)が、いずれも有意に改善したことが報告されている。なお、NPSは投与4週時、NCSは投与2週時から改善が認められ、投与52週時まで改善が維持された。

中年日本人男性における就寝前の水分摂取が睡眠や抑うつ症状に及ぼす影響

 日中の適切な水分摂取はメンタルヘルスを向上させることが知られている。しかし、就寝中への影響はいまだ明らかになっていない。産業技術総合研究所の甲斐田 幸佐氏らは、就寝前の白湯摂取が睡眠パラメーターおよび抑うつ気分に及ぼす影響を明らかにするため、本研究を実施した。PLoS One誌2026年1月6日号の報告。  本研究は日本人2,000人を対象に、就寝前の水分摂取とうつ病自己評価尺度(CES-D)を用いて測定した抑うつ気分との関連を明らかにするため、質問票を用いて調査を行った(Study1)。また、就寝直前に280mLの白湯を摂取した場合と、就寝前2時間以上何も摂取しない場合の影響を比較した(Study2)。

蛋白尿の進行が認知機能低下と独立して関連

 慢性腎臓病(CKD)患者を対象とした前向きコホート研究により、CKDの重症度が認知機能障害の発症リスク上昇と関連し、とくに蛋白尿の進行が注意力・処理速度および実行機能の低下と独立して関連することが、米国・Tulane University School of Public Health and Tropical MedicineのZhijie Huang氏らにより示された。JAMA Network Open誌2026年2月17日号掲載の報告。  これまでの研究により、CKDが認知症や認知機能低下のリスク因子となる可能性が指摘されているが、CKD患者のみを対象に前向きに検討した研究は限られている。そこで研究グループは、推算糸球体濾過量(eGFR)の低下と尿蛋白/クレアチニン比(UPCR)の上昇が認知機能障害の発症率上昇と関連するという仮説を立て、eGFRおよびUPCRに基づくCKD重症度と認知機能障害の発症との関連を検討した。

マスクで心筋梗塞リスクが低下!?/Eur Heart J

 PM2.5への短期曝露は、急性心筋梗塞(AMI)リスクと関連することが知られている。AMIのなかでも、冠動脈閉塞を伴わない心筋梗塞(MINOCA)は、PM2.5の影響を受けやすい可能性がある。そこで、石井 正将氏(熊本大学病院 医療情報経営企画部)らの研究グループは、新型コロナウイルス感染症のパンデミックに伴うマスク着用や行動制限などの公衆衛生上の介入が、PM2.5曝露とAMIによる入院との関連に及ぼす影響を調査した。その結果、パンデミック前後のPM2.5への曝露に伴う心筋梗塞による入院リスクは、AMI全体および閉塞性冠動脈疾患を伴う心筋梗塞(MI-CAD)では不変であったが、MINOCAではパンデミック後に有意に低下した。本研究結果は、European Heart Journal誌オンライン版2026年2月13日号に掲載された。

日本における認知症の診断遅延と関連する要因は?

 認知症患者とその家族の生活の質を向上させるには、早期の診断とケア開始が不可欠である。日本では、支援団体が診断前後の孤立期である空白期間に注目しているが、その決定要因を検討した量的研究は、これまでほとんどなかった。東京都健康長寿医療センター研究所の岡村 毅氏らは、空白期間という枠組みを用いて、診断の遅れとケアアクセスの遅延に関連する要因を調査した。Psychogeriatrics誌2026年1月号の報告。  本研究では、日本国内の医療機関78施設と認知症サポート医27人の協力の下、外来診療を受けている認知症患者の家族介護者を対象に、探索的横断的調査を実施した。

電磁パルスが脳卒中からの回復を助ける

 脳卒中後に障害が残った患者の回復を促す可能性のある治療法として、脳を刺激する電磁パルスが役立つ可能性があることを示した研究結果が発表された。脳の特定の回路を電磁パルスで刺激する、電磁ネットワーク標的フィールド療法(ENTF〔electromagnetic network-targeted field〕療法)と呼ばれるこの治療法を理学療法と併用したところ、3分の1以上の患者で障害が大きく軽減したという。米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)デイビッド・ゲフィン医科大学のJeffrey Saver氏らによるこの研究結果は、米国心臓協会(AHA)主催の国際脳卒中学会議(ISC 2026、2月4〜6日、米ニューオーリンズ)で発表された。  ENTF療法は、運動機能や認知機能など、さまざまな活動に関わる脳のネットワークを刺激する。

飲んでないのに酔っぱらう? その原因は腸のまれな病気の可能性

 お酒を全く飲んでいないのに酔ったようになることがあるとしたら、それは「自家醸造症候群」という、腸内細菌が関与している珍しい病気のせいかもしれない。この病気の発症メカニズムの一端を解明した、米マサチューセッツ総合病院マス・ジェネラル・ブリガムのElizabeth Hohmann氏らの研究結果が、「Nature Microbiology」に1月8日掲載された。  食品中の炭水化物が消化の過程で腸内細菌の働きを受けると、ごくわずかなアルコール(エタノール)が生成されることがある。このような反応は誰にでも起こり得るが、生成されるエタノールは微量であるため酔うようなことはない。ところが、エタノールが大量に生成されてしまう自家醸造症候群という非常にまれな疾患があり、その患者は一切飲酒をしていないにもかかわらず酔いを呈することがある。