食道がんに腫瘍溶解ウイルス「テロメライシン」承認、CRT不適患者の新たな選択肢に/オンコリスバイオファーマ

提供元:ケアネット

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公開日:2026/06/10

 

 岡山大学発の創薬ベンチャー・オンコリスバイオファーマは6月8日、同社の開発した腫瘍溶解ウイルス製剤テロメライシン注(一般名:スラタデノツレブ)が、厚生労働省の製造販売の承認を受けたことを発表した。適応は「根治切除および化学放射線療法の適応とならない食道がん」。「条件及び期限付承認」ではなく通常承認となり、再生医療等製品としては異例のケースとなった。

 テロメライシンは、テロメラーゼ活性を利用してがん細胞内で選択的に増殖するよう設計された5型アデノウイルス製剤。hTERTプロモーター制御下でウイルス複製関連遺伝子を発現し、正常細胞では増殖せず、がん細胞のみで複製・細胞破壊を引き起こす。岡山大学の藤原 俊義教授らが基礎研究を主導し、長年にわたり臨床開発が進められてきた。

 今回の承認の根拠となったのは、国内17施設で行われた第II相OBP101JP試験。手術および化学放射線療法(CRT)不適のStageII~III食道がん患者を対象に、テロメライシン腫瘍内投与と放射線療法(RT)の併用を評価した。登録37例中、約76%が80歳以上で、ほぼ全例が扁平上皮がんだった。18ヵ月時点の局所完全奏効率は50.0%で、事前設定閾値を上回った。18ヵ月全生存率は56.6%、がん特異的生存率は70.1%で、RTを上回る可能性が示唆された。有害事象はリンパ球減少や発熱が中心で、多くは管理可能だった。テロメライシンはPMDAの「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定されており、本結果をもって昨年末に承認申請が行われていた。

 食道がんでは免疫療法の導入が進む一方、高齢者や併存疾患を有する患者では標準治療が困難なケースも多く、テロメライシンは新たな選択肢として期待される。今後、薬価収載を経て上市される見通しで、市販後には全例調査が予定されている。

(ケアネット 杉崎 真名)