トップアスリートは、うつ病の頻度が高い 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/07/31 オーストラリア・ディーキン大学のHammond Thomas氏らは、競泳の精鋭選手(エリートアスリート)におけるうつ病の発生状況を評価した。その結果、上位25%にいる選手集団はうつ病の頻度が2倍高く、成績不良がうつ病と有意に関連していることを報告した。結果を踏まえて著者は、「エリートアスリートは、とくに成績不良がきっかけとなり、うつ状態に陥りやすい。選手のメンタルヘルスを考慮し、適切なタイミングで的確なサポートをすることが重要である」と結論している。Clinical Journal of Sport Medicine誌2013年7月号の掲載報告。 カナダのオリンピックおよび世界チャンピオンチームのエリートアスリートにおける、成績不良に関連するうつ病と自己報告によるうつ症状の発生状況を評価するため、横断研究を行った。対象は、カナダの大学に籍を置き、カナダ代表選手権に出場した水泳選手50例(男性28例、女性22例)であった。うつ病の診断は、事前に大まかな質問事項を決めておき、回答者の答えによってさらに詳細に質問を重ねる半構造化インタビューにて行った。うつ症状は、ベックうつ病調査票IIにより評価し、成績は、タイムとランキングの変動により評価した。これらは、予選試合が終了した後に実施した。 主な結果は以下のとおり。 ・試合前、選手の68%が大うつ病エピソードを呈し、その割合は男性に比べ女性選手のほうが多かった(p=0.01)。 ・試合後、選手の34%がうつ病と診断され、26%が自己報告による軽度~中等度のうつ症状を認めた。 ・上位25%にいる選手集団はうつ病の頻度が2倍高く、この集団では成績不良がうつ病と有意に関連していた。 ・エリートアスリートにおけるうつ病の頻度は、既報告よりも高いことが示された。 関連医療ニュース アスリートが経験する脳震盪はうつ病リスクを増加させる 仕事のストレスが大きいほど、うつ病発症リスクは高い:獨協医科大学 統合失調症に「サッカー療法」その効果は? (ケアネット) 原著論文はこちら Hammond T et al. Clin J Sport Med. 2013 Jul;23(4):273-7. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 多枝病変のSTEMI、FFRガイド下完全血行再建か責任病変のみPCIか/NEJM(2024/04/19) ALK陽性非小細胞肺がんの術後補助療法、アレクチニブvs.化学療法/NEJM(2024/04/19) 慢性腎臓病の入院抑制を意図した電子記録+診療推進者介入の効果は証明されず(解説:浦信行氏)(2024/04/19) CPRはいつまで続けるべきか? In-Hospital CPA レジストリからの報告(解説:香坂俊氏)(2024/04/19) 進行肺がん、初診から治療までの待機期間が治療効果に影響/日本呼吸器学会(2024/04/19) 大腸がん患者の死亡リスクが高くなる超加工食品は?(2024/04/19) カルシウムとビタミンDの摂取は閉経後女性の全死亡リスクに影響せず(2024/04/19) 親を見れば自分の肥満リスクが分かる(2024/04/19) 特殊なMRIが治療抵抗性統合失調症の予測に有用か(2024/04/19) 日本における抗CGRP抗体の使用状況~日本頭痛学会会員オンライン調査(2024/04/19)