CLEAR!ジャーナル四天王
切除不能な進行胃がんおよび食道胃接合部がん(以下、胃がん)に対する化学療法のレジメはHER2陽性(20%以下)とHER2陰性(約80%)に区別されている。HER2陰性の進行胃がんに対する標準的1次治療はフルオロピリミジンとプラチナベースの化学療法であるFOLFOXやCAPOXなどが推奨されてきたが、全生存期間(OS)の中央値が12ヵ月未満であり、無増悪生存期間(PFS)の中央値は約6ヵ月程度と満足できる成績ではなかった。最近になって、標準化学療法にドセタキセルを上乗せしたFLOT療法(3剤併用化学療法)さらに免疫チェックポイント阻害薬(ICI)や抗claudin-18.2(CLDN18.2)抗体のゾルベツキシマブ(商品名:ビロイ)を組み合わせた新しい併用療法の有効性が報告されている。しかしながら、これらのレジメを用いた国際的共同試験におけるOSの中央値は12~18ヵ月程度にとどまっているのが現状である。