KRAS p.G12D変異あり既治療進行固形がん、setidegrasibの安全性確認/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2026/04/09

 

 KRAS p.G12D変異を有する既治療進行非小細胞肺がん(NSCLC)および膵管腺がん(PDAC)の患者において、開発中のsetidegrasib(KRAS G12D変異体を標的とするファーストインクラスの標的タンパク質分解誘導薬)は抗腫瘍活性を示し、治療中止に至った有害事象の発現は低頻度であったことが、米国・Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのWungki Park氏らによる、第I相試験の結果で報告された。KRAS p.G12D変異は、NSCLC患者の5%にみられる。PDAC患者では40%にみられ、最も頻度の高い変異型であるが、KRAS p.G12D変異を標的とする承認薬は現状では存在していない。NEJM誌オンライン版2026年3月25日号掲載の報告。

5ヵ国28施設で、NSCLCおよびPDAC患者を対象に実施

 研究グループは、KRAS p.G12D変異を有する既治療の進行固形がん患者において、setidegrasibの安全性、薬物動態、薬力学、および抗腫瘍活性を評価する国際共同非盲検多施設共同第I相試験(用量漸増コホートおよび用量拡大コホートを含む)を実施した。setidegrasibは、10~800mgの用量で週1回静脈内投与された。

 本試験の主要目的は、安全性プロファイル(主要評価項目とした用量制限毒性および有害事象)の評価、および第II相の試験用量を確定することであった。

 2022年6月21日~2025年4月24日に、日本を含む5ヵ国28施設で203例(NSCLC 59例、PDAC 124例、その他固形がん20例)が登録された。2025年10月9日(安全性評価のデータのカットオフ日)時点で、計24例(NSCLC 20例、PDAC 4例)が治療を継続していた。治療中止の理由としては病勢進行が最も多かった(152/179例[85%])。

第II相の推奨試験用量は600mg、Grade3以上の有害事象の発現は42%

 安全性、薬物動態、薬力学および有効性の解析に基づき、第II相の推奨試験用量として選択されたのは、76例(NSCLC 45例、PDAC 31例)が受けていた週1回600mg静脈内投与であった。76例の年齢中央値は、NSCLC群68歳(範囲:36~81)、PDAC群65歳(36~79)であり、NSCLC群の30%、PDAC群の57%がアジア人であった。前治療ライン数中央値は、両群とも2(範囲:1~5)であった。前治療として、NSCLC群の93%がプラチナベース化学療法+免疫チェックポイント阻害薬を、PDAC群では84%がゲムシタビン+パクリタキセルまたはnab-パクリタキセルを、52%がmFOLFIRINOXを受けていた。

 週1回600mg静脈内投与された76例の安全性解析の結果、Grade3以上の有害事象は32例(42%)に発現した。治療関連有害事象は71例(93%)で報告され、最も多くみられたのは注入に伴う反応(80%)および悪心(30%)であった。治療中止に至った有害事象は2例であった。

 600mgの投与を受けたNSCLC患者45例において、36%(95%信頼区間[CI]:22~51)が部分奏効を示し、無増悪生存期間(PFS)中央値は8.3ヵ月(95%CI:4.1~推定不能)、推定12ヵ月全生存率は59%(95%CI:40~74)であった。

 2次治療または3次治療として600mgの投与を受けた転移のあるPDAC患者21例(うち67%が3次治療)において、24%(95%CI:8~47)で部分奏効が認められ、PFS中央値は3.0ヵ月(95%CI:1.4~6.9)、全生存期間中央値は10.3ヵ月(95%CI:4.2~13.0)であった。

(ケアネット)