脂肪性肝疾患の診断基準、心代謝系・女性の飲酒量について決定/日本消化器病学会・日本肝臓学会

提供元:ケアネット

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公開日:2026/03/04

 

 日本消化器病学会と日本肝臓学会は、今年4月発刊予定の「MASLD診療ガイドライン」に先行し、国内で利用する脂肪性肝疾患(SLD)の診断基準を各会員に向けて公表した(2026年2月2日付)。

 2023年9月、欧米3学会が合同で、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)は代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)へ、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)へと病名と分類法を変更。これを受け、両学会は2024年8月にNAFLD/NASHに代わる新たな分類法での日本語病名を公表していた。ただしこの時点では、心代謝系危険因子(cardiometabolic risk factor:CMRF)の基準と女性の飲酒量に関しては、わが国におけるメタボリック症候群ないしアルコール性肝障害の基準とは異なる部分があったため、CMRFの基準と女性の飲酒量に関する診断基準は明らかにされていなかった。
*欧州肝臓学会(EASL)、米国肝臓病学会(AASLD)、ラテンアメリカ肝疾患研究協会(ALEH)

 MASLDなどのSLDに関する診断基準は以下のとおり。

<心代謝系基準(cardiometabolic risk criteria)>
1.肥満:BMI≧23kg/m2 or 腹囲>94cm(男)、>80cm(女)
2.血糖:空腹時≧100mg/dL or 食後2時間≧140mg/dL or HbA1c≧5.7% or 2型糖尿病 or その治療
3.血圧:収縮期≧130mmHg or 拡張期≧85mmHg or 降圧薬内服
4.中性脂肪≧150mg/dL or 脂質異常症治療薬内服
5.HDL≦40mg/dL(男)、≦50mg/dL(女)or 脂質異常症治療薬内服

<MetALDの飲酒量(エタノール換算)>
男:30~60g/日(210~420g/週)
女:20~50g/日(140~350g/週)

 なお、MASLD診療ガイドラインの改訂点は、2026年4月16~18日に福井県と石川県で開催される第112回日本消化器病学会総会のパネルディスカッション16「MASLD診療ガイドライン」で11の演題が用意され、ガイドライン改訂の経緯、治療フローチャートの概念・定義、診断などが具体的に紹介される予定だ。

(ケアネット 土井 舞子)