高リスク前立腺がんへの周術期アパルタミド+ADT、主要評価項目達成(PROTEUS)/ASCO2026

提供元:ケアネット

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公開日:2026/06/02

 

 高リスクの限局性または局所進行前立腺がん患者では、根治的前立腺全摘除術(RP)後に約50%の患者で再発が認められる。RPの術前および術後に実施するアパルタミド+ADT併用療法は、プラセボ+ADTとの比較において、RPの治癒成功率を高め、無転移生存期間(MFS)を有意に改善した。日本も参加して行われた第III相PROTEUS試験の最終解析結果を、米国・ダナ・ファーバーがん研究所のMary-Ellen Taplin氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(2026 ASCO Annual Meeting)で発表した。なお、本解析結果はNEJM誌オンライン版2026年5月31日号に同時掲載されている1)

・試験デザイン:無作為化二重盲検プラセボ対照試験
・対象:高リスクの限局性または局所進行前立腺がん患者(組織学的所見、前立腺特異抗原[PSA]、および画像診断によるcN0/cN1)
・試験群:アパルタミド(240mg 1日1回)+アンドロゲン除去療法(ADT)✕6ヵ月→術前2週間休薬→RP→術後4週間休薬→アパルタミド+ADT✕6ヵ月 1,057例
・対照群:プラセボ+ADT✕6ヵ月→術前2週間休薬→RP→術後4週間休薬→プラセボ+ADT✕6ヵ月 1,052例
・評価項目:
[主要評価項目]盲検下独立中央判定(BICR)による病理学的完全奏効(pCR)/微小残存病変(MRD)(≦ypT2、残存腫瘍径≦5mm)、MFS(画像上の遠隔転移の発現、遠隔転移の病理学的検出または死亡のいずれか先に起きた時点までの期間と定義)
[副次評価項目]無イベント生存期間(EFS)、初回の後治療開始までの期間(TTST1)、遠隔転移までの期間(TTDM)、安全性など

 主な結果は以下のとおり。

・ベースライン時点における患者特性は両群でバランスがとれており、年齢中央値はともに66歳、75歳以上は試験群10.0%vs.対照群8.9%、診断時のGleasonスコア≧8が95.7%vs.95.8%、ベースラインのPSA値≧20が38.5%vs.41.5%、≧T3が35.1%vs.35.8%、N1が12.2%vs.12.4%であった。
・追跡期間中央値61.7ヵ月(データカットオフ:2026年2月2日)時点で、試験群85.1%vs.対照群87.6%で試験進行中であった。
・BICRによるpCR/MRD率は試験群8.9%vs.対照群1.0%(オッズ比[OR]:10.17、95%信頼区間[CI]:5.27~19.64、p<0.0001)、5年MFS率は78.2%vs.73.5%(ハザード比[HR]:0.80、95%CI:0.67~0.96、p=0.02)と、いずれも試験群で統計学的に有意な改善を示した。
・EFS中央値(試験群57.1ヵ月vs.対照群38.4ヵ月、HR:0.71、95%CI:0.63~0.80、p<0.001)、TTST1中央値(74.2ヵ月vs.41.5ヵ月、HR:0.65、95%CI:0.57~0.73、p<0.001)、TTDM(ともに未到達、HR:0.68、95%CI:0.55~0.83、p<0.001)のいずれも試験群で統計学的に有意な改善を示した。
・一方で、従来の画像診断によるMFSについては、試験群における統計学的に有意な改善は示されなかった(HR:0.84、95%CI:0.67~1.07、p=0.15)。
・Grade3以上の試験治療下における有害事象(TEAE)の発現率は試験群39.6%vs.対照群31.0%であり、試験群で多くみられたのとくに注目すべきTEAEは皮疹(5.9%)、虚血性心疾患(1.2%)などであった。

 Taplin氏は今回の結果について、高リスクの限局性または局所進行前立腺がん患者に対する標準治療の新たなオプションとして、周術期のアパルタミド+ADT併用療法を支持するものとまとめ、サブスタディとして進行中のRP単独との比較結果が待たれるとした。

(ケアネット 遊佐 なつみ)