軽度認知障害患者は1年でどの程度認知機能が低下するのか?

提供元:ケアネット

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公開日:2026/05/28

 

 中国・黒龍江中医薬大学のMingyang Liu氏らは、軽度認知障害(MCI)患者における認知機能低下の軌跡を調査し、関連するリスク因子を特定するため、レトロスペクティブコホート研究を実施した。Neuropsychiatric Disease and Treatment誌2026年4月13日号の報告。

 対象は、2021~24年にMCIと診断された高齢患者500例。MCIから認知症への進行に関連するリスク因子を特定するため、多変量Cox比例ハザード回帰モデルを用いた。認知機能低下の年間進行率は、最終スコアとベースラインスコアの差をフォローアップ期間で割って算出し、関連因子の特定には多変量線形回帰分析を用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・フォローアップ期間中央値36ヵ月(四分位範囲:24~48ヵ月)の間に、78例(15.6%)で認知症への進行を認めた。
・SLUMSスコアの年間平均低下率は0.8ポイント/年(95%信頼区間[CI]:0.6~1.0、p<0.001)、MoCAスコアの年間平均低下率は0.7ポイント/年(95%CI:0.5~0.9、p<0.001)であった。
・特定の認知領域については、RAVLTスコアの年間平均低下率は1.2ポイント/年(95%CI:0.9~1.5、p<0.001)、CDTスコアの年間平均低下率は0.3ポイント/年(95%CI:0.2~0.4、p=0.002)であった。

 著者らは「本研究により、高齢、男性、低学歴、高血圧、ベースライン時のSLUMSスコアの低さが、高齢MCI患者における認知機能低下の加速と関連していることが示唆された。早期のリスク層別化は介入戦略に役立つ可能性があるが、因果関係の推論には限界があるため、今後のプロスペクティブ研究が必要とされる」としている。

(鷹野 敦夫)