治療抵抗性高血圧症の新たな治療法「腎デナベーション」、適正使用指針も公表

提供元:ケアネット

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公開日:2026/03/03

 

 治療抵抗性高血圧症の新たな治療法として、日本メドトロニックの「Symplicity Spyral腎デナベーションシステム」*1ならびに大塚メディカルデバイスの「ParadiseTM 超音波式腎デナベーションシステム」*2が、2026年3月1日に保険適用を取得し、順次発売された。
*1:2025年9月1日に製造販売承認を取得、2026年3月1日発売
*2:2025年8月25日に製造販売承認を取得、2026年3月2日発売

 いずれのシステムも対象患者は、高血圧管理・治療ガイドラインに従った治療(生活習慣の修正、非薬物療法及び薬物療法)で適切に血圧がコントロールできない治療抵抗性高血圧症で、2025年8月に発刊された『高血圧管理・治療ガイドライン2025』においても、腎デナベーションは治療抵抗性高血圧に対する補助療法として新たな治療選択肢となり得ることが明記されていた(推奨の強さ:2、エビデンスの強さ:B、合意率:100%)。

 本システムの発売に先駆け、2026年2月4日に日本循環器学会などがホームページにて『腎デナベーションシステムの適正使用指針』を公開しており、以下に本指針で示された適応、患者条件を抜粋して示す。

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1. 適応(承認適応)
本品は、高血圧管理・治療ガイドラインに従った治療(生活習慣の修正、非薬物療法及び薬物療法)で適切に血圧がコントロールできない治療抵抗性高血圧症患者の追加的治療として血圧を低下させるために使用する。
※治療抵抗性高血圧の定義は最新の高血圧管理・治療ガイドラインに基づく

2. 患者条件(以下の条件を全て満たす患者)
腎デナベーション治療は最新の高血圧管理・治療ガイドラインに準じて、生活習慣の改善と降圧薬の服薬指導など適切な治療を受けているにもかかわらず、血圧コントロールが不良である高血圧症患者の血圧管理を目的としているものであり、適応は高血圧症患者の病態を高血圧腎デナベーション治療(HRT:Hypertension Renal denervation Treatment)チームが多職種連携して検討の上、決定する。

本治療に適正な患者選択を行うため、別紙1に示す腎デナベーション治療適正使用チェックリストを用いてスクリーニングを行うこと。
(1)血圧コントロール不良を判定する前に確認すべき事項
生活習慣修正状況、服薬アドヒアランス関連状況、降圧薬の適切な処方、正しい血圧測定と降圧目標の理解、二次性高血圧の除外
(2)コントロール不良の血圧基準(選択基準)
 (i)診察室血圧が140/90mmHg以上、かつABPMで24時間血圧が130/80mmHg以上、若しくは昼間血圧が135/85mmHg以上、又は夜間血圧が120/70mmHg以上 又は
 (ii)診察室血圧が140/90mmHg以上、かつ早朝若しくは就寝前家庭血圧が135/85mmHg以上、又は夜間家庭血圧が120/70mmHg以上
(3) 治療抵抗性高血圧(選択基準)
 利尿薬を含む異なったクラスの3剤以上の降圧薬治療でコントロール不良の高血圧
 ただし利尿薬以外の降圧薬は原則、最大忍容量を用いる。
(4)腎デナベーションが不適格な患者(除外基準)
・腎動脈瘤、腎動脈狭窄や治療に不適格な腎動脈の解剖学的構造を有する患者(造影CT評価を基本とする)
・eGFR<40mL/min/1.73m2
・添付文書の禁忌、禁止事項に該当する患者
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 このほか、施設条件、施行医師条件などは適正使用指針を参照されたい。

(ケアネット 土井 舞子)