精神疾患早期介入プログラムで治療を受けた患者のLAI抗精神病薬継続率は?

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2026/01/26

 

 精神疾患の早期介入プログラムで治療を受けた患者は、通常治療を受けた患者と比較し、治療成績が良好であり、長時間作用型注射剤(LAI)抗精神病薬の使用率が20~50%と高くなるといわれている。このプログラムでは通常2~3年間治療が行われ、その後、多くの患者は他の精神保健サービスへ移行し退院する。また、罹病期間がより長期の統合失調症患者を対象とした研究において、経口抗精神病薬への切り替えが一般的に行われている可能性が示唆されている。しかし退院後のフォローは、複数の臨床サービスや医療提供者間での患者記録の移行という課題によって複雑化しているのが現実である。カナダ・ダルハウジー大学のCandice E. Crocker氏らは、精神疾患の早期介入サービス(EIS)から退院した後に、LAI抗精神病薬の使用が継続されるかどうかを調査した。Therapeutic Advances in Psychopharmacology誌2025年10月16日号の報告。

 本レトロスペクティブコホート研究では、精神疾患のEISによる治療を完了した患者を対象に、LAI抗精神病薬による治療の継続または中止の影響を検討した。2016~18年の3年間にわたる、精神疾患のEISを受け退院した患者のレトロスペクティブコホートを作成し、退院時および退院後6ヵ月、12ヵ月、18ヵ月、24ヵ月時点での、その後2年間の精神保健アウトカムと処方された抗精神病薬についてフォローアップ調査を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・カナダの3州にある3施設から退院し、完全なフォローアップ調査が実施可能であった85例の患者のうち、60例(71%)が24ヵ月後もLAI抗精神病薬を継続していた。
・EIS入院時のコホートにおける患者の平均年齢は22±4.7歳であった。
・退院時に最も多く使用されたLAI抗精神病薬はアリピプラゾールであり、LAI抗精神病薬を継続していた患者の多くは24ヵ月後も同一製剤を使用していた。
・中止の主な理由は、患者からの希望であった。
・LAI抗精神病薬を継続した患者と継続しなかった患者では、再入院の減少という点において臨床転帰に有意差が認められた。

 著者らは「精神疾患のEISの利用は、退院後24ヵ月が経過しても、LAI抗精神病薬継続の良好なアドヒアランスと関連していることが示唆された」としている。

(鷹野 敦夫)