HR+/HER2-進行乳がんの1次治療としてCDK4/6阻害薬が確立され、欧米諸国では実臨床で高齢患者における有効性や安全性が確認されている。しかし、体格の小さいアジア人における高齢者やPS不良の患者でのエビデンスは限られている。今回、日本医科大学多摩永山病院の柳原 恵子氏らがアジア人患者における実臨床でのパルボシクリブ+内分泌療法(ET)の有効性と安全性を評価し、年齢およびPSによるサブグループ解析を実施した。その結果、高齢患者(70歳以上)において無増悪生存期間(PFS)は若年患者と有意な差がみられず、忍容性も良好であった。また、PS 2~3の全患者で病勢コントロールが達成されたという。Oncology Research誌2025年12月30日号に掲載。
本研究は単施設後ろ向き研究で、2021年4月~2025年3月にHR+/HER2-の再発もしくは転移を有する乳がんに対する1次治療としてパルボシクリブ+ETを投与されたアジア人患者46例を評価した。主要評価項目はPFS、副次評価項目は奏効率(ORR)、病勢コントロール率(DCR)、安全性などであった。年齢(70歳未満vs.70歳以上)およびPS(0~1 vs.2~3)によるサブグループ解析を実施した。
主な結果は以下のとおり。
・PFS中央値は26.6ヵ月(範囲:1.4~69.5)で、年齢層別では70歳未満群で26.9ヵ月、70歳以上群で26.2ヵ月(p=0.760)、PS別では0~1群で26.9ヵ月、2~3群で17.8ヵ月であった(p=0.099)。
・ORRは60.9%、DCRは93.5%で、PS 2~3群では全患者で病勢コントロールが達成された。
・最も頻度の高い血液毒性は好中球減少症(80.4%)と白血球減少症(86.7%)で、Grade3以上の貧血はまれ(2.2%)であった。高齢患者では貧血の発現頻度が高かったが、全体的な有害事象は管理可能な範囲であった。
・47.8%が減量されたが、有効性の低下は認められなかった。
著者らは、「これらの結果は、パルボシクリブ+ETが高齢患者と一部のPS 2~3の患者で有意なベネフィットを示し、年齢もPSも除外基準とすべきではないことを裏付けている」とし、さらに「適切なモニタリングと用量調節により、パルボシクリブは脆弱な集団にも安全に投与でき、効果的な治療へのアクセスが確保できる」としている。
(ケアネット 金沢 浩子)