ベジタリアンのうつ病リスク~メタ解析

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2021/10/08

 

 いくつかの研究において、ベジタリアンはうつ病リスクが高いことが報告されている。しかし、これとはまったく逆の結果も報告されている。ドイツ・ルール大学ボーフムのSebastian Ocklenburg氏らは、これらの不一致性を考慮し、ベジタリアンとうつ病リスクとの間に有意な関連が認められるかを明らかにするため、メタ解析を実施した。Journal of Affective Disorders誌2021年11月1日号の報告。

 主要なデータベースより、ベジタリアンと非ベジタリアン(対照群)のうつ病スコアを報告した研究を検索した。条件付きランダム効果モデルに従ったRによるメタ解析を実施した。

 主な結果は以下のとおり。

・重複を削除し、適格基準に照らし合わせたところ、13研究、4万9,889例(ベジタリアン:8,057例、対照群:4万1,832例)が分析に含まれた。
・ランダム効果メタ解析では、ベジタリアンは、対照群と比較し、うつ病スコアの高さとの有意な関連が認められた。
・研究間の異質性は高く、研究地域の地理的なばらつきは少なく、異文化間の比較は限られていた。

 著者らは「ベジタリアンは、非ベジタリアンと比較し、うつ病リスクが高いことが示唆された。しかし、公表されている研究は、非常に不均一であり、最終的な結論を導き出すためには、より経験的な研究が求められる。また、より多くの国における実証的研究が望まれる」としている。

(鷹野 敦夫)