EV-302/KEYNOTE-A39試験の結果に基づき、エンホルツマブ ベドチン(EV)+ペムブロリズマブ併用療法は、未治療の局所進行または転移を有する尿路上皮がんに対する標準治療となっている。英国・Barts Cancer InstituteのThomas Powles氏は、米国臨床腫瘍学会年次総会(2026 ASCO Annual Meeting)で、3.5年時点における同試験のフォローアップ解析結果を発表した。
・対象:未治療の局所進行/転移を有する尿路上皮がん患者(GFR≧30mL/分、ECOG PS≦2)
・試験群:EV(1.25mg/kg、3週ごと1・8日目に静脈内投与)+ペムブロリズマブ(200mg、3週ごと1日目に静脈内投与) 442例
・対照群:ゲムシタビン+シスプラチン(シスプラチン不適格例ではゲムシタビン+カルボプラチン) 444例
・評価項目:
[主要評価項目]盲検下独立中央判定(BICR)による無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)
[副次評価項目]奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)、安全性など
・層別因子:シスプラチン適格性、PD-L1発現状況、肝転移の有無
主な結果は以下のとおり。
・追跡期間中央値42.8ヵ月(データカットオフ:2025年10月6日)時点におけるOS中央値は、試験群33.6ヵ月(95%信頼区間[CI]:26.6~39.8ヵ月)vs.対照群15.9ヵ月(95%CI:13.6~18.3ヵ月)と試験群におけるOSベネフィットが維持されていた(層別ハザード比:0.53、95%CI:0.45~0.63)。
・試験群で試験治療後の後治療(全身療法)を受けた割合は39.1%、最も多かったのはプラチナベース化学療法で30.5%を占めた(カルボプラチンベース:16.5%、シスプラチンベース:13.8%)。プラチナベース化学療法開始からのOS中央値は10.9ヵ月、ORRは20.7%であった。
・対照群で試験治療後の後治療(全身療法)を受けた割合は68.5%、最も多かったのはPD-(L)1阻害薬で59.7%を占めた(アベルマブ維持療法が30.4%)。
・ORRも引き続き試験群で良好であり(試験群67.5%vs.対照群44.2%)、完全奏効(CR)は30.4%vs.14.5%と約2倍の差がみられた。
・試験群でCRを達成した133例のうち、45例(試験群全体の10.3%)は初回治療でCRを達成し、88例(同20.1%)は初回治療で部分寛解(PR)達成後、CRに移行した。
・試験群におけるCR達成例のベースライン特性をみると、とくに初回治療でのCR達成例は内臓転移が35.6%と少なく(試験群全体:71.9%)、リンパ節転移のみの症例が51.1%と多い傾向がみられた(同:23.3%)。
・CR達成例の3.5年OS率は、全体では82.4%、PRからCRへの移行例では83.6%と同等であった。
・EVの治療期間中央値は7.1ヵ月で、60.0%が投与中断、43.0%が減量を実施していた。ペムブロリズマブの治療期間中央値は8.5ヵ月であった。
・治療期間の延長に伴う、新たな安全性シグナルは認められなかった。累積増加率が最も高かったのは末梢性感覚ニューロパチーで、2年超EV治療を受けた症例の約90%で認められたが、Grade3以上は依然としてまれであった。
Powles氏は、「追跡期間中央値3.5年経過時点において、EV+ペムブロリズマブ併用療法は化学療法と比較して引き続き優れた有効性を示しており、新たな安全性のシグナルは認められなかった」としたうえで、「CR達成例の3分の2はPRから移行しており、アウトカムを最大化するために治療期間が重要であることが示唆された」とまとめている。
(ケアネット 遊佐 なつみ)