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総合内科専門医試験オールスターレクチャー 消化器(肝胆膵)

増加傾向の非アルコール性疾患に注意

診療科
消化器科  内科  循環器内科/心臓血管外科  呼吸器科 
収録内容
第1回 ウイルス性肝炎
第2回 アルコール性肝疾患とNAFLD
第3回 自己免疫性肝炎の原発性胆汁性胆管炎
第4回 肝硬変
第5回 急性胆嚢炎・胆管炎
第6回 急性膵炎
第7回 慢性膵炎 IPMN
講師
山田 徹
収録時間
142分
価格
4,950円(税込)
発行日
2021-07-15
商品コード
CND0321

総合内科専門医試験対策レクチャーの決定版登場!総合内科専門医試験の受験者が一番苦労するのは、自分の専門外の最新トピックス。そこでこのシリーズでは、CareNeTV等で評価の高い内科各領域のトップクラスの専門医11名を招聘。各科専門医の視点で“出そうなトピック”を抽出し、1講義約20分で丁寧に解説します。キャッチアップが大変な近年のガイドラインの改訂や新規薬剤をしっかりカバー。Up to date問題対策も万全です。
消化器の肝胆膵については、東京医科歯科大学の山田徹先生がレクチャー。最新のガイドラインに合わせて、変更された標準治療など要点を押さえます。肝胆膵のいずれ疾患も、アルコール性か否かによって異なる治療法を整理します。
※「アップデート2022追加収録」はCareNeTVにてご視聴ください。

第1回 ウイルス性肝炎


ウイルス性肝炎では、まず最も多いB型とC型を解説。B型肝炎は各種抗原抗体と一般的な感染パターンを相関図で整理。C型肝炎は、新しい直接型抗ウイルス薬(DAA)の開発が進み、慢性肝炎・代償期肝硬変だけでなく、非代償期肝硬変を含むすべてが治療対象となっています。最新のガイドラインに記載されている重症度別の第1選択薬を押さえます。日常臨床ではあまり見られない、A型・D型・E型肝炎についてもポイントを確認。

第2回 アルコール性肝疾患とNAFLD
ウイルス性や自己免疫性が除外された肝疾患は、アルコール性と非アルコール性に分けられます。非アルコール性脂肪性肝疾患NAFLDの日本での有病率はおよそ30%で、現在増加傾向。肥満でない人にも多いのがポイント。NAFLD のうち、NASHは肝硬変への進展や肝がんの発生母地になるため、臨床的に重要な疾患概念です。バイオマーカーは未確定で、鑑別には原則肝生検が必要です。肝生検を行う目安を確認します。

第3回 自己免疫性肝炎の原発性胆汁性胆管炎
自己免疫性肝炎AIHは中年以降の女性に好発する肝疾患で、約30%に慢性甲状腺炎やシェーグレン症候群といった他の自己免疫性疾患を合併。AIHの10~20%に原発性胆汁性胆管炎PBCを合併したオーバーラップ症候群がみられます。PBCも中年以降の女性に好発し、他の自己免疫性疾患と合併する場合があります。ともに無症状から非特異的な症状が多く、診断のポイントとなる血液検査と病理検査が問題を解くカギです。

第4回 肝硬変
肝硬変の主な原因は、これまではC型肝炎でしたが、直接型抗ウイルス薬(DAA)の進歩により減少が予想されており、対してNASHの割合が増加傾向です。特徴的な身体所見を確認します。診断と予後予測には肝線維化を評価。肝硬変は低栄養や低血糖に陥りやすく、死亡率増加や各種合併症につながります。合併症となる食道静脈瘤、肝性脳症、腹水、特発性細菌性腹膜炎、肝腎症候群、肝細胞がんの各治療法も試験で問われるポイント。

第5回 急性胆嚢炎・胆管炎
急性胆嚢炎と急性胆管炎を比較しながら解説します。まず原因に胆石性の有無を確認することが重要。無石胆嚢炎は、症状は胆石性胆嚢炎と同じですが、外傷、心臓手術後、敗血症など高ストレス下で発症し、重症化しやすく死亡率が高いため、早期発見・早期治療が必須。急性胆嚢炎の画像診断は、腹部エコーが第1選択。診断基準となる数値を押さえます。急性胆嚢炎・胆管炎の治療は、抗菌薬・ドレナージ・手術の使い分けがポイント。

第6回 急性膵炎
急性膵炎の2大原因はアルコールと胆石。強い腹痛を伴う疾患で、約7割が心窩部痛です。重症度診断のスコアとともに、重症垂炎を除外するためのHAPSというスコアも有用です。発症早期の多量輸液が死亡率を下げるため重要。治療については、抗菌薬や蛋白分解酵素阻害薬の有効性について、最新の見解を整理します。膵周囲の液体貯留の定義である「改訂Atlanta分類」を踏まえて、感染性膵壊死の治療法を押さえます。

第7回 慢性膵炎 IPMN
慢性膵炎の原因はアルコールが68%を占めています。飲酒と喫煙がリスク因子で、原因が不明瞭な場合は遺伝子検査の対象になります。試験で出題されやすい画像診断では、膵石・石灰化、主膵管不整拡張といった所見が重要。無症状で偶発的に見つかることが多い膵管内乳頭粘液性腫瘍IPMN。画像診断はMRCPが第1選択。浸潤がんや悪性所見を見落とさないように、MCNやSCNとの鑑別ポイントを確認します。

山田 徹 ( やまだ とおる )氏 東京医科歯科大学 総合診療医学分野 講師/コロナ外来診療センター センター長

2003年富山医科薬科大学医学部医学科卒。名古屋大学大学院医学博士。麻生飯塚病院での後期研修後、同院総合診療科消化器内視鏡プログラムのプログラムディレクター。2013年東京ベイ浦安市川医療センター消化器内科医長、総合内科プログラムディレクターを経て、2019年より現職。日本内科学会専門医部会ベッドサイドエコーワーキングリーダー。JHospitalist Network「POCUS運営委員会」をニラム・ソニ医師・南太郎医師とともに組織。同委員会ディレクターとしてコース運営・指導に当たる。麻生飯塚病院2009年Best doctor of the Year、2013年Doctor of Distinction、東京ベイ・浦安市川医療センター2015年Educator-Manager of the Year Award、東京医科歯科大学2020年度Best teacher賞など教育に関する受賞歴多数。監訳『Point-of-Care超音波 原書第2版』(丸善出版)、編集『新・総合診療医学 病院総合診療医学編 第3版 ―初めて総合診療を学ぶ人のために』(カイ書林)。