日本人高齢者におけるアルコール摂取と認知症

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ケアネット

日本人高齢者におけるアルコール摂取と認知症のイメージ

 岡山大学のYangyang Liu氏らは、日本人高齢者におけるアルコール摂取の量や頻度と認知症発症との関連を評価するため、長期間のフォローアップを行った大規模サンプルデータを用いて検討を行った。Geriatrics & Gerontology International誌オンライン版2019年6月7日号の報告。

 本研究は、日本で実施されたレトロスペクティブコホート研究。日本人高齢者5万3,311人を、2008~14年までフォローアップを行った。アルコール摂取の量や頻度は、健康診断質問票を用いて評価した。認知症発症は、介護保険の認知症尺度を用いて評価した。性別によるアルコール摂取のカテゴリー別の認知症発症率の調整ハザード比(aHR)、95%信頼区間(CI)を算出するため、Cox比例ハザードモデルを用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・7年間のフォローアップ期間中に、認知症と診断された高齢者は、1万4,479例であった。
・非飲酒者と比較し、アルコール摂取量が2ユニット(純アルコール換算:40g)/日以下の高齢者における多変量aHRは、時折の飲酒(男性、aHR:0.88、95%CI:0.81~0.96、女性、aHR:0.84、95%CI:0.79~0.90)および毎日の飲酒(男性、aHR:0.79、95%CI:0.73~0.85、女性、aHR:0.87、95%CI:0.78~0.97)において統計学的に有意な認知症発症リスク低下が認められ、男性では、時折の飲酒と毎日の飲酒において、有意な差が認められた。
・しかし、アルコール摂取量が2ユニット/日超の高齢者では、時折の飲酒(男性、aHR:0.91、95%CI:0.71~1.16、女性、aHR:1.09、95%CI:0.72~1.67)および毎日の飲酒(男性、aHR:0.89、95%CI:0.81~1.00、女性、aHR:1.16、95%CI:0.84~1.81)において有意な差は認められなかった。

 著者らは「高齢者において時折または毎日の2ユニット/日以下のアルコール摂取量では、認知症発症リスクを減少させる可能性があり、このような食生活をしている男性においては、より大きなメリットがもたらされると考えられる」としている。

(鷹野 敦夫)

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