日本語でわかる最新の海外医学論文|page:1094

認識されずに治療されなかった疾患 ~社交不安障害の新たな治療選択肢~

11月18日、丸ビルコンファレンススクエア(東京都千代田区)において「社交不安障害※(Social Anxiety Disorder:SAD)」についてのメディアセミナー(グラクソ・スミスクライン株式会社主催)(演者:山田和夫医師 東洋英和女学院大学 人間科学部 教授/和楽会横浜クリニック院長)が開催された。その内容をレポートする。

職場での不快な咳、8割以上が“早く病院に行って治療して欲しい”と思っている

 ファイザー株式会社が19日に発表した調査結果によると、職場での不快な咳、8割以上が“早く病院に行って治療して欲しい”と思っており、44.5%が3日以内に受診、一方で4人に1人は1週間以上様子見している実態が明らかになったという。この調査は、同社が2009年10月10日に、15歳以下の子供を持つ20代~40代の会社員男女600人(男女 20代、30代、40代/各100人)を対象に、職場での咳への意識と感染対策の状況に関するインターネット調査を実施したもの。  今回の職場での咳への意識に関する調査によって、主に次のことが明らかになったという。

中高年の口臭に特有な成分とは?

 ライオン株式会社は、東京医科歯科大学大学院健康推進歯学分野 川口陽子教授と共同で、口臭成分と口腔内状況との関連について研究を行っている。20日、中高年の口臭を調べた結果、特徴的で不快なニオイの原因は、“足の不快なニオイ”で知られている「イソ吉草酸」などの揮発性低級脂肪酸であることを明らかにしたと発表した。さらに、「イソ吉草酸」の量は加齢により増加し、口臭の官能評価値とも有意に関連性があることを臨床試験において確認したと報告した。

ACTEMRAが全身型若年性特発性関節炎発症の小児において疾患の症状を改善する

スイス・ロシュ社は20日、ACTEMRA(tocilizumab、EU販売名:RoACTEMRA)が全身型若年性特発性関節炎(sJIA)を対象とした試験において、sJIA治療の重要な有効性指標である疾患の症状を有意に改善し、主要評価項目を達成したことを発表した。同日、中外製薬株式会社が報告した。

2009新型インフル、治療の実態:アメリカの4~6月の入院患者

本論は、アメリカの「2009パンデミックインフルエンザA(H1N1)ウイルス入院医療調査チーム」からの報告で、米国で2009年4月1日~6月5日にかけて新型インフルに感染し入院治療を受けた患者(生後21日~86歳)の臨床上の特性について解説したものである。NEJM誌2009年11月12日号(オンライン版2009年10月8日号)に掲載された。

2009新型インフル治療実態:オーストラリア、ニュージーランドの6~8月のICU

「オーストラリアとニュージーランドの集中治療(ANZIC)インフルエンザ研究班」は、両国における2009年冬季(6~8月)の、新型インフル(2009H1N1ウイルス)感染患者に対する集中治療体制および稼働状況に関する情報を収集・分析し発表した。研究班は、新型インフルのパンデミック宣言後の初の冬季シーズンをこれから迎えようとしている北半球の、類似の医療提供体制を有する先進諸国への情報提供と本論を位置付けている。報告は、NEJM誌2009年11月12日号(オンライン版2009年10月8日号)で掲載された。

スタチンの長期服用者、胆石による胆嚢摘出術リスクがおよそ4割減

スタチンの長期服用者は、胆石による胆嚢摘出術リスクが、およそ4割減少するようだ。スタチンによって肝臓コレステロール生合成が低下し、そのため、コレステロール胆石の発症リスクが減ると考えられてはいたが、この点に関するヒトを対象にした試験はほとんどなかった。スイスBasel大学臨床薬理・毒性学のMichael Bodmer氏らが、大規模ケース・コントロール試験を行い明らかにしたもので、JAMA誌2009年11月11日号で発表した。

血管疾患リスクの脂質評価、総コレステロールとHDL-C、またはアポリポ蛋白のどちらかで十分

血管疾患リスクに関する脂質評価は、現行より簡素化し、「総コレステロール値と高比重リポ蛋白コレステロール(HDL-C)値」、または「アポリポ蛋白AIおよびB」の、どちらかを調べることで十分であることが報告された。測定時に空腹状態であることや、トリグリセリド(TG)値は必要ないという。英国・ケンブリッジ大学のJohn Danesh氏らの研究グループ「The Emerging Risk Factors Collaboration」が、メタ解析を行って明らかにしたもので、JAMA誌2009年11月11日号で発表した。

世界で1万人以上の心房細動患者が加する新たな大規模症例登録調査が開始

仏サノフィ・アベンティス社は16日、心房細動患者を対象とした国際的な横断的観察研究であるRealiseAF症例登録調査(Real life global Survey Evaluating patients with Atrial Fibrillation:心房細動の患者を評価する実際的な世界的調査)を開始したことを発表した。同社の日本法人が19日に報告した。

新規抗血小板剤Ticagrelor ST上昇型急性心筋梗塞患者の心血管イベント発症リスクを抑制

英国アストラゼネカ社は、PLATO試験において、急性冠症候群の中でも重症のST上昇型急性心筋梗塞(STEMI)患者を対象としたサブグループ解析結果をアメリカ心臓協会(AHA)の年次学術集会で発表した。STEMIは冠動脈の完全閉塞により発症することから、早期の血流回復によって、心筋救済し死亡率を低減させる必要があります。そのため、緊急経皮的冠動脈形成術(PCI)が施行されます。同社の日本法人が19日に報告した。

レストレスレッグス症候群治療薬「ASP8825(XP13512)」国内承認申請

アステラス製薬株式会社は19日、米国の医薬品会社ゼノポート社より導入し、日本で開発を進めていたレストレスレッグス症候群治療剤「ASP8825(XP13512)」について、「レストレスレッグス症候群(RLS:Restless Legs Syndrome)」を目標適応症として、同日付で厚生労働省に承認申請を行ったと発表した。

救急部門へのCanadian C-Spine Rule導入で、頚椎画像診断率13%減少

救急外来での効率・効果的な頚椎損傷画像診断のためにカナダで考案された「Canadian C-Spine Rule」について、実際の導入効果を評価する前向き無作為化試験が、カナダ・オタワ大学救急部門のIan G Stiell氏らにより行われた。導入前後では、画像診断の実施率が13%減少するなど、この戦略が有効であることが示されたという。BMJ誌2009年11月7日号(オンライン版10月29日号)掲載より。

禁煙補助薬バレニクリンと自殺リスク増大に関するコホート研究

バレニクリン(商品名:チャンピックス)は効果的な経口禁煙補助薬であるが、自殺行動、自殺リスクを増加させる可能性があるとの懸念が広がっている。バレニクリンが普及しだして以降、喫煙者における自殺リスクが高まっているとの報告が相次いでいるためだ。そこでイギリス・ブリストル大学社会医療部門のD Gunnell氏らの研究グループは、バレニクリンが、bupropionやニコチン置換療法など他の療法と比較して、自殺行動、自殺リスクの増加と関連があるのかを目的とした大規模な無作為化コホート研究を行った。BMJ誌2009年11月7日号(オンライン版10月1日号)掲載より。