日本語でわかる最新の海外医学論文|page:1097

前立腺がん治療薬TAK-700の臨床第2相試験開始

武田薬品工業株式会社は11日、同社子会社であるMillennium Pharmaceuticals, Inc.(米国マサチューセッツ州ケンブリッジ、以下「ミレニアム社」)が、武田薬品が開発を進めている前立腺がん治療薬TAK-700について、進行性前立腺がん患者を対象とした臨床第1/2相試験における第2相部分を開始したと発表した。

代表的医学雑誌で発表のRCT、適切に登録していたのは半数以下

国際医学雑誌編集者委員会(ICMJE)では2005年より、研究結果掲載の条件として、試験開始以前の登録を義務付けているが、主な3分野の各10雑誌に発表された無作為化対照試験について調べたところ、適切な登録をしていたのは半数以下に過ぎなかった。その中で、事前に設定したアウトカムと、実際に発表したアウトカムに食い違いがあった研究は、3割強に上っていたという。フランスParis Diderot大学のSylvain Mathieu氏らが明らかにしたもので、JAMA誌2009年9月2日号で発表した。

ハイリスク非ST上昇型急性冠症候群への血管形成術実施のタイミング

ハイリスク非ST上昇型の急性冠症候群に対し、血管形成術を行う際、患者が来院してからできるだけ早く実施する場合と、翌日まで待って行う場合とを比較した結果、入院中のトロポニン最大値などのアウトカムに差はないことが明らかにされた。リスクの高い非ST上昇型急性冠症候群(NSTE-ACS)に対しては、早期の侵襲的インターベンションの実施が国際的ガイドラインで勧告されているものの、その適切なタイミングについては明確ではないという。フランスPitie-Salpetriere大学のGilles Montalescot氏らの調べで明らかになったもので、JAMA誌2009年9月2日号で発表されている。

GSK「リレンザ」の今季の供給量を決定

グラクソ・スミスクライン株式会社は11日、抗インフルエンザウイルス薬「リレンザ」(一般名:ザナミビル水和物)について、新型インフルエンザの感染拡大に伴い、今季(2009年9月から2010年3月まで)の供給量を1,350万人分と発表した。また、今後の流行状況に応じては、さらなる追加供給も検討するという。

プライマリ・ケアでのがん兆候症状と非がん診断

英国King’s College London School of Medicine一般診療/プライマリ・ケア部門のRoger Jones氏らは、プライマリ・ケアでのがん兆候症状と非がん診断に関するコホート研究を行った。兆候症状を呈している患者の大半が臨床的に意味ある診断を下されていると報告している。BMJ誌2009年8月29日号(オンライン版2009年8月13日号)掲載より。

重症咽頭痛、ステロイド投与で症状を有意に改善?:メタ解析

英国オックスフォード大学プライマリ・ヘルスケア部門のGail Hayward氏らは、咽頭痛にステロイドが有効かどうかについて、システマティックレビューとメタ解析を行った。重症例や滲出性扁桃炎では、抗生物質投与に加えて投与することで症状改善が見られたと報告している。BMJ誌2009年8月29日号(オンライン版2009年8月6日号)掲載より。

プライマリ・ケアにおけるCOPDの予後評価に有用な指標を開発

プライマリ・ケアにおける慢性閉塞性肺疾患(COPD)の予後評価では、改訂BODEインデックス(BMI、気道閉塞、呼吸困難、運動能)およびその簡略版であるADOインデックス(年齢、呼吸困難、気道閉塞)が有用であることが、アメリカJohns Hopkins Bloomberg公共健康医学部疫学科のMilo A Puhan氏らが実施した2つのコホートを対象とした検討で判明した。BODEインデックスはCOPDの予後評価にさかんに活用されているが、このインデックスで予測された死亡リスクが実際の死亡率と一致するか否かを検討した試験はないという。Lancet誌2009年8月29日号掲載の報告。

吸入ブデソニドはCOPD患者の肺炎リスクを増大させない

吸入ブデソニド(商品名:パルミコート)は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の肺炎リスクを増大させないことが、カナダBritish Columbia大学St Paul’s病院のDon D Sin氏らが実施したメタ解析で明らかとなった。ブデソニドはCOPDの増悪を抑制しQOLを改善するが、肺炎のリスクを増大させる可能性が指摘されている。また、吸入ステロイド薬は肺炎リスクを約50%も増大させることを示す大規模臨床試験の結果もあるという。Lancet誌2009年8月29日号掲載の報告。

中外製薬が1200万人分のタミフルの通常流通品を2010年3月までに生産・供給へ

中外製薬株式会社は7日、F.ホフマン・ラ・ロシュ社から輸入し、製造・販売している抗インフルエンザウイルス剤「タミフルカプセル75」「タミフルドライシロップ3%」(一般名:オセルタミビルリン酸塩)について、2010年3月までに新たに1200万人分の通常流通品を供給する計画を発表した。

1つのキットで2つの遺伝子型のノロウイルスを同時検出できる検出試薬キットが発売

島津製作所は7日、検体からの遺伝子の抽出・精製なしに直接遺伝子を増幅・検出できる「アンプダイレクト」技術を用いたノロウイルス検出試薬キットの改良新製品『ノロウイルスG1&G2検出試薬キット』を9月8日に発売した。このキットを使用することで、従来品では個別検出が必要であった遺伝子型の異なる2つのグループのノロウイルスを1つのキットで検出できるようになった。

新型インフルエンザ(A/H1N1)用アジュバント(MF59)添加細胞培養ワクチンの臨床試験、高い免疫原性を示す

スイス・ノバルティス社は4日、アジュバント(免疫賦活剤)を添加した細胞培養による新型インフルエンザ(ブタ由来インフルエンザA/H1N1)ワクチンのパイロット試験で、ノバルティスのワクチンが強い抗体反応と良好な忍容性を有することが示されたと発表した。日本法人のノバルティス ファーマ株式会社が報告した。