中高年の口臭に特有な成分とは?

提供元:ケアネット

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公開日:2009/11/26

 

 ライオン株式会社は、東京医科歯科大学大学院健康推進歯学分野 川口陽子教授と共同で、口臭成分と口腔内状況との関連について研究を行っている。20日、中高年の口臭を調べた結果、特徴的で不快なニオイの原因は、“足の不快なニオイ”で知られている「イソ吉草酸」などの揮発性低級脂肪酸であることを明らかにしたと発表した。さらに、「イソ吉草酸」の量は加齢により増加し、口臭の官能評価値とも有意に関連性があることを臨床試験において確認したと報告した。

 研究では、
・加齢とともに増加する口腔内細菌は、口臭成分を産生するか
・中高年の口臭に特有な原因物質及び原因菌は何か

 以上を明らかにするために検討を行った。

 臨床試験の結果より、今回初めて、中高年に特徴的な口臭成分は、加齢により口腔内で増加する「プレボテラ属の細菌」や歯周病原因菌「ポルフィロモナス・ジンジバリス菌」によって産出される「イソ吉草酸」であることを明らかにした。

 一般的に中高年になると、酸素を嫌う嫌気性細菌である「プレボテラ属の細菌」が口腔内に生息しやすくなり、揮発性低級脂肪酸が発生しやすくなると考えられるという。その揮発性低級脂肪酸と揮発性硫黄化合物が口腔内で混ざることによって、中高年特有の不快な口臭となるものと考察されるとのこと。