日本語でわかる最新の海外医学論文|page:1111

eldecalcitolが骨粗鬆症の新たな椎体骨折の発生を抑制することを確認

中外製薬株式会社と大正製薬株式会社は16日、両社が骨粗鬆症を予定適応症として共同開発中の活性型ビタミンD3誘導体(一般名:eldecalcitol、中外製薬開発コード「ED-71」、大正製薬開発コード「CT-081」)の無作為化二重盲検群間比較試験において、骨粗鬆症患者の新たな椎体骨折の発生頻度を有意に抑制する結果が得られたと発表した。この結果の詳細は、論文および学会等で発表する予定だという。

フルベストラントで進行乳がんの病勢コントロールを改善できる ―FIRST試験新データより

アストラゼネカ株式会社の15日の発表によると、英国本社が第31回米国サンアントニオ乳がんシンポジウムで、高用量のフルベストラント(500mg)がホルモン感受性進行乳がんの一次治療として、アロマターゼ阻害剤よりも良好に病勢をコントロールできたとの新データを発表した。このデータは閉経後ホルモン感受性局所進行もしくは転移乳がんを対象とした第II相無作為オープンラベルFIRST試験(FASLODEX fIRst line Study comparing endocrine Treatment)の結果によるもの。

クリスマスよりも大晦日を元気に過ごしたい!!

グラクソ・スミスクライン株式会社が11月17日~12月7日に実施した「スマートチョイスでかぜに勝つ!キャンペーン」第2期アンケート結果によると、クリスマス(27%)よりも大晦日(73%)にかぜをひきたくない人の方が多いという結果が出たという。アンケートは働く人が中心のため、休日となる年末年始のほうを重視したと思われる。

イルベサルタン、左室駆出率45%以上心不全患者のアウトカム改善せず

心不全患者の約半数では左室駆出率が少なくとも45%あるが、これら患者の予後を改善する治療法は示されていない。サンフランシスコ退役軍人メディカルセンターのBarry M. Massie氏らのI-PRESERVE研究グループは、これら心不全患者へのイルベサルタン(商品名:イルベタン、アバプロ)の治療効果について検証した。NEJM誌2008年12月4日号(オンライン版2008年11月11日号)より。

ACE阻害薬、利尿薬とよりもCa拮抗薬との併用のほうが優れる:ACCOMPLISH試験

 米国の現行の高血圧治療ガイドライン(JNC 7)では、ハイリスクの高血圧患者に対してサイアザイド系利尿剤を含んだ併用療法を用いることを推奨しているが、最適な併用治療は十分に検討されていなかった。国際的な多施設共同試験ACCOMPLISHは、ACE阻害薬「ベナゼプリル」+ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬「アムロジピン」と、「ベナゼプリル」+サイアザイド系利尿薬「ヒドロクロロチアジド」とを比較したもので、ACE阻害薬+Ca拮抗薬併用療法のほうが、心血管イベントの減少効果が優れていることを報告した。NEJM誌2008年12月4日号より。

薬物抵抗性の側頭葉てんかん、前頭側頭葉切除術で期待余命や生活の質改善

薬物抵抗性側頭葉てんかんで、前頭側頭葉切除術が可能な人には、手術をすることで期待余命が5年ほど延長し、また生活の質も改善するようだ。米国コロンビア大学のHyunmi Choi氏らが、モンテカルロ・シミュレーションを用いた研究で明らかにしたもので、JAMA誌2008年12月3日号で発表した。なお、てんかん患者のおよそ20~40%が、薬物抵抗性だという。

中年女性のアルコール摂取、1日2杯以上は心房細動リスクを増大

 45歳以上の健康な女性がアルコールを1日2杯以上定期的に摂取すると、全く飲まない人に比べ、心房細動の発症リスクはおよそ1.6倍に増大するという。一方で、1日2杯未満の摂取なら、同リスクは増えないとも。米国ハーバード大学医学部のDavid Conen氏らが「Women’s Health Study」で明らかにしたもので、JAMA誌2008年12月3日号で発表した。これまでの研究で、男性の中程度~多量のアルコール摂取が、心房細動の発症リスクを増大する可能性があることは知られていたが、女性についての適切な研究はなかった。

心電図検査の予後評価は病歴聴取の域を出ない

狭心症疑いの外来患者への心電図検査(ECG)の予後評価は、病歴聴取で得られる情報に基づく予後評価の域を出ず、将来的に虚血性心疾患を発症するか否かにECGは、ほとんど役に立たない、Newham University Hospital(イギリス)のNeha Sekhri氏らがコホート調査の結果として報告した。ECGはイギリスの胸痛クリニックでは59%の実施率、最近のEuro heart surveyでは76%と臨床現場では慣例化している。BMJ誌2008年11月29日号(オンライン版2008年11月13日号)掲載より。

多施設共同試験の参加者募集について英国CTOCSからの教訓

英国での多施設共同無作為化対照試験はこれまで、当初目標としていた参加者を十分に集められたのはわずか3分の1未満に過ぎない。UCL EGA 研究所婦人科オンコロジー部門のUsha Menon氏らの研究グループは、その原因は、試験の管理・運営に十分な注意が払われてこなかったためではないかと考え、20万人以上の女性の参加を得て成功を収めた、過去最大の無作為化試験の1つである英国の卵巣癌スクリーニング共同試験(CTOCS)の要因を探った。BMJ誌2008年11月29日号(オンライン版2008年11月13日号)より。