日本語でわかる最新の海外医学論文|page:1114

2型糖尿病日本人患者への低用量アスピリン投与:JPAD報告

2型糖尿病患者に対し低用量アスピリンを投与しても、アテローム性動脈硬化症イベントの発症予防には効果が認められない。これは熊本大学大学院循環器病態学教授の小川久雄氏らが行った、日本人2型糖尿病患者2,539人を対象とするJapanese Primary Prevention of Atherosclerosis With Aspirin for Diabetes(JPAD)の研究結果で、JAMA誌11月12日号(オンライン版2008年11月9日号)で公表された。低用量アスピリンのアテローム性動脈硬化症イベントの予防効果について、2型糖尿病患者を対象に行った研究は珍しい。

ビタミンE・Cどちらも心血管疾患予防(50歳以上男性)に効果なし

50歳以上の男性に対して、ビタミンEやビタミンCを投与しても、心血管疾患イベントの予防には効果がないようだ。米Harvard大学医学部のHoward D. Sesso氏らが、約1万5,000人の男性医師を対象にした大規模試験「Physicians’ Health Study II」で明らかにしたもので、JAMA誌2008年11月12日号(オンライン版2008年11月9日号)で発表した。これまでに、ビタミンEやCが心血管疾患予防に効果があることを示した研究はあるが、元々リスクの低い男性を対象にした長期の研究結果は珍しい。

13価肺炎球菌結合型ワクチンの第3相海外臨床試験のデータから、2歳未満の乳幼児における肺炎球菌感染症の予防効果拡大を示唆

米国ワイスは、第3相臨床試験データの結果から、13価肺炎球菌結合型ワクチン (PCV13)が、小児用7価肺炎球菌結合型ワクチン「PREVNAR」(PCV7)と比べ、乳幼児の肺炎球菌感染症に対し、より広範な予防効果を示す可能性があると発表した。この結果は、ワシントンD.C.で開催されたICAACとIDSAの合同年次集会で2008年10月27日に発表された。

世界15カ国での「心臓の健康」に関する実態・意識国際比較調査

ノバルティス ファーマ株式会社は、世界高血圧学会の一員である世界高血圧連盟とノバルティス社(本社:スイス、バーゼル)が共同で実施した世界最大規模の心臓の健康に関する実態・意識調査「Do you know your numbers? (あなたの数値、知っていますか?)」の結果を発表した。

AMG706の、臨床第3相試験の患者登録を一時中断

武田薬品工業株式会社および、その100%子会社である米国ミレニアム社ならびにアムジェン社」は20日、現在進行中のAMG706(一般名:Motesanib)に関する非小細胞肺癌を対象とする臨床第3相試験について、独立データモニタリング委員会(Independent Data Monitoring Committee、以下、DMC)が実施した600例の登録患者による安全性評価の結果を踏まえ、患者登録を一時的に中断することを決定したと発表した。

満腹・早食いの人が肥満になる割合は3倍超:阪大調査結果

満腹・早食いの人は、肥満(BMI 25以上)になる割合が、そうでない人と比べて3倍以上に上ることが、大阪大学公衆衛生学教授の磯博康氏らの研究グループによる、肥満と食習慣との関連を目的とする調査の結果、報告された。BMJ誌2008年11月8日号(オンライン版2008年10月21日号)掲載より。

プラセボ処方は日常的:米国の内科医、リウマチ医対象調査

アメリカの臨床現場ではプラセボ処方は日常的に行われており、処方する医師は倫理的に特に問題はないと考えている実態が、NIHのJon C Tilburt氏らによって報告された。内科医およびリウマチ医各600人ずつ計1,200人を対象に、プラセボ処方の状況と、処方する医師の意識、態度について、メールアンケートで行われた調査の結果による。BMJ誌2008年11月8日号(オンライン版2008年10月23日号)より。

緑豊かな地域の住民は健康格差が小さい?

最も緑が豊富な環境に居住する住民は、所得の差に基づく健康上の格差が最も小さいことが、イギリス・Glasgow大学公衆衛生・健康政策学のRichard Mitchell氏らの検討で判明した。緑豊かな自然環境に触れることは、健康および健康関連行動に独立の効果を及ぼすことが示されている。そこで、同氏らは「緑に触れる機会の多い環境は、社会経済的な地位の低さに起因する罹病の過程に影響を及ぼし、それゆえ所得差による健康上の不平等はその居住地域の緑が豊かであるほど目立たなくなるのではないか」との仮説のもとに調査を行った。Lancet誌2008年11月8日号掲載の報告。

社会政策の寛容性が、幼児死亡率、高齢者超過死亡率を改善

 保健医療においては、社会政策をいかに制度設計するかとともに、どの程度の寛容性をもたせるかが重要なことが、北欧で実施されたNEWS(Nordic experience of welfare states and public health)プロジェクトの解析結果により明らかとなった。保健医療に関する重要な社会的決定要因の多くは社会政策の中心をなすものでもある。高所得国はいずれも社会保障プログラムを持つが、その制度設計や寛容性には国によって明確な違いが見られ、これらの差は特に子どもや高齢者の貧困率の各国間のばらつきにおいて明らかだという。スウェーデン・Stockholm 大学/カロリンスカ研究所医療公平化研究センターのOlle Lundberg氏が、Lancet誌2008年11月8日号で報告した。

中等度~重度の早期関節リウマチ患者に対してヒュミラとメトトレキサート(MTX)の併用療法で関節破壊抑制効果が5年間持続

10月30日米国アボット社は、サンフランシスコで開催された米国リウマチ学会(ACR)の年次総会にて、中等度~重度の早期関節リウマチ患者に対してヒュミラ(アダリムマブ)とメトトレキサート(MTX)の併用療法を2 年間行い、その後ヒュミラを3年間継続投与した臨床試験(PREMIER試験)において、併用例の約半数で5年後も関節破壊の進行が認められなかったとのデータが得られたと発表した。

バラクルード、B型慢性肝炎を原因とする肝障害が軽減される可能性を示唆

米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は2件のコホート評価からB型慢性肝炎患者においてバラクルードを用いた長期治療が線維症を含む肝組織像の改善と関連していることが明らかになったと発表した。肝組織のデータは、米国肝臓病学会(AASLD:American Association for the Study of Liver Diseases)の第59回年次会議で発表された。

かぜのとき、パートナーにいて欲しい? GSK社の「スマートチョイスでかぜに勝つ!キャンペーン」投票結果より

グラクソ・スミスクライン株式会社は17日、「スマートチョイスでかぜに勝つ!キャンペーン」第1期で実施したかぜに関する二者択一問題の結果から、「スマートチョイス」の多数派が決定したと発表した。このアンケートは、同社のキャンペーンサイト(http://contac.jp)でのかぜに関する二者択一の問題に投票された結果を集計したもの。第1期のアンケートは10月20日~11月9日に実施され、投票数は52,084人。

てんかん治療剤BANZEL、レノックス・ガストー症候群の治療薬として米国で承認取得

エーザイ株式会社は17日、同社の米州統括会社であるエーザイ・コーポレーション・オブ・ノース・アメリカが14日(米国東部時間)、「BANZEL」(一般名:ルフィナマイド)について、FDA(米国食品医薬品局)より「4歳以上の小児および成人におけるレノックス・ガストー症候群(Lennox - Gastaut Syndrome: LGS)に伴うてんかん発作の併用療法」を効能・効果として承認を取得したと発表した。

乳幼児期のタバコの副流煙は喘息の早期発症を増大

大規模な家族ベースの遺伝子解析データをもとに、遺伝子変異と喘息との関連、さらにタバコの副流煙曝露との関連について検証していた、フランス国立医学衛生研究所Emmanuelle Bouzigon氏らのグループは、変異遺伝子の喘息発症リスクは早期発症に限定されること、またその場合、乳幼児期の喫煙曝露がリスクを増大することを明らかにした。NEJM誌2008年11月6日号(オンライン版2008年10月15日号)より。