脳卒中後後遺症に対するリハビリは、人的リハビリが最も優れる

提供元:ケアネット

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公開日:2010/05/26

 



脳卒中後後遺症を有する患者には効果的なリハビリテーション療法が必要とされるが、近年開発が進む、ロボット工学を活用したリハビリ・アシスト装置の効果は?
 本論は、上肢後遺症患者のために開発された「MIT-Manus robotic system」(Interactive Motion Technologies社製)の運動機能改善効果を、通常ケアや強化訓練療法との比較で検討したもので、米国プロヴィデンス退役軍人医療センターのAlbert C. Lo氏らが行った。NEJM誌2010年5月13日号(オンライン版2010年4月16日号)掲載より。

脳卒中後6ヵ月以上、中等度~重度の上肢後遺症患者を対象に無作為化試験




試験は多施設共同無作為化試験で、脳卒中後6ヵ月以上、上肢に中等度から重度の後遺症が残っている患者127例を対象に行われた。

被験者は無作為に、(1)ロボットアシスト療法を受ける群(49例)、(2)強化リハビリ療法を受ける群(ストレッチ、肩関節の安定化のための運動、腕の運動、機能回復のための作業療法など、50例)、(3)通常ケアを受ける群(医学管理、必要に応じた外来受診、数例でリハビリサービスの利用、28例)に割り付けられた。

(1)と(2)は、同様のスケジュール、運動メニュー・強度となるよう調整され、12週間にわたって、1セッション1時間以上の療法を、36回受けた。

主要評価項目は、12週時点での、Fugl-Meyer評価法(Fugl-Meyer Assessment of Sensorimotor Recovery after Stroke)による運動機能スコアの変化とした。副次評価項目は、Wolf Motor Function Test、およびStroke Impact Scaleで評価した。また36週時点で治療効果の2次解析が行われた。

通常ケアよりは効果がありそうだが…




結果、Fugl-Meyer評価法による、12週時点でのロボットアシスト療法群の患者の運動機能は、通常ケア群よりも改善していた(スコア差:2.17ポイント、95%信頼区間:-0.23~4.58)。しかし有意差は認められなかった。一方、強化リハビリ療法群と比べるとロボットアシスト療法群の改善は劣っていた(同:-0.14ポイント、-2.94~2.65)。しかしこちらも有意差は認められなかった。

なおStroke Impact Scaleでの検討では、ロボットアシスト療法群は通常ケア群よりも有意な改善が認められた(同:7.64ポイント、2.03~13.24)。

36週時点の2次解析では、ロボットアシスト療法群の改善は、通常ケア群よりも有意な改善が認められた。両群のFugl-Meyer評価法によるスコア差は2.88ポイント、Wolf Motor評価法による時間差は-8.10秒だった。

強化リハビリ療法群とは有意差は認められなかった。

重度有害事象は報告されていない。

(医療ライター:武藤まき)