日本語でわかる最新の海外医学論文|page:1083

インターフェロンγ1bは特発性肺線維症に無効

特発性肺線維症に対するインターフェロンγ1b治療は生存率を改善しないことが、アメリカCalifornia大学San Francisco校のTalmadge E King Jr氏らが実施した無作為化試験(INSPIRE試験)で示された。特発性肺線維症は、呼吸困難の増悪、肺容量の減少、ガス交換障害を特徴とする原因不明のびまん性実質性肺疾患で、診断後の生存率は2~5年と予後不良である。390例のメタ解析では、インターフェロンγ1bが重症例の死亡率を低減することが示唆されているという。Lancet誌2009年7月18日号(オンライン版2009年6月30日号)掲載の報告。

golimumabは、TNFα阻害薬治療歴のある活動性関節リウマチ患者に有効

関節リウマチ(RA)の治療において、新規のTNFα阻害薬であるgolimumabは、既存のTNFα阻害薬による治療歴のあるRA患者対し有効であることが、オーストリアVienna医科大学のJosef S Smolen氏らが実施した無作為化第III相試験(GO-AFTER試験)で明らかとなった。RAの治療ではTNFα阻害薬の使用増加にともなって、TNFα阻害薬による既治療例が増えているが、このような治療中止例に対する他剤の有効性を検討したプロスペクティブな対照比較試験はないという。Lancet誌2009年7月18日号(オンライン版2009年6月29日号)掲載の報告。

第22回国際血栓止血学会議にて、ザレルトの費用有効性データが裏付けされる

バイエル薬品株式会社は28日、静脈血栓塞栓症(VTE)の予防のための1日1回投与の抗凝固剤「ザレルト(一般名:リバロキサバン)」が、米国・ボストンで開催された第22回国際血栓止血学会議(ISTH-International Society on Thrombosis and Haemostasis)において、その費用有効性が様々な発表の摘要の中で強調されたと発表した。

新規抗がん剤E7389、スイスで局所進行・転移性乳がんを適応として承認申請

エーザイ株式会社は27日、スイス子会社であるエーザイ・ファルマ・アーゲーが、新規抗がん剤 E7389(一般名:eribulin mesylate)について、211試験(フェーズII試験)等の試験結果に基づき局所進行・転移性乳がんの適応で、スイスSwissmedicに承認申請を行ったと発表した。

ネクサバールと化学療法剤との併用療法が、進行性乳がんの無増悪生存期間を延長する

米国のバイエル ヘルスケア社とオニキス・ファーマシューティカル社は、進行性転移性乳がんを対象とした医師主導の臨床試験グループによる無作為化第II相臨床試験において、主要評価項目である無増悪生存期間の延長が示されたと発表した。バイエル薬品株式会社が27日に報告した。

カプセル内視鏡、病変検出の力量は?

大腸ポリープと大腸がんの検出について、カプセル内視鏡と光学大腸内視鏡との比較検討が、ベルギーのブリュッセル自由大学Erasme大学病院胃腸病部門のAndre Van Gossum氏らによって行われた。カプセル内視鏡は、ほとんどの患者の大腸粘膜の検出を可能とするが、大腸内視鏡と比べて、病変検出の感度は劣ると報告している。NEJM誌2009年7月16日号より。

CABGにおける静脈グラフト採取、内視鏡下 vs. 切開の長期転帰

冠動脈バイパス移植術(CABG)の際、術後創合併症を減らすため、静脈グラフトの内視鏡下採取が広く行われているが、その影響については明らかにされていない。米国デューク大学医療センター臨床研究所のRenato D. Lopes氏らは、切開採取との比較で、静脈グラフト不全の発生率や長期転帰の評価を行った。NEJM誌2009年7月16日号より。

欧州医薬品審査庁によるランタスの安全性への見解

サノフィ・アベンティス社(フランス、パリ)は23日(現地時間)、ランタス(インスリン グラルギン<遺伝子組換え>)の現在までに得られたエビデンスの検証の結果、欧州医薬品評価委員会(CHMP)は、同薬剤の安全性を確認し、処方に関する指導について、何ら変更の必要はないとの結論に達したことを発表した。

閉経後女性へのホルモン療法、レジメン等の違いによらず卵巣がんリスクを増大

 閉経後女性に対するホルモン療法は、剤型、レジメン、投与方法にかかわらず、卵巣がんリスクが増大することが、デンマーク、コペンハーゲン大学婦人科クリニックのLina Steinrud Morch氏らによって明らかにされた。これまでも同関係性は言われていたが、異なるホルモン療法間でのリスク評価は行われていなかった。JAMA誌2009年7月15日号より。

術中PFOは、長期生存とは無関係ばかりか術後脳卒中を増大させる可能性がある

米国心胸外科医に対する最近の調査で、手術中に偶然発見された卵円孔開存(PFO)を治療するために、手術予定を変更する可能性があることが示されている。これを受け、米国クリーブランドクリニック心血管部門循環器科のRichard A. Krasuski氏らは、術中にPFOが発見される頻度はどれくらいなのか、また転帰について調査を行った。JAMA誌2009年7月15日号より。

2型糖尿病治療薬SYR-322 FDAの審査終了目標日延期

武田薬品工業株式会社の100%出資子会社である武田グローバル研究開発センター株式会社(米国イリノイ州)は、米国食品医薬品局(FDA)へ販売許可申請中の2型糖尿病治療薬SYR-322(一般名:alogliptin)と同治療剤アクトスの合剤について、FDAより、審査終了目標日である7月22日(米国時間)までに審査が完了しないため、新たな審査終了目標日を9月4日とする連絡を受けたと発表した。