うつ病は高血圧発症の危険因子か?

提供元:ケアネット

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公開日:2012/04/24

 

長い間、うつと高血圧の関連していることは知られていたが、うつ病が高血圧発症の危険因子であるかどうかは不明であった。中国 吉林省の吉林大学第一病院のMeng氏らは、観察研究のメタアナリシスの結果、うつ病が高血圧発症の独立した危険因子である可能性が高いことを発表した。Meng氏は「高血圧症の予防と治療においてうつ病を考慮することが重要である」と言及している。

うつ病患者では高血圧発症の危険性が1.4倍高い




Meng氏らは、PubMed、EMBASE、 Cochrane、PsycINFOより、健康な正常血圧者におけるうつ病と高血圧発症の相関を報告した前向きコホート研究を検索し、ベースライン時のうつ症状/うつ病の記録を保有していた研究を解析の対象に選んだ。「高血圧」は、複数機会にわたる140/90mmHgを超える血圧値、降圧薬の服用、自己申告、高血圧という診断の記録のいずれかと定義した。横断研究、ケースコントロール研究は解析対象から除外した。

主な結果は下記のとおり。
 
1) 9つの研究が解析対象の基準を満たし、計22,367名の対象者が
  含まれていた。観察期間の平均値は9.6年。
2) うつ症状/うつ病患者では高血圧の発症リスクが1.42倍高かった
  (補正後相対リスク:1.42、95%信頼区間:1.09-1.86、P=0.009)。
3) 高血圧発症リスクは、観察期間の長さ(P = 0.0002)、
  ベースライン時のうつ病有病率(P <0.0001)と有意な相関を認めた。