日本語でわかる最新の海外医学論文|page:1082

DPP-4阻害薬「エクア(一般名:ビルダグリプチン)」今月にも薬価収載へ(2)

 2010年1月2日、エクア(一般名:ビルダグリプチン)が承認された。エクアは、食事・運動療法、あるいは食事・運動療法に加え、SU薬を処方しても血糖コントロール不良な2型糖尿病患者に対して、50mgを1日2回、朝夕に処方する。  すでに使用されている他のDPP-4阻害薬は1日1回投与であるが、門脇氏は、エクアは1日2回投与により、24時間以上にわたってDPP-4の活性を阻害していることを示し、それにより、安定してGLP-1の増加を維持していることを報告した。そして、エクア単独投与により、HbA1c値を1.2%改善し(プラセボとの比較)、食後血糖値も有意に改善したと報告した上で、エクアは1日2回投与により、90%以上のDPP-4阻害率を維持した結果、優れた血糖コントロールが得られていると述べた。また、1日1回のDPP-4 阻害薬と比較した臨床試験の成績から、エクアにおいて、食後2時間血糖値およびHbA1c値が低下していたことを報告した。

DPP-4阻害薬「エクア(一般名:ビルダグリプチン)」今月にも薬価収載へ(1)

 2010年1月20日、国内で2成分目となるDPP-4阻害薬「エクア(一般名:ビルダグリプチン)」が承認された。ここでは、4月13日にアーバンネット大手町ビル(東京都千代田区)にて開催されたエクア記者説明会「これからの2型糖尿病治療の選択~低血糖・体重増加を助長しない、血糖コントロールをめざして~」(演者:東京大学大学院医学系研究科 糖尿病・代謝内科 教授 門脇 孝氏)<ノバルティス ファーマ株式会社主催>について報告する。

がん、生活習慣病の発症リスクを自己判定する「リスクチェックシリーズ」発売

株式会社パシフィックマーケティングは12日、がんや生活習慣病等の病気が発症する可能性(リスク)を自己判定する予防観点での検査サービス「リスクチェックシリーズ」の販売を同日より開始した。この検査サービスは、株式会社バイオマーカーサイエンスが、研究開発・事業化していたバイオマーカー技術に基づき、一般検査用として開発したもの。

死に至る身体障害の予測は不可

人生の最期、人はどのようにどれだけ衰え死を迎えるのか。高齢者やその家族にとってそれを知り得ることは重要なことだが、どのような経過をたどるのか明らかになっていない。そこで米国エール大学内科のThomas M. Gill氏らは、当初は身体機能レベルに問題がなくその後死亡した、居宅高齢者を追跡評価した。しかし、死に至った健康状態からさかのぼって予測可能な障害の経過を、パターンとして見いだすことはできなかったという。NEJM誌2010年4月1日号より。

前立腺がんへの放射線治療、高用量照射でも長期副作用は標準用量群と同等

限局性前立腺がんへの陽子線・光子線治療は、高用量照射でも、尿や腸、性的機能といった患者報告による長期副作用は、従来照射量の場合と同等のようだ。前立腺がんへの放射線治療では、高用量照射によりがん治療効果は高まるものの、副作用の増加が懸念されていた。米国マサチューセッツ総合病院がんセンターのJames A. Talcott氏らの研究で明らかになったもので、JAMA誌2010年3月17日号で発表した。

生体腎移植の安全性確認:過去15年の全米ドナー追跡調査結果より

生体腎移植ドナーの死亡率は、健常者と比べて、有意に増大はしないことが、米国ジョンズ・ホプキンス大学外科Dorry L. Segev氏らが行った全米ドナー対象の追跡調査の結果、報告された。米国では毎年、約6,000人に上る“健康人”からの腎摘出が行われている。しかしその安全性について、これまでのアウトカム調査は1施設対象としたもので対象者数も十分ではなく、疑問符が残されたままである。そこでSegev氏らは、過去15年間の全米腎移植ドナーを対象とする追跡調査を行った。JAMA誌2010年3月10日号より。

ヘマトクリット低値の末期腎不全患者への貧血治療、1年死亡率を低下

末期腎不全患者に対する至適管理に関しては、議論が分かれている。そうした中、末期腎不全患者でヘマトクリット値が低い患者への、透析中のエリスロポエチン(ESA製剤)や鉄分の静脈投与といった積極的治療が、1年死亡率の低下につながることが報告された。同時に、ヘマトクリット値が高い患者への同治療は、死亡リスクを増加することも明らかにされている。米国ノースカロライナ大学ギリング公衆衛生大学校疫学部門のM. Alan Brookhart氏らが、約27万人の透析患者について調べ明らかにしたもので、JAMA誌2010年3月3日号で発表した。

医療現場でのiPhone活用による先進的なソリューションを紹介 「iPhone in Medicine:診療現場にiPhoneを」開催

4月10日(土)東京銀座のアップルストアにて、iPhoneの医療における活用事例を紹介するセミナー「iPhone in Medicine:診療現場にiPhoneを」が開催された。当日は、早朝にもかかわらず、開場直後にセミナールームは満席となり、立ち見も続出し、非常に高い熱気に包まれた。医療現場でも、iPhoneとその活用に非常に高い関心があることがわかった。

眠りの深さや状態を在宅で定量的に評価する睡眠計、発売へ

株式会社タニタは6日、眠りの状態を定量的に評価して表示する睡眠計「スリープスキャン(SL-501)」を開発し、5月に発売すると発表した。医療機関で一般的に行われている睡眠ポリグラフによる判定結果と相関性の高いアルゴリズムと、これにさまざまな情報から確立した指標を加え、点数による総合評価を行えるようにしたのが特徴だという。

無作為化試験の報告論文の質は改善されたか?

英国オックスフォード大学医学統計センターのSally Hopewell氏らは、2001年に出された試験論文の執筆勧告「Consolidated Standards of Reporting Trials(CONSORT)Statement」以後、PubMedで検索される論文の質(無作為化試験の特性および手法)が改善されたかを、2000年と2006年とで比較を行った。結果、重要な方法論の面で改善がみられはしたが、論文の質自体は容認できるレベル以下だったという。BMJ誌2010年3月27日号(オンライン版2010年3月23日号)掲載より。

「希望のちから」で考えるがんの臨床試験のこと 映画鑑賞会ほか キャンサーネットがん啓発イベント開催

NPO法人キャンサーネットジャパンは、乳がん臨床試験を題材にした映画「希望のちから」の鑑賞会他がん啓発イベントを下記の通り開催予定。一般向けのイベントではあるが、医師、看護師、薬剤師など医療者の参加も歓迎。詳細は下記URLにて。

新型インフルの最初の感染流行期、子どもの感染率は予想の10倍以上だった

イギリスにおける最初の2009パンデミックインフルエンザA H1N1ウイルスの感染流行期に、発病率が高い地域では子どもの約3人に1人がH1N1ウイルスに感染しており、これは当初の予想の10倍以上に相当することが、イギリス健康保護局(HPA)感染症センターのElizabeth Miller氏らによる調査で明らかとなった。2009年6月11日、WHOがブタを起源とするインフルエンザA H1N1の世界的な感染爆発を宣言したのを受け、イギリスでは感染の伝搬をリアルタイムで把握するモデルの構築を中心とする対策が進められた。H1N1ウイルスによる将来的な疾病負担やワクチンなどによる介入の効果をモデル化するには、年齢別の免疫獲得の状況や感染率を知ることが重要だという。Lancet誌2010年3月27日号(オンライン版2010年1月21日号)掲載の報告。

中国で子どもの死亡率が大幅低減、MDG4の達成が明らかに

中国では近年、子どもの死亡率が大幅に低減し、主な死因は肺炎や早産合併症などであり、長期的には先天性異常や偶発事故、乳幼児突然死症候群(SIDS)の重要性が増大すると予測されることが、イギリスEdinburgh大学医学部公衆衛生学センターのIgor Rudan氏らWHO/UNICEFのChild Health Epidemiology Reference Group (CHERG)が実施した調査で明らかとなった。中国政府および国連の公式データによれば、中国では子どもの死亡数の低下が進み、ミレニアム開発目標4(MDG4、乳幼児死亡率の削減)を達成したとされる。しかし、以前に行われた子どもの世界疾病負担に関する調査では中国の情報が十分ではなかったためデータに大きな乖離があるという。Lancet誌2010年3月27日号掲載の報告。

世界の都市力と比較した東京の医療状況とは?

プライスウォーターハウスクーパース(PwC)は6日、米国 Partnership for New York Cityと共同で、年次レポート「Cities of Opportunity - 世界の都市力比較」を発表した。同レポートでは、世界の産業・金融・文化の中心となる主要21都市について、都市を活性化する主要素(都市力)を、2009年に収集したデータをもとに10の領域・58の指数を用いて分析し、それぞれランキングを公表している。

中国の糖尿病有病率9.7%・9,240万人

急速にライフスタイルが変化した中国では、糖尿病の蔓延が懸念されている。中国・北京にある中日友好病院のWenying Yang氏らは、糖尿病有病率を推定するため、2007年6月~2008年5月に、全国調査を行った。結果、糖尿病有病率は9.7%・9,240万人、糖尿病前症有病率は15.5%・1億4820万人に上ることが明らかになった。NEJM誌2010年3月25日号掲載より。