心血管イベントリスクの予測に「仮面高血圧」は必要か?

提供元:ケアネット

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公開日:2012/04/23

 

フィンランドの一般住民を対象とした観察研究「Finn-Home Stydy」によると、白衣高血圧、仮面高血圧は正常血圧者より心血管疾患発症、死亡のリスクが高くなるものの、家庭血圧値および従来から知られている危険因子で調整した場合、有意な予後予測因子とはならないようだ。筆頭著者のHanninen氏は「心血管系リスクを層別化するには、家庭血圧値と従来の危険因子を用いれば十分である」と結論づけている。Finn-Home Stydyでは一般住民2,046名の診察室血圧、家庭血圧を測定し、危険因子を評価した。観察期間7.5年時までに、221名に致死性または非致死性の心血管イベントが発生し、142名が死亡した。

主な結果は下記のとおり。

1) 心血管イベントの危険因子保有率、イベント発生率、死亡率は、
  正常血圧者、白衣高血圧、仮面高血圧、持続高血圧の順に増加。
2) 白衣高血圧は正常血圧者に比べ、心血管イベント発生リスクが1.23倍
 (P = 0.5)、死亡リスクが1.18倍(P = 0.5)高かった(調整前)。
3) 仮面高血圧は正常血圧者に比べ、心血管イベント発生リスクが1.64倍
 (P = 0.05)、死亡リスクが2.09倍(P = 0.01)有意に高かった
 (年齢、性別、診察時血圧値調整後)。
4) しかし、家庭血圧値および他の危険因子調整後、仮面高血圧は有意な
  予後予測因子でなくなった。