日本語でわかる最新の海外医学論文|page:1085

ランタスに関する専門家の見解 最終的な結論導き出せず

仏サノフィ・アベンティス社は15日(現地)、多岐の分野にわたる国際的に著名な専門家から構成される委員会による「専門家の見解」を発表した。この見解は、ダイアベトロジア誌に最近公表されたランタス(インスリン グラルギン〔遺伝子組換え〕)に関する疫学研究調査分析について、詳細な評価を受けて出されたもの。内分泌学・腫瘍学・疫学の国際的な専門家で構成される同委員会は、4つの掲載論文の全てにおいて方法論上の重大な限界と欠陥があり、インスリングラルギンの使用と癌リスク増加の関連の可能性については、一貫性がなく最終結論を導き出せないと結論付けた。

乳児へのPCV7接種、低減効果は2歳時点で2、3回接種ともに同等

乳児への肺炎球菌結合型ワクチン(PCV7:7-valent pneumococcal conjugate vaccine )接種は、2回接種と3回接種があるが、2歳時点の鼻咽頭への保菌率低減効果については同等であるようだ。これまでの研究から、乳児へのPCV7接種によって、年齢を問わず肺炎球菌感染症の発症率が減少していることが明らかになっている。その要因として、乳児の肺炎球菌保菌率の減少によるものだと推測されていたが、具体的な研究結果はほとんど示されていなかった。オランダWilhelmina小児病院のElske J. M. van Gils氏らが、1,000人超の新生児を対象に行った、無作為化試験で明らかにしたもので、JAMA誌2009年7月8日号で発表した。

腰椎ヘルニアによる坐骨神経痛の治療は、従来法が優れる

腰椎ヘルニアによる坐骨神経痛の治療として、新しい筒型開創器利用椎間板切除術は、従来の顕微鏡下ヘルニア摘出術と比べた試験の結果、そのアウトカムについて優位性がないと報告された。筒型開創器利用椎間板切除術は、新しい技術として導入されてきているものの、その効果を示すエビデンスは乏しかった。オランダLeiden大学のMark P. Arts氏らが、300人超を対象に行った二重盲無作為化試験で明らかにしたもので、JAMA誌2009年7月8日号で発表している。

血友病A治療におけるコージネイトFSの大規模市販後調査結果について

米国マサチューセッツ州ボストンで開かれた第22回国際血栓止血学会(ISTH: International Society on Thrombosis and Haemostasis)において、遺伝子組換え型血液凝固第Ⅷ因子製剤コージネイトFSの大規模市販後調査結果が、東京医科大学臨床検査医学講座・福武勝幸氏より発表された。その内容は、日本、台湾、ドイツ、欧州諸国の4箇所で実施された合計967名の血友病A患者に対する日常的なコージネイトFS治療の市販後調査結果を集計し、解析したもので、コージネイトFSが軽症から重症型の幅広い患者に対して、出血時または手術時の止血管理に有効であり、有害事象の発生率も低かったというデータが示されたとのこと。また、治療歴のある患者と治療歴のない患者の両方で、インヒビター(中和抗体)の発生率が比較的低かったことも確認されたという。バイエル薬品株式会社からの報告。

急性腹痛を主訴とする救急患者への画像診断はどう行うべきか

アムステルダム大学メディカルセンター(オランダ)のWytze Lameris氏らは、急性腹痛を訴える救急患者への画像診断について、最も正確に診断するための戦略を検討した。その結果、画像診断感度が最も高いのはCTだが、まずは超音波で診断し、陰性もしくは確定できない場合のみCTを行うのが、最も診断精度が高く、患者にとって被曝も少なくて済むメリットがあると報告した。BMJ誌2009年7月4日号(オンライン版2009年6月26日号)より。

低死亡率に寄与する地中海式ダイエット食の食事要素とは?

アテネ大学(ギリシャ)のAntonia Trichopoulou氏らは、地中海式ダイエット食(伝統的な地中海地方の食事)を嗜好する人と総死亡率との関連を調べ、低死亡率に寄与している・寄与していない食事要素について明らかにした。BMJ誌2009年7月4日号(オンライン版2009年6月23日号)より。寄与するのは、適度な飲酒、肉類はあまり摂らないこと、野菜、果物、ナッツ、オリーブオイル、豆類は豊富に摂ること。一方で、穀類、乳製品、魚類は、寄与していなかったという。

新しい糖尿病治療薬、GLP-1受容体作動薬2剤の直接比較:LEAD-6

体重減少の促進作用が期待できる、新しい糖尿病治療薬GLP-1受容体作動薬liraglutideの有効性と安全性について、同じクラスのexenatideとの比較で検討した「LEAD-6」試験の結果が、Lancet誌2009年7月4日号(オンライン版2009年6月8日号)で報告された。本試験は、米国ノースカロライナ医科大学内分泌学部門のJohn B Buse氏らによる、15ヵ国が参加し26週間にわたって行われた、オープンラベルパラレル平行無作為化試験。試験の結果は、liraglutideのほうが有効性および安全性に優れるというものだった。

急性冠動脈症候群後患者へのrivaroxaban:第2相試験

新たな経口第Xa因子阻害薬rivaroxabanは、人工股関節あるいは膝関節置換術後の、静脈血栓塞栓症の予防に有効であったことは既報されている(ジャーナル四天王2009/05/28号、No.J000768。2008/07/17号、No.J000433)。Lancet誌2009年7月4日号(オンライン版2009年6月17日号)では、同剤の急性冠症候群後の患者への有効性と安全性を検討した第2相試験「ATLAS ACS TIMI 46 study」の結果が掲載された。ブリガム&ウィメンズ病院(米国、ボストン)のJ L Mega, E Braunwald氏らスタディグループは、「本試験で、rivaroxabanの用量依存による出血頻度が確認され、重大な出血を減らす可能性が確認できた。引き続き低用量での第3相試験を行う」と報告している。

皮膚とアレルギー性疾患情報サイト『かゆみナビ』がリニューアル

協和発酵キリン株式会社は14日、同社webサイト内にある皮膚とアレルギー性疾患情報サイト『かゆみナビ』(http://www.kyowa-kirin.co.jp/kayumi/)を7月1日に全面リニューアルオープンした。サイト開設5周年を機にデザインが一新され、新コンテンツとして「夏のかゆみ」「尋常性乾癬でお悩みの方へ」が追加された。

【医師限定記事】「10代へのタミフル使用」は医師の見解が分かれる

6月3日に厚生労働省の作業部会が「タミフルの影響を明確に否定するデータはなく、10代のタミフル使用を見合わせている現状の措置を続けるのが妥当」とする見解を示したが、医師限定コミュニティ「Dr'sVoice」で行ったアンケート「10代へのタミフル使用をどう考えるか?」によると、医師の見解が分かれる結果となった。

経口浸透圧利尿・メニエール病改善剤「メニレット」の国内ライセンス契約を締結

エーザイ株式会社(以下「エーザイ」)は14日、同社ジェネリック医薬品事業子会社のエルメッド エーザイ株式会社(以下「エルメッド」)が、株式会社三和化学研究所(以下「三和化学」)と、経口浸透圧利尿・メニエール病改善剤「メニレット70%ゼリー20g」および「メニレット70%ゼリー30g」(一般名:イソソルビド、以下併せて「同製品」)に関して、日本国内における販売に係るライセンス契約を締結したと発表した。