オルメサルタンは、糖尿病と高血圧の併発例においても微量アルブミン尿の発症を遅延させる-ROADMAP試験より-

提供元:ケアネット

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公開日:2012/04/25

 

高血圧と糖尿病を併発する患者においても、ARBオルメサルタンによる治療によって微量アルブミン尿の発症率を低下させることが示された。このRandomized Olmesartan and Diabetes Microalbuminuria Prevention (ROADMAP)試験のサブグループ解析の結果は、Journal of Hypertension誌4月号に掲載された。

4,000例以上の高血圧合併例におけるサブグループ解析




2011年3月、2型糖尿病患者において、オルメサルタンが微量アルブミン尿の発症を遅らせることがNEJM誌に発表された。今回の報告は高血圧合併例におけるサブグループ解析。高血圧と糖尿病を併発した症例は4,020例。本解析では高血圧は「130/80mmHg以上 and/or 降圧薬服用者」と定義された。被験者はオルメサルタン40mgまたはプラセボが1日1回投与される群に無作為に割り付けられた。観察期間の中央値は3.2年。130/80mmHg未満に到達しない場合、必要に応じてARBまたはACE阻害薬を除く降圧薬が追加投与された。

主な結果は下記のとおり。
1) 平均到達血圧
 オルメサルタン群:126.3/74.7 mmHg
 プラセボ群:129.5/76.6 mmHg (P < 0.001)
2) オルメサルタン投与によって、微量アルブミン尿の発症が25%減少
 (ハザード比=0.75; 95%信頼区間=0.61-0.92, P = 0.007)
3) ベースライン時の収縮期血圧値が136.7 mmHg以上の群において
  17.45 mmHg以上の降圧が認められた群は、認められなかった群に比べて
  微量アルブミン尿の発症率が有意に少なかった。
 (8.1 vs 11.2%、P <0.0001)
4) 心血管イベント発生率
 オルメサルタン群:93例(4.6%)、プラセボ群:86例(4.4%)