日本語でわかる最新の海外医学論文|page:2

再発・難治性濾胞性リンパ腫へのエプコリタマブ、リツキシマブとレナリドミドとの併用療法が承認/ジェンマブ

 ジェンマブは2026年9月16日、二重特異性抗体製剤エプコリタマブ(商品名:エプキンリ皮下注4mg、同48mg)について、再発・難治性の濾胞性リンパ腫(FL)Grade1~3Aに対するリツキシマブとレナリドミド(R2)との併用療法に関する製造販売承認事項一部変更承認を取得したことを発表した。  今回の承認は、全身療法を1回以上受けた再発・難治性のFLを対象として、固定期間のエプコリタマブとR2の併用療法の有効性および安全性をR2療法と比較した、日本を含む国際共同第III相試験EPCORE FL-1などの結果に基づく。

ペムブロリズマブ、プラチナ抵抗性再発卵巣がんに承認取得/MSD

 MSDは2026年9月16日、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)について、「プラチナ系抗悪性腫瘍剤抵抗性の再発卵巣がん」に対する国内製造販売承認事項一部変更承認を取得したと発表。  今回の製造販売承認事項一部変更承認は、1または2レジメンの化学療法歴を有するプラチナ抵抗性の上皮性卵巣がん、卵管がんまたは原発性腹膜がん患者643例(日本人37例を含む)を対象とした、国際共同無作為化二重盲検第III相試験であるKEYNOTE-B96試験のデータに基づいたもの。  同試験は、ペムブロリズマブとパクリタキセル(±ベバシズマブ)との併用療法の有効性および安全性を検討するもので、主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は全生存期間(OS)であった。

抗PD-1/VEGF二重特異性抗体ivonescimab、PD-L1陽性進行NSCLCのOS改善(HARMONi-2)/WCLC2026

 PD-L1陽性非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療の第III相試験の中間解析において、抗PD-1/VEGF二重特異性抗体ivonescimabは全生存期間(OS)を有意に延長した。  この結果は、世界肺がん学会(WCLC2026)で発表された第III相HARMONi-2試験の中間解析によるもの。HARMONi-2試験では未治療のPD-L1陽性進行NSCLC患者において、ファースト・イン・クラスの抗PD-1/VEGF二重特異性抗体ivonescimabが、ペムブロリズマブと比較して無増悪生存期間(PFS)の改善を示すことが実証されている1)。今回の新たな解析では、本試験の主要副次評価項目であるOSの結果が報告された。

加糖飲料の毎日の摂取は胃がんのリスク上昇と関連

 加糖飲料(sugar-sweetened beverage;SSB)が悪影響を及ぼすのは歯だけではないようだ。新たな研究で、SSBを1日1サービング(約237mL)超摂取する人の胃がんの発症リスクは、SSBをほとんど摂取しない人の約2.5倍である可能性が示された。米マス・ジェネラル・ブリガムがん研究所のAndrew Chan氏らによる研究で、詳細は8月17日付で「Gastro Hep Advances」に掲載された。  Chan氏は、「米国人を対象に、SSBの摂取と胃がんとの関連を示した研究は、われわれが知る限り今回が初めてである。胃がんは世界でがんによる死亡原因の第5位だが、食事が胃がんの発症にどう関与するのかについては、これまでほとんど分かっていなかった」と述べている。

ACSへの抗血小板療法、milvexian上乗せは無効/NEJM

 急性冠症候群(ACS)発症後7日以内の患者において、標準的な抗血小板療法にmilvexianを上乗せしても、プラセボと比較して心血管死、心筋梗塞または虚血性脳卒中のリスクは低下しなかった。一方で、頭蓋内出血や致死的出血のリスクが増加することはなかった。米国・ハーバード大学のC. Michael Gibson氏らが、日本を含む44ヵ国893施設で実施された第III相無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験「LIBREXIA ACS試験」の結果を報告した。ACS発症後は虚血性イベントの再発リスクが高まるが、経口第XIa因子阻害薬であるmilvexianは、出血リスクを最小限に抑えつつ主要有害臨床イベントのリスクを低減させる可能性が示唆されていた。

胃がん周術期、デュルバルマブ+FLOTでOS改善(MATTERHORN最終解析)/Lancet

 米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのYelena Y. Janjigian氏らMATTERHORN investigatorsは、切除可能な胃または胃食道接合部腺がん患者を対象とした「MATTERHORN試験」の全生存期間(OS)に関する最終解析結果を報告し、周術期デュルバルマブ+FLOT(フルオロウラシル、ロイコボリン、オキサリプラチン、ドセタキセル)療法により、プラセボ+FLOT療法と比較しOSの有意な改善が認められたことを示した。周術期FLOT療法とデュルバルマブの併用は、切除可能な胃または胃食道接合部腺がん患者において無イベント生存期間(EFS)および病理学的完全奏効率を改善することが報告されていた。Lancet誌オンライン版2026年9月9日号掲載の報告。

パルボシクリブ、HR+HER2+乳がん導入療法後の維持療法に適応拡大/ファイザー

 ファイザーは2026年9月16日、CDK4/6阻害薬パルボシクリブ(商品名:イブランス)について、「ホルモン受容体陽性かつHER2陽性の手術不能又は再発乳癌における化学療法後の維持療法」に対する製造販売承認事項一部変更承認を取得したことを発表した。  本承認は、ホルモン受容体陽性HER2陽性(HR+HER2+)の転移乳がんを対象とした無作為化非盲検第III相試験であるPATINA(AFT-38)試験の結果に基づく。同試験において、導入療法(中央値6サイクル)を受けた試験参加者は、1次維持療法として抗HER2療法(トラスツズマブ単独、またはトラスツズマブ+ペルツズマブ)および内分泌療法+パルボシクリブ併用群(n=261)と、抗HER2療法および内分泌療法群(n=257)に無作為に割り付けられた。

再発・難治性多発性骨髄腫へのテクリスタマブ、ダラツムマブとの併用療法で承認/J&J

 Johnson & Johnson(日本における医療用医薬品事業の法人名:ヤンセンファーマ)は2026年9月16日、再発・難治性の多発性骨髄腫の治療法として、テクリスタマブ(商品名:テクベイリ皮下注30mg、同153mg)について、ダラツムマブ(商品名:ダラキューロ配合皮下注)との併用療法で製造販売承認事項一部変更の承認を取得したことを発表した。  今回の承認は、1~3ラインの前治療歴を有する再発・難治性多発性骨髄腫を対象として、テクリスタマブとダラツムマブの併用療法の安全性および有効性をダラツムマブ+ポマリドミド+デキサメタゾン併用(DPd)療法またはダラツムマブ+ボルテゾミブ+デキサメタゾン併用(DVd)療法と比較した国際共同第III相MajesTEC-3試験および海外第Ib相TRIMM-2試験の結果に基づく。

インフルで入院しやすい人、死亡リスクが高い人の特徴~メタ解析

 インフルエンザ患者における入院および死亡に関連するリスク因子を特定することは、臨床管理および公衆衛生戦略を策定するうえで重要である。今回、中国・Shandong University School of Public HealthのYa Gao氏らは、WHOインフルエンザ臨床ガイドラインの更新を支援する目的で、季節性インフルエンザ患者における入院および全死因死亡のリスク因子を系統的レビューおよびメタ解析で検討した。その結果、非重症例の入院の主要リスク因子として、65歳以上、免疫不全、心血管疾患、神経疾患、慢性呼吸器疾患が、重症例の全死因死亡の主要リスク因子として、2次細菌感染、栄養不良、敗血症、急性腎障害、65歳以上、慢性心血管疾患、悪性腫瘍、慢性神経疾患が示唆された。Lancet Respiratory Medicine誌オンライン版2026年9月8日号に掲載。

高度なケアを要する高齢者における認知症・BPSDの有病率は

 高齢者において、高度なケアを必要とする疾患と認知症を合併すると、そのケアは複雑化する。台湾・Changhua Christian Hospitalの氏らは、経管栄養、呼吸器ケア、皮下注射、尿道カテーテル、ストーマケアまたは浣腸、創傷ケア、疼痛管理、透析といった高度なケアを要する患者を対象に、認知症および認知症の行動・心理症状(BPSD)の有病率を明らかにするため、調査を実施した。The Journal of Prevention of Alzheimer's Disease誌オンライン版2026年8月14日号の報告。  本研究は、台湾全国規模の集団ベース横断調査として実施した。多段階層化系統抽出法を用い、2020年9月〜2022年6月に計1万1,297例の参加者を登録した。

米国の20代の8割に心腎代謝症候群の兆候

 米国では多くの若年成人が、将来の心血管・腎・代謝に関する健康リスクを高める状態にあることが明らかになった。米ボストン大学のDonald Lloyd-Jones氏らの研究の結果であり、詳細は「Circulation:Population Health and Outcomes」に8月20日付で掲載された。平均年齢23歳という若年集団を対象とした調査で、参加者の約8割に心腎代謝(CKM)症候群の兆候が認められたという。  CKM症候群とは、代謝性リスク因子、腎疾患、心血管疾患が相互に関連し、心血管疾患の発症・進行リスクを高める状態を指し、米国心臓協会(AHA)によると、その初期兆候として、高血圧、脂質異常、インスリン抵抗性、糖尿病前症などが現れてくるという。

州規制下のシロシビンサービス、メンタルヘルス症状の改善と関連

 オレゴン州の規制下にあるシロシビンサービスを利用した人では、シロシビンの使用後に抑うつ、不安、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などのメンタルヘルス症状が改善し、安全性もおおむね良好であったことが、新たな研究で示された。シロシビンはマジックマッシュルームに含まれる幻覚成分で、治療抵抗性うつ病などに対する効果が期待されている。米オレゴン健康科学大学(OHSU)医学部のTodd Korthuis氏らによるこの研究結果は、8月19日付で「JAMA Network Open」に掲載された。

多枝病変STEMIの完全血行再建、機能的ガイドvs.従来ガイド/NEJM

 ST上昇型心筋梗塞(STEMI)かつ多枝冠動脈疾患を有する患者における、完全血行再建術の非責任病変に対する施行戦略に関して、機能的冠動脈造影ガイド下のほうが従来冠動脈造影ガイド下よりも、主要評価項目のイベント(全死因死亡、心筋梗塞、脳血管障害、または虚血による再血行再建)リスクが低いことが、イタリア・フェラーラ大学病院のSimone Biscaglia氏らAIR-STEMI Trial Investigatorsが行った無作為化試験の結果で示された。STEMIかつ多枝冠動脈疾患を有する患者には完全血行再建が推奨されるが、非責任病変に対する適切な戦略は明らかになっていない。NEJM誌2026年9月10日号掲載の報告。なお、本研究は2026年8月28~31日にドイツ・ミュンヘンで開催されたEuropean Society of Cardiology 2026(ESC2026、欧州心臓病学会)で発表された。

オベポレクストン、ナルコレプシータイプ1の眠気・覚醒を改善/NEJM

 ナルコレプシータイプ1患者において、経口オレキシン2受容体(OX2R)選択的作動薬オベポレクストンは12週間にわたり、覚醒状態、眠気および情動脱力発作(カタプレキシー)の評価尺度を有意に改善したことが、フランス・Centre Hospitalier UniversitaireのYves Dauvilliers氏らが行った2つの第III相試験「First Light試験」「Radiant Light試験」の結果で報告された。オベポレクストン群では最も一般的な有害事象として、頻尿および一過性の不眠が認められた。ナルコレプシータイプ1は、日中の過度の眠気、カタプレキシー、睡眠分断、および入眠時や覚醒時の幻覚などで特徴付けられる。オベポレクストンは第II相試験で、ナルコレプシータイプ1の症状を軽減することが示されていた。NEJM誌オンライン版2026年9月9日号掲載の報告。

心血管疾患歴や糖尿病がない高齢者でも、高用量スタチンは心筋梗塞、脳卒中発症を予防する。しかし、認知症、フレイルの発症予防には効果なし―STAREE研究(解説:桑島巖氏)

メルボルン在住で、心血管疾患の既往や糖尿病がない70歳以上の住民9,971例を、アトルバスタチン40mg治療群とプラセボ群にランダマイズして平均5.9年間追跡し、(1)心血管疾患発症率、心血管死および、(2)認知症、フレイル、総死亡の2つを主要エンドポイントとして評価した臨床研究である。本試験の特徴として、両群ともLDL-コレステロール平均値が、治療群では126.2±27.8mg/dL、プラセボ群では127.0±28.1mg/dLと正常範囲内であることである。すなわち、高コレステロール基準に達していない例が多いことが挙げられる。

糖尿病へのスタチン、開始時期で認知症リスクに差?/ESC2026

高齢化に伴い認知症の負担は増大しており、とくに糖尿病患者ではリスクが高いことが知られている。一方、LDLコレステロールは認知症の修正可能なリスク因子として注目されている。そこで、デンマーク・Copenhagen University Hospital-Herlev and GentofteのTummas Ternhamar氏らは、2型糖尿病診断後のスタチン開始時期と認知症リスクとの関連を検討した。その結果、診断後1年以内の「スタチン早期開始」が、全認知症リスクの有意な低下と関連することが示された。本結果は、2026年8月28~31日にドイツ・ミュンヘンで開催されたEuropean Society of Cardiology 2026(ESC2026、欧州心臓病学会)で発表され、The Lancet Regional Health Europe誌オンライン版2026年8月27日号に掲載された。

HR+/HER2-乳がん、2回目の同側局所再発後の転帰

 早期乳がん患者において、局所再発(LRR)は遠隔転移および乳がん関連死亡リスクの増加と関連しているが、2回連続して同側LRRが発生した場合の転帰に関するデータはきわめて少ない。今回、イタリア・European Institute of OncologyのMonica Milano氏らは、ホルモン受容体陽性/HER2陰性(HR+/HER2-)乳がんで2回の同側LRRを経験した患者の転帰について単施設コホート研究で評価した。その結果、約半数の患者で7年以内に無浸潤性乳がん生存(IBCFS)イベントが発生し、とくに内分泌療法抵抗性や胸壁・領域リンパ節再発で予後不良の傾向が示された。eClinicalMedicine誌2026年8月31日号に掲載。

重度腹膜転移を伴う進行胃がん、mFOLFOX6は選択肢か

腹腔全体に及ぶ大量腹水や輸液補助を要する経口摂取不良を伴う重度腹膜転移を有する進行胃がん患者は、主要な臨床試験から除外されてきた。そこで、愛知県がんセンター薬物療法部の舛石 俊樹氏らは、重度腹膜転移を有するHER2陰性・化学療法未治療の進行胃がん患者を対象に、mFOLFOX6療法を評価する第II相試験「WJOG10517G」を実施した。その結果、mFOLFOX6療法は忍容可能で、治療選択肢となりうることが示された。本研究結果は、Gastric Cancer誌オンライン版2026年8月27日号に掲載された。

エチゾラムとゾピクロンの投与期間30日上限以降、処方傾向はどう変わったか?

 2016年10月、日本においてベンゾジアゼピン受容体作動薬(BZD)であるエチゾラムおよびゾピクロンは第3種向精神薬に指定され、両剤の投与期間の上限が30日に制限された。横浜市立大学の立岡 幸大氏らは、エチゾラムおよびゾピクロンの投与期間上限の設定が両薬剤の処方に及ぼした影響を評価した。Therapeutic Innovation & Regulatory Science誌オンライン版2026年8月8日号の報告。  本研究は、2012〜20年の日本の全国医療保険レセプトデータからランダムに抽出されたデータに基づいて実施した。2016年に向精神薬に指定されたBZDであるエチゾラムおよびゾピクロンについて、年齢層別の処方動向を分析した。向精神薬指定が処方動向に及ぼす影響は、中断時系列分析を用いて評価した。

妊娠中のRSVワクチン接種は乳児の入院リスクを低減

 妊娠中のRSV融合前Fタンパク(RSVpreF)ワクチン接種は、生後90日以内の乳児におけるRSV関連入院の予防に有効であるという研究結果が、「JAMA Network Open」に6月5日掲載された。  米ピッツバーグ大学の Anne-Marie Rick 氏らは、RSVpreFワクチン承認後、最初の2シーズンにおいて、生後90日以内の乳児におけるRSV関連の急性呼吸器感染症(ARI)および下気道疾患(LRTD)による入院に対して、妊娠中のRSVpreFワクチン接種がどの程度有効であるかを推定した。解析対象は274人の乳児であった(RSV症例83人、対照191人)。