SGLT2阻害薬、eGFRやアルブミン尿を問わずCKD進行を抑制/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2025/11/28

 

 SGLT2阻害薬は、ベースラインの推定糸球体濾過量(eGFR)やアルブミン尿の程度によらず、ステージ4の慢性腎臓病(CKD)患者や微量アルブミン尿患者を含むCKD進行のリスクを低下させたことが、オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のBrendon L. Neuen氏らSGLT2 Inhibitor Meta-Analysis Cardio-Renal Trialists' Consortium(SMART-C)が行ったメタ解析の結果で報告された。著者は、「2型糖尿病、CKD、または心不全患者において、腎機能のすべての段階で腎アウトカム改善のためにSGLT2阻害薬を日常的に使用することを支持する結果である」とまとめている。JAMA誌オンライン版2025年11月7日号掲載の報告。

無作為化二重盲検プラセボ対照試験10件についてメタ解析

 SMART-Cは、各治療群に少なくとも500例の患者が含まれ、少なくとも6ヵ月の追跡調査が行われて完了している無作為化二重盲検プラセボ対照試験を対象とし、各試験の代表者で構成される学術運営委員会が主導している。

 研究グループは、SMART-Cのうち、CKD進行に対する適応を有するSGLT2阻害薬(カナグリフロジン、ダパグリフロジン、エンパグリフロジン)を評価した試験に限定し、メタ解析を行った。解析対象は10試験(EMPA-REG OUTCOME、CANVAS Program、DECLARE-TIMI 58、EMPEROR-Reduced、EMPEROR-Preserved、DAPA-HF、DELIVER、CREDENCE、DAPA-CKD、EMPA-KIDNEY)。

 主要アウトカムはCKD進行とし、腎不全、eGFRが50%以上低下、または腎不全による死亡と定義した。その他のアウトカムには、eGFRの年間低下率および腎不全などが含まれた。個々の試験における治療効果を、逆分散加重メタ解析を用いて統合した。

腎不全単独を含む研究対象となったすべての腎アウトカムのリスクを軽減

 解析対象は計7万361例(平均[SD]年齢64.8[8.7]歳、女性2万4,595例[35.0%])で、このうちCKD進行が2,314例(3.3%)、腎不全が988例(1.4%)に認められた。

 SGLT2阻害薬は、CKD進行リスクを低下させた(1,000患者年当たりのイベント件数:SGLT2阻害薬群25.4 vs.プラセボ群40.3、ハザード比[HR]:0.62、95%信頼区間[CI]:0.57~0.68)。

 この効果は、ベースラインのeGFRに関係なく認められた(eGFR≧60mL/分/1.73m2のHR:0.61[95%CI:0.52~0.71]、eGFR45~<60mL/分/1.73m2のHR:0.57[0.47~0.70]、eGFR30~<45mL/分/1.73m2のHR:0.64[0.54~0.75]、eGFR<30mL/分/1.73m2のHR:0.71[0.60~0.83]、傾向のp=0.16)。

 また、ベースラインのアルブミン尿の程度にかかわらず効果が認められた(UACR≦30mg/gのHR:0.58、>30~300mg/gのHR:0.74、>300mg/gのHR:0.57、傾向のp=0.49)。

 SGLT2阻害薬は、保護効果の程度にはばらつきがあるものの、糖尿病の有無別に解析した場合も含め、すべてのeGFRおよびUACRサブグループにおいて、eGFR年間低下率を改善し、また、腎不全単独のリスクも減少させた(HR:0.66、95%CI:0.58~0.75)。

(医学ライター 吉尾 幸恵)

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コメンテーター : 栗山 哲( くりやま さとる ) 氏

東京慈恵会医科大学客員教授

医療法人社団 優穂会・三穂クリニック 腎臓高血圧研究所

J-CLEAR評議員