デュアルオレキシン受容体拮抗薬(DORA)は、不眠症に対する効果的な薬物療法であるにもかかわらず、臨床現場では依然として多くの患者にベンゾジアゼピン受容体作動薬(BZD)が不眠症治療薬として使用されている。不眠症治療において、BZDからDORAへの適切な切り替え方法を確立することは重要である。千葉大学の金原 信久氏らは、不眠症治療におけるBZDからDORAへの切り替えに関する成功事例について報告した。Clinical Psychopharmacology and Neuroscience誌2025年11月30日号の報告。
長期にわたりBZDを服用している210例の不眠症患者を対象とした、DORA(スボレキサントまたはレンボレキサント)導入後3ヵ月時点でのDORA継続率に関する先行研究の2次解析を実施した。半減期に基づき分類したBZDの種類がDORA継続率およびBZD減量率に及ぼす影響も検討した。
主な結果は以下のとおり。
・超短時間作用型/短時間作用型BZDを服用していた患者では、DORAへの切り替え失敗率が有意に低いことが明らかとなった。
・DORAへの切り替え成功に関する2つのロジスティック回帰分析では、DORAの3ヵ月継続を予測する因子として、次の3つが特定された。
●ベースライン時のBZD高用量(Exp[B]:1.570、95%信頼区間[CI]:1.090〜2.262)
●BZD服用期間の短さ(Exp[B]:0.991、95%CI:0.985〜0.997)
●超短時間作用型/短時間作用型BZDの使用(Exp[B]:7.335、95%CI:2.054〜26.188)
・また、ベースライン時のBZD高用量は、DORA継続とBZD減量の両方を予測する因子であることが示唆された(Exp[B]:1.801、95%CI:1.008〜3.216)。
著者らは「BZD高用量を服用している患者においては、不眠症治療薬をDORAに切り替える際に、超短時間作用型/短時間作用型BZDの減量を行うことで、DORAへの切り替えが成功する可能性が高いことが示唆された。一方、長期にわたりBZDを服用している患者においては、慎重な切り替えが必要となる」と結論付けている。
(鷹野 敦夫)