局所進行前立腺がん、エストラジオールパッチの有効性は?/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2026/04/10

 

 局所進行前立腺がん患者において、アンドロゲン除去療法としての経皮エストラジオール(tE2)は、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH-RH)アゴニストに対して、3年無転移生存(MFS)率に関して非劣性であることが示された。ただし、ほてりの発現割合は低かったものの、女性化乳房の発現割合が高かったという。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのRuth E. Langley氏らSTAMPEDE-1 and PATCH Investigatorsが、アダプティブデザインの無作為化非盲検非劣性試験「STAMPEDE-1試験」および「PATCH試験」の結果を報告した。tE2は、前立腺がん患者におけるアンドロゲン除去療法としてLH-RHアゴニストに代わる選択肢である。tE2により、テストステロンが抑制され、LH-RHアゴニストによるエストロゲン欠乏の副作用や、経口エストロゲンによる血栓塞栓症の副作用が軽減される可能性があった。NEJM誌オンライン版2026年3月25日号掲載の報告。

tE2群vs.LH-RHアゴニスト群、主要評価項目は3年MFS率

 研究グループは、StageT3またはT4/N0またはNx/M0で前立腺特異抗原(PSA)≧20ng/mLまたはGleasonスコア(範囲:2~10)6以上、あるいはPSA値やGleasonスコアにかかわらずN+かつM0の限局性前立腺がんを有する患者を、tE2群またはLH-RHアゴニスト群に割り付けた(最初の200例は2対1の割合、その後は1対1の割合)。

 tE2群では、エストラジオール100μgを放出するtE2パッチを患者自身が貼付し、用量は週2回、4枚より開始して、4週時点で血清テストステロン値が去勢レベル(1.7nmol/L未満)に達していた場合は週2回、3枚に減量した。LH-RHアゴニスト群では、4週または12週ごとにLH-RHアゴニストを皮下投与した。

 主要評価項目は、3年MFS率で、生存期間は無作為化から転移(骨盤リンパ節の進行を除く)の確認またはあらゆる原因による死亡までの期間と定義した。非劣性マージンは4%ポイントで、これはLH-RHアゴニスト投与で観察された3年MFS率から算出された目標ハザード比1.31に相当する。副次評価項目は、血清テストステロン値、全生存期間(OS)、および安全性であった。

3年MFS率は87.1%vs.85.9%で、tE2パッチの非劣性を検証

 2007~22年に、英国の75施設で1,360例の患者が登録された(tE2群721例、LH-RHアゴニスト群639例)。患者背景は、年齢中央値72歳(四分位範囲:68~77)で、85%(1,157例)がT3病期、65%(883例)がN0であった。

 3年MFS率は、tE2群で87.1%、LH-RHアゴニスト群で85.9%(群間差:1.2%ポイント、95%信頼区間[CI]:-2.5~4.9)であった。転移または死亡のハザード比(HR)は0.96(片側95%CIの上限1.11)であり、非劣性の基準を満たした。

 割り付けられた治療を継続した患者のうち、各群とも85%の患者において、無作為化後1年間、去勢レベルのテストステロン値が維持された。また、5年OS率は、tE2群で81.1%、LH-RHアゴニスト群で79.2%であった(死亡のHR:0.90、95%CI:0.75~1.07)。

 安全性については、治療期間中、ほてりがtE2群で44%、LH-RHアゴニスト群で89%の患者に認められた(Grade2以上の事象はそれぞれ8%、37%)。また、女性化乳房がそれぞれ85%および42%に発生した(Grade2以上の事象はそれぞれ37%、9%)。

(医学ライター 吉尾 幸恵)