アルコール摂取と認知症リスクとの関連を明らかにするため、中国・黒龍江中医薬大学附属第一医院のRen Zhang氏らは、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Internal Medicine Journal誌オンライン版2025年12月10日号の報告。
2024年7月22日までに公表された研究をPubMed、Embase、Cochrane Library、Web of Scienceのデータベースより網羅的に検索した。対象研究は、アルコール摂取と認知症リスクとの関連を評価した研究とした。研究の質の評価には、ニューカッスル・オタワ尺度(NOS)を用いた。アルコール摂取と認知症リスクの関連性は、相対リスク(RR)および95%信頼区間(CI)を用いて評価した。アルコール摂取量、地域、年齢に基づいてサブグループ解析を実施した。すべての統計解析は、Stata 15.0を用いて行った。
主な結果は以下のとおり。
・メタ解析では、アルコール摂取とすべての原因による認知症(ACD)リスク、アルツハイマー病(AD)リスク、血管性認知症(VD)リスク、その他の認知症リスクとの間に有意な関連は認められなかった。
【ACD】RR:1.03、95%CI:0.84~1.27
【AD】RR:0.97、95%CI:0.86~1.08
【VD】RR:1.09、95%CI:0.95~1.26
【その他の認知症】RR:0.62、95%CI:0.33~1.15
・飲酒量別のサブグループ解析では、軽度から中程度の飲酒は、ACD(RR:0.88、95%CI:0.81~0.96)およびAD(RR:0.88、95%CI:0.79~0.97)のリスク低下と関連していた。
・しかし、多量の飲酒は、すべての認知症タイプのリスク増加と有意な関連が認められた。
【ACD】RR:1.18、95%CI:1.02~1.36
【AD】RR:1.29、95%CI:1.21~1.36
【VD】RR:1.25、95%CI:1.11~1.40
・さらにサブグループ解析を行った結果、軽度から中程度の飲酒による認知症予防効果は、欧州および60~69歳の年齢層でより強いことが示唆された。
著者らは「軽度から中程度の飲酒は認知症を予防することが示唆された。しかし、大量飲酒やアルコール使用障害は認知症のリスクを高める可能性がある」と結論付けている。
(鷹野 敦夫)