精神症状の有無でアルツハイマー病に伴うアジテーションに対するブレクスピプラゾールの効果に違いはあるか?

提供元:ケアネット

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公開日:2026/06/12

 

 アルツハイマー病患者は、アジテーションと精神病症状を併発することが少なくない。米国・Banner Alzheimer's InstituteのPierre N. Tariot氏らは、精神病症状を併発するアルツハイマー病患者と併発しない患者におけるアジテーションに対するブレクスピプラゾールの有効性と安全性を明らかにするため、長期試験の事後解析を実施した。Neuropsychiatric Disease and Treatment誌2026年4月21日号の報告。

 アルツハイマー病に伴うアジテーションを有する患者を対象に、ブレクスピプラゾールとプラセボを比較した2つの第III相試験(欧州、ロシア、米国で実施された12週間ランダム化二重盲検プラセボ対照固定用量試験)のデータを統合した。対象患者は、ベースライン時に併発する精神症状の有無により、事後的に層別化した。精神症状は、Neuropsychiatric Inventory Questionnaire(NPI)の妄想領域、幻覚領域、またはその両方のスコアが4以上と定義した。有効性は、Cohen-Mansfield Agitation Inventory(CMAI)合計スコアにより評価した。安全性は、治療中に発現した有害事象(TEAE)により評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・対象患者607例中、ベースライン時に精神症状を併発していた患者は142例(23.4%)。
・ブレクスピプラゾール2mgまたは3mg/日投与は、精神症状を併発する患者(12週時点での最小二乗平均差[LSMean]:-9.18、95%信頼区間[CI]:-15.2〜-3.12、p=0.004、Cohen's d=0.52)および併発しない患者(LSMean:-4.22、95%CI:-6.91〜-1.54、p=0.002、Cohen's d=0.29)のいずれにおいても、プラセボと比較し、アジテーションの改善が大きかった。
・精神症状を併発する患者におけるTEAEの発現率は、ブレクスピプラゾール群で52.9%、プラセボ群で40.0%であり、TEAEによる投与中止率はそれぞれ3.4%、9.1%であった。
・精神症状を併発する患者において、死亡した患者はいなかった。
・一方、精神症状を併発しない患者におけるTEAEの発現率は、ブレクスピプラゾール群で49.3%、プラセボ群で38.2%であり、TEAEによる投与中止率はそれぞれ5.5%、2.6%であった。
・精神症状を併発しない患者では、2例で死亡が認められた。しかし、いずれの死亡もブレクスピプラゾールとの関連は認められなかった。

 著者らは「本事後解析において、ブレクスピプラゾールは、併発する精神症状の有無にかかわらず、アルツハイマー病に伴うアジテーションを改善した。また、忍容性も良好であった。これらの予備的データは、ブレクスピプラゾールが、臨床現場でアジテーションや精神症状を呈するアルツハイマー病患者にとって有用である可能性を示唆している」と結論付けている。

(鷹野 敦夫)