日本人既婚男性の性機能が顕著に低下~30年前と比較

提供元:ケアネット

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公開日:2026/01/28

 

 本邦の男性不妊を対象とした研究では、勃起機能不全による不妊の増加が報告されている1)。そこで、佐藤 嘉一氏(三樹会泌尿器科病院)らの研究グループは、日本人男性を対象として1991年2)と2023年3)に実施された調査のデータを用いて、性機能、性交頻度の変化を検討した。その結果、2023年調査では、1991年調査と比較して既婚男性の勃起硬度、早朝勃起の頻度、性交頻度が低下していることが示された。とくに若年・中年層での性機能の低下が顕著であった。本研究結果はInternational Journal of Urology誌2026年1月号で報告された。

 研究グループは、日本性機能学会が2023年に実施した全国調査(性機能障害全国実態調査:2023年調査)と、札幌医科大学泌尿器科が1991年に実施した調査(1991年調査)のデータを比較した。1991年調査は既婚男性を対象としていたことから、2023年調査のデータからは、既婚男性3,795人(20~79歳)を抽出した。1991年調査のデータからは、勃起硬度(3,886人)、早朝勃起の頻度(7,517人)、性交頻度(8,893人)の回答を用いた。両調査の質問項目を標準化し、勃起硬度(Erection Hardness Score:EHS、グレード0~4、低いほど重症)、早朝勃起の頻度(まったく自覚しない、週1回未満、週1回、週に2~3回、毎日)、性交頻度(まったくなし/定期的な行為なし、月1回未満、月1~2回、週1回、週2回、週3回以上)について、年代別に比較検討した。

 主な結果は以下のとおり。

・陰茎の硬さが挿入に不十分とされるEHSグレード2以下の割合は、1991年調査と比較して、2023年調査が75~79歳を除くすべての年代で有意に高かった。
・早朝勃起がまったくないと回答した割合は、1991年調査と比較して、2023年調査がすべての年代で有意に高かった。
・性交頻度が月1回未満(セックスレスの定義の1つ)の割合は、1991年調査と比較して、2023年調査が20代を除くすべての年代で有意に高かった。

 本研究結果について、著者らは「過去30年間で日本人既婚男性の性機能が顕著に低下しており、とくに若年・中年層での低下が大きかった」と結論付けている。

(ケアネット 佐藤 亮)