夜勤は、主に概日リズムの乱れや睡眠障害により、頭痛リスクを高めることが示唆されている。これまでの多くの研究において夜勤者と日勤者が比較されているが、両群間の職務特性や業務内容の違いがバイアスをもたらす可能性がある。デンマーク・The National Research Centre for the Working EnvironmentのRikke Harmsen氏らは、この潜在的なバイアスを最小限にする目的で、同一被験者における異なる労働条件(夜勤と日勤)が頭痛の発症に及ぼす影響を検討した。Headache誌2025年10月号の報告。
Danish hospital sectorの女性雇用者を含む「1001 nights-cohort」において、14日間の反復測定データを用いた解析を行った。データは、2022年9月〜2024年4月に収集された。参加者は、労働時間、睡眠、仕事関連の心理社会的ストレス要因、身体的職務負担、頭痛の発生(あり/なし)に関する毎日の情報を14日間連続で記入し提出した。1回以上の日勤と1回以上の夜勤のデータを有する参加者を解析対象とした。522人の参加者より3,348日の測定(日勤:1,926日、夜勤:1,422日)について回答が得られた。参加した個人内の反復測定を考慮し、可能性のある交絡因子を調整したうえで、頭痛の有病率比(PR)を推定した(調整有病率比:aPR)。
主な結果は以下のとおり。
・頭痛は、日勤では21.5%、夜勤では27.9%で報告された。
・仕事関連の心理社会的ストレス要因、身体的職務負担、睡眠時間および睡眠の質で調整した場合、夜勤は日勤と比較し、頭痛の有病率が有意に高かった(aPR:1.31、95%信頼区間[CI]:1.13〜1.52)。
・連続夜勤では、同様に調整した頭痛の有病率は、最初の夜勤を基準とした場合、2回目の夜勤で最も高かった(aPR:1.20、95%CI:1.02〜1.42)。
著者らは「本研究は、仕事関連の心理社会的ストレス要因と身体的職務負担を考慮し、夜勤の頭痛有病率を日勤の頭痛有病率と比較した初めての研究である。これらの要因(心理社会的ストレス、身体的職務負担)、睡眠時間の短さ、睡眠の質の低下は、夜勤で観察された頭痛有病率の増加を説明できなかった。したがって、夜勤に関連する概日リズムの乱れの連鎖的な影響および根底にあるメカニズムが、夜勤者の頭痛の主な原因である可能性がある」と述べている。
(鷹野 敦夫)