5製品の特徴を整理、コロナワクチンに関する提言(第5版)公開/日本感染症学会

提供元:ケアネット

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公開日:2022/07/13

 

 日本感染症学会(理事長:四柳 宏氏[東京大学医科学研究所附属病院長])は、7月8日に同学会のホームページで「COVID-19ワクチンに関する提言(第5版)」を公開した。

 今回の提言では、第4版(2021年12月16日公開)と比較して構成を大幅に変更し、COVID-19ワクチンの種類ごとに記載。現在判明している各ワクチンの作用機序、有効性、安全性を記すとともに特定状況での接種として「妊婦」「免疫不全者」「COVID-19罹患者」の3区分を記載した。また、最後に「COVID-19ワクチンの開発状況と今後の展望」として、わが国を含む主要国での開発状況を記すとともに、引用文献も125本に増えている。

 提言を作成したワクチン委員会・COVID-19ワクチン・タスクフォースでは「COVID-19の終息に向けて欠かすことのできないCOVID-19ワクチンが正しく理解され、広く普及してゆくことを願う」と期待をにじませている。

第5版の主な改訂点

【mRNAワクチン】
・作用機序を加筆
・4回接種の有効性を追加(主にイスラエルの知見を追加)
・5~11歳への接種の有効性を追加(主にアメリカの知見を追加)
・4回接種の安全性を追加(主にイスラエルの知見を追加)
・5~11歳への接種の安全性を追加(主にアメリカおよびわが国[22年5月15日時点]の知見を追加)

【ウイルスベクターワクチン】
・アストラゼネカのバキスゼブリアの有効性(主にイギリスの知見)、安全性(主デンマークおよびノルウェーでの知見)を追加
・ヤンセンファーマのジェコビデンの有効性(主にわが国での知見)、安全性(主にアメリカでの知見)を追加

【組換えタンパク質ワクチン】
・ノババックスのヌバキソビッドの作用機序、有効性、安全性を追加(主にアメリカおよびメキシコでの知見を追加)

【特定状況での接種】
・「妊婦」につき、わが国のレジストリ解析からワクチンの有効性を追加。また、胎児への影響についても追加
・「免疫不全者」につき、効果と追加接種に関する記載を追加。また、リツキシマブの投与の注意も追加
・「COVID-19罹患者」につき、long COVID(いわゆる後遺症)の記載を追加

【ワクチンの開発状況と今後の展望】
・主要先進国ならびにわが国での開発状況を追加

(ケアネット 稲川 進)

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