抗CGRP抗体治療中止後の片頭痛日数の変化

提供元:ケアネット

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公開日:2021/06/22

 

 抗カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)抗体は、片頭痛予防におけるゲームチェンジャーとして期待される。しかし、治療費が高額となるため、治療期間を必要最低限に抑えることが求められる。スイス・チューリヒ大学病院のAndreas R. Gantenbein氏らは、12ヵ月間の抗CGRP抗体治療を中止した後、月間片頭痛日数がどの程度変化するかを検討した。Cephalalgia誌オンライン版2021年5月17日号の報告。

 抗CGRP抗体で12ヵ月間治療を行った片頭痛患者のデータを収集した。

 主な結果は以下のとおり。

・対象患者数は、52例であった。
・月間片頭痛日数の平均値は、ベースライン時で16±7日、3ヵ月目で6±6日、12ヵ月目で5±4日であった。
・治療中断後の月間片頭痛日数の平均値は、1ヵ月後で6±4日、2ヵ月後で9±4日、3ヵ月後で11±5日であった。
・ほとんどの患者(88.9%)が治療を再開した。

 著者らは「抗CGRP抗体の治療効果は、薬理学的作用よりも長期間持続することはほとんどない。治療中断後、ほとんどの患者で片頭痛頻度が上昇し、再度予防が必要となった。患者にとってベネフィットが得られる治療に限定し、定期的に予防の必要性を確認する必要があるものの、予定されていた12ヵ月後の治療中止や3ヵ月間の治療中断期間を設ける必要性を裏付けるものではない」としている。

(鷹野 敦夫)