双極性障害患者の気分安定薬に対するアドヒアランス

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ケアネット

双極性障害患者の気分安定薬に対するアドヒアランスのイメージ

 気分安定薬の服薬アドヒアランスは、双極性障害の治療経過において悪影響を及ぼす重要な問題である。服薬アドヒアランスは、患者個々における複雑な問題行動であり、その遵守率は、時間とともに変化する。ドイツ・ドレスデン工科大学のM. Bauer氏らは、気分安定薬の服薬アドヒアランスに明確な違いは存在するかどうか、存在した場合の患者特性との関連性について検討を行った。International Journal of Bipolar Disorders誌2019年9月4日号の報告。

 双極性I型障害または双極性II型障害の患者273例を対象に、12週間毎日の自己報告データに基づき、ChronoRecordのコンピューターソフトウェアを用いて分析を行った。すべての対象患者が、1剤以上の気分安定薬を使用していた。患者ごとの12週間のアドヒアランスデータポイントに基づいたアドヒアランスの軌跡を検出するため、潜在クラス混合モデルを用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・アドヒアランスは、良好群(210例、77%)および不良群(63例、23%)の2つの異なる軌跡が検出された。
・アドヒアランス不良群と関連付けられた特性は、寛解期ではない時間がより長いこと(p<0.001)、女性(p=0.016)であった。
・その他の人口統計学的特性との関連は認められなかった。

 著者らは「毎日の自己報告アンケートを完了した双極性障害患者であっても、約4分の1はアドヒアランスが不良であった。こういった積極的にケアに参加している患者においてさえ、アドヒアランスが遵守されていない場合がある。個々のアドヒアランスを評価するうえで、人口統計学的特性は役立たない可能性がある。今後、双極性障害の縦断的なアドヒアランスのパターンに関する研究が望まれる」としている。

(鷹野 敦夫)

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