日本の乳がん長期生存率の改善度~年齢・病期別

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2018/03/05

 

 近年、乳がんの5年生存率は日本および他の国々で改善しているが、10年生存率の改善や年齢・病期別の改善度は不明である。今回、愛知県がんセンター中央病院の吉村 章代氏らが地域がん登録データを用いて検討し、10年相対生存率が1993~2006年で2.4%改善したことを報告した。また、年齢・病期別の分析では、15~34歳および遠隔転移での改善度が非常に小さく、これらの患者における新しい治療戦略の必要性が示唆された。Journal of Epidemiology誌オンライン版2018年2月24日号に掲載。

 著者らは、6府県(山形、宮城、福井、新潟、大阪、長崎)における地域がん登録から、1993~2006年に乳がんと診断された患者のデータを用いて長期生存率を算出した。10年相対生存率の上昇は、2002~06年の期間分析の結果を1993~97年のコホート分析の結果と比較することにより評価した。また、年齢層(15~34、35~49、50~69、70~99歳)および病期(「限局」「領域」「遠隔」)により層別分析を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・計6万3,348例の患者を分析した。
・1993年から2006年までに、10年相対生存率が2.4%(76.9% vs.79.3%)改善した。
・年齢・病期別にみると、10年相対生存率は、35~49歳(+2.9%、78.1% vs.81.0%)、50~69歳(+2.8%、75.2% vs.78.0%)、「領域」(+3.4%、64.9% vs.68.3%)で明らかに改善した。
・一方、15~34歳(+0.1%、68.2% vs.68.3%)、70~99歳(+1.0%、87.6% vs.88.6%)、「限局」(+1.1%、92.6% vs.93.7%)、「遠隔」(+0.9%、13.8% vs.14.7%)では改善度が小さかった。

(ケアネット 金沢 浩子)