治療抵抗性となった転移性去勢抵抗性前立腺がんへの次なる治療は?: CARD trial、「カバジタキセルはアンドロゲン経路標的薬より有用」(解説:宮嶋 哲 氏)-1155

提供元:臨床研究適正評価教育機構

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公開日:2019/12/12

本記事のコメンテーター

宮嶋 哲( みやじま あきら ) 氏

東海大学医学部外科学系泌尿器科学 主任教授

 CARD trialは、ドセタキセルやアンドロゲン経路標的薬の治療歴を有するmCRPC患者を対象に、カバジタキセル(129例)またはアンドロゲン経路標的薬(アビラテロンまたはエンザルタミド、126例)を割り付けたランダム化比較試験である。1次評価項目である画像診断に基づくPFS(腫瘍の増大、骨病変の進行、がん死)に関しては、カバジタキセル群8.0ヵ月、アンドロゲン経路標的薬群3.7ヵ月であった(HR:0.54、p<0.001)。OSではカバジタキセル群13.6ヵ月、アンドロゲン経路標的薬群11.0ヵ月であった(HR:0.64、p=0.008)。2次評価項目であるOS、PFS、PSA response、腫瘍の反応などにおいてもカバジタキセル優位の傾向を示していた。なお、Grade3以上の有害事象は両群で同等であった。

 転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)に対してはドセタキセルかアンドロゲン経路標的薬が選択されるが、この両者間に交差耐性の可能性が示唆されていることから、次の治療薬の選択は悩ましい。CARD trialのアンドロゲン経路標的薬群の患者背景で有転移症例と高リスクがんの割合が若干高いのが気になるところだが、ドセタキセルかアンドロゲン経路標的薬の治療歴がある場合の次なる候補としてカバジタキセルの優位性が示されたことは重要である。ただし、今後PSMA-PET等のnext generation imaging modalityの導入に伴い転移巣への積極的なmetastasis-directed therapyが適用されていくことから、mCRPCの治療法も薬物療法のみならず、腫瘍量によって層別化されていくことが予想される。

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