CLEAR!ジャーナル四天王

米国で血圧コントロールが悪化した理由:われわれは何を学ぶべきか?(解説:有馬久富氏)-1321

米国で継続的に行われている国民健康栄養調査の成績から、1999/2000年から2017/18年までにおける血圧コントロール状況の経時変化を検討した論文がJAMAに掲載された。血圧コントロール良好(血圧140/90mmHg未満)な高血圧者の年齢調整割合は、1999/2000年の32%から2013/14年の54%まで上昇傾向にあったが、2015/16年から減少傾向に転じ、2017/18年には44%まで低下した。論文では、2015/16年から血圧コントロールが悪化した原因として、2014年に米国の高血圧ガイドライン(JNC8)が改訂された際に、降圧目標が引き上げられたことを挙げている。また、2015年にSPRINT試験の成績が発表され、2017年に米国のACC/AHAガイドラインが降圧目標を引き下げたことから、2019年以降の血圧コントロール状況は改善するであろうとも予測している。

血圧高めの低リスク青壮年者に降圧治療が必要か?(解説:有馬久富氏)-1320

18~45歳の青壮年者においても、血圧上昇が脳心血管病をわずかに増大させるとする観察研究のメタ解析の結果がBMJ誌に報告された。論文の中では古い血圧分類が用いられているが、120/80mmHg未満に対して、120~129/80~84mmHgにおいて1.19倍、130~139/85~89mmHgにおいて1.35倍、140~159/90~99mmHgのI度高血圧において1.92倍、160/100mmHg以上のII~III度高血圧において3.15倍脳心血管病のリスクが上昇していた。しかし、絶対リスクが低いため、1例の脳心血管病を予防するために降圧治療しなくてはならない人数(number needed to treat:NNT)の推定値は、120~129/80~84mmHgにおいて2,672人、130~139/85~89mmHgにおいて1,450人、I度高血圧において552人、II~III度高血圧において236人と、高リスク者を治療する場合に比べて非常に大きかった。つまり、低リスク者において1例の脳心血管病を予防するために必要な医療費(薬剤費)は、高リスク者のそれよりも非常に高額になる(つまり費用対効果が悪い)ことがわかる。

プラスグレル治療におけるde-escalation?(解説:上田恭敬氏)-1319

韓国の35病院において、PCIを施行したACS患者2,338例を対象として、1ヵ月間の標準療法(プラスグレル10mgとアスピリン100mg)後に、標準療法を続ける群とde-escalation群(プラスグレル5mgとアスピリン100mg)に無作為に割り付けを行い、1年間の予後を比較した試験の結果が報告された。主要エンドポイントは全死亡、心筋梗塞、ステント血栓症、再血行再建術、脳卒中、BARC grade2以上の出血イベントの複合エンドポイントである。75歳以上、体重60kg未満、あるいは一過性脳虚血発作・脳卒中の既往がある人は除外されている。

永遠の命題PCI vs.CABG、SYNTAXスコアII 2020開発は、本当に進化か?(解説:中川義久氏)-1318

冠血行再建におけるPCI vs.CABGは永遠の命題なのであろう。次々と情報が提供される。その度に、霧が晴れるようにスッキリしていくのではなく、出口のない迷宮をさまよう気持ちになる。PCI vs.CABGの比較において、最も重要で代表的な臨床試験が2005年から2007年に施行されたSYNTAX試験である。3枝疾患または左主幹部病変を有する患者を、PCIかCABGに無作為に割り付けて比較したものである。このSYNTAX試験の登録患者を10年後まで追跡するSYNTAX Extended Survival(SYNTAXES)試験から、長期予後の予測モデルである「SYNTAXスコアII 2020」が開発されたことが、2020年10月8日付のLancet誌に報告された。執筆者は、当該施設に留学していた日本人であり、その努力と貢献はうれしく、賞賛に値する。

基礎インスリン週1回投与の時代は目前に来ている(解説:住谷哲氏)-1317

1921年にカナダ・トロント大学のバンティングとベストがインスリンを発見してから来年で100年になる。1922年にはインスリンを含むウシの膵臓抽出液がLeonard Thompsonに投与されて劇的な効果をもたらした。同年に米国のイーライリリーが世界で初めてインスリンの製剤化に成功し、1923年にインスリン製剤「アイレチン」が発売された。また北欧での製造許可を得たデンマークのノルディスク(ノボ ノルディスクの前身、以下ノボ社)から「インスリンレオ」が発売された。膵臓抽出物から精製されたこれらのインスリンは正規インスリン(regular insulin)と呼ばれ、われわれが現在R(regularの頭文字)と称しているインスリンである。

クロピドグレルは奇跡の薬(解説:後藤信哉氏)-1316

近年でこそ分子標的薬は珍しくない。クロピドグレルは薬効標的不明のまま広く臨床使用された薬剤である。冠動脈、脳血管、末梢血管疾患の広い適応を目指したCAPRIE試験の成功により世界の抗血小板薬の市場を席巻した。チカグレロルは、プラスグレルと同様クロピドグレルの薬効標的P2Y12 ADP受容体クローニングに開発された。とくに、チカグレロルはP2Y12 ADP受容体の分子標的薬ともいえる。急性冠症候群を対象としたPLATO試験では、急性期治療方針決定前にランダム化する画期的方法を用いた。約10%の症例が緊急冠動脈バイパス術となり、重篤な出血イベントの総数が増えた。チカグレロルにより惹起される出血数は希釈されたので、試験の結果を雑駁にみると「クロピドグレルよりも血栓イベントが減少し、出血イベントが増えない」ようにみえた。

リアルワールドにおけるSGLT2阻害薬の有用性(解説:住谷哲氏)-1315

SGLT2阻害薬のCVOTとしては腎関連エンドポイントを主要評価項目としたCREDENCEを除けば、エンパグリフロジンのEMPA-REG OUTCOME、カナグリフロジンのCANVAS Program、ダパグリフロジンのDECLARE-TIMI 58、ertugliflozinのVERTIS-CVの4試験がこれまでに報告されている。またそれらのメタ解析もすでに報告され、2型糖尿病患者の心不全による入院の抑制および腎保護作用はほぼ確立した感がある。しかしランダム化比較試験であるCVOTの結果を解釈するときに常に問題となるのは、試験結果の一般化可能性(generalizability)である。

COVID入院患者で注意しなくてはならないのは?(解説:香坂俊氏)-1314

COVIDは11月現在、まだ世界で猛威を振るい続けている。なかでも状況が深刻なのは米国であるが、かの国から興味深い報告がなされた(掲載されたのは珍しくBMJ[英国の雑誌]なのであるが…)。COVID-19の感染が確認された成人患者情報が68の病院のICUから集められ、合計5,019人の「集中治療を要した」COVID患者のデータが解析された。このうち14%が心肺停止となったとされ、このあたりの数値は武漢からの報告ともおおむね一致している(武漢のCOVID専属治療施設での重症例の心肺停止の頻度が20~25%程度であった)。院内心停止が発生した患者は高齢かつ、併存疾患が多く、ICU病床数の少ない病院に入院している傾向にあり、心停止の際にモニターでよく見られたパターンはPEA(無脈性電気活動:50%)とasystole(心静止:24%)であった

筋電図バイオフィードバックは女性尿失禁に対する骨盤底筋訓練に有効なのか?:多施設共同研究(解説:宮嶋哲氏)-1313

無意識に行われている体内状態を適切な計測器によって測定し、その情報を画像や音の形で自身が意識できるよう呈示することにより、従来制御することが不可能であると考えられてきた体内の諸機能を意識的に制御することが可能であることがわかってきた。人体における意識にのぼらない情報を工学的な手段によって視聴覚等で感知させ意識上にフィードバックすることにより、体内状態を意識的に希望する方向へ調節する技術や訓練をバイオフィードバックと呼び、現在、さまざまな疾患において用いられている。

CAPACITY HFpEF試験を読み解く(解説:安斉俊久氏)-1312

左室駆出率の保たれた心不全(HFpEF)181例を対象に、可溶型グアニリル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬であるpraliciguatの運動耐容能に及ぼす効果を無作為化比較試験によって検証したCAPACITY HFpEF試験(Phase II)の結果が2020年10月20日、JAMA誌に公開された。結果として、praliciguatの12週間にわたる投与は、最大酸素摂取量をはじめとした運動耐容能を改善するには至らなかった1)。HFpEFにおいて多くみられる糖尿病、高血圧、肥満患者や高齢者においては、酸化ストレスの増大によって血管内皮機能障害が生じ、一酸化窒素(NO)の生物学的利用能低下から内皮細胞に接する血管平滑筋細胞や心筋細胞などにおける環状グアノシン3’,5’-1リン酸(cGMP)の産生が減少する。これによりプロテインキナーゼG(PKG)の活性は低下し、血管弛緩反応の低下、心筋肥大・線維化などが生じる2)。HFpEF患者の心筋生検標本を用いた検討においては、cGMPならびにPKG活性の低下が報告されていることからも3)、HFpEFの治療標的としてNO-cGMP-PKG経路が注目されてきた。

Scoop and Runは正しいのか? 院外心停止の現場から(解説:香坂俊氏)-1311

院外での心停止(OHCA:Out-of-Hospital Cardiac Arrest)の際、(1)そのまま現場にとどまって蘇生行為を続けるか、あるいは(2)専門施設への搬送を優先するのか(いわゆるScoop and Runと呼ばれる方式)、難しい判断を迫られることも多い。そうした現場のジレンマを解決すべく、北米で大規模調査(2万7,705例)のデータ解析が行われた(傾向スコアを活用し2群の重症度をある程度マッチさせた集団をこの研究では扱っている)

新薬の迅速審査は慎重かつ中立に指定すべきだろう(解説:折笠秀樹氏)-1310

新薬の迅速審査に関する報告です。米国FDAには4種類の迅速審査プログラムがあり、その制度で承認された新薬で治療価値の高いものは50%ありました。そうでない新薬で治療価値の高いものは10%でした。欧州EMAには2種類のプログラムがありますが、傾向は同じようでした。迅速審査に指定されるには、ピカ新や希少疾患など、最初から評判の高いものが多いはずです。評判が高かったから迅速審査に指定されたのは当然と思います。迅速審査に指定されたのに、治療価値の高くないものが50%あるほうが不思議です。承認を急ぐのには、政治などさまざまな圧力があったのでしょうか。

第二アンジオテンシン変換酵素(ACE2)は、ヒトの運命をつかさどる『X因子』か?(解説:石上友章氏)-1309

米国・ニューヨークのマクマスター大学のSukrit Narulaらは、PURE(Prospective Urban Rural Epidemiology)試験のサブ解析から、血漿ACE2濃度が心血管疾患の新規バイオマーカーになることを報告した1)。周知のようにACE2は、古典的なレニン・アンジオテンシン系の降圧系のcounterpartとされるkey enzymeである。新型コロナウイルスであるSARS-CoV-2が、標的である肺胞上皮細胞に感染する際に、細胞表面にあるACE2を受容体として、ウイルス表面のスパイクタンパクと結合することが知られている。降って湧いたようなCOVID-19のパンデミックにより、にわかに注目を浴びているACE2であるが、本研究によりますます注目を浴びることになるのではないか。

ロピナビル/リトナビル合剤が新型コロナに対して無効であった理由は?(解説:山口佳寿博氏)-1308

新型コロナ感染症が中国・武漢において発生してから10ヵ月が経過した。この10ヵ月の間、感染症の分子生物学的/生理学的病態解明が進み、治療法に関しても抗ウイルス薬、ウイルス誘発免疫過剰状態(血栓過形成を含む)に対する多数の薬物に関する治験、ウイルスに対する不活化ワクチン、遺伝子工学的ワクチンの製造が驚くべきスピードで進行している。それらの結果として、新型コロナ感染症に対する有効な治療方針が整理されつつあり、同一施設における入院死亡率はパンデミック初期に比べ明らかに低下している(Horwitz L, et al. medRxiv. doi.org/10.1101/2020.08.11.20172775.)。初期治療に重要な抗ウイルス薬に関しては、種々の薬物が“篩(ふるい)”にかけられ、RNA-dependent RNA polymerase(RdRp)阻害薬であるレムデシビル(商品名:ベクルリー、Beigel JH, et al. N Engl J Med. 2020 Oct 8. [Epub ahead of print], Wang, et al. Lancet. 2020;395:1569-1578.)ならびにファビピラビル(商品名:アビガン、Ivashchenko AA, et al. Clin Infect Dis. 2020 Aug 9. [Epub ahead of print], Cai Q, et al. Engineering (Beijing). 2020 Mar 18. [Epub ahead of print], 富士フイルム富山化学 9月23日付 News Release)が一定の効果を有することが確認された。一方、RdRpより上位で作用するウイルス―宿主細胞膜融合阻害薬であるクロロキン/ヒドロキシクロロキンならびに3-chymotrypsin protease阻害薬(Protease inhibitor)であるロピナビル/リトナビル(商品名:カレトラ、以下L/R合剤)の効果は確認されなかった。本論評においてはL/R合剤に焦点を合わせ、この薬物が臨床的効果を発揮できなかった理由について考察する。

血漿ACE2は生命予後・心血管疾患イベントのリスクマーカーとなりうるのか?(解説:甲斐久史氏)-1307

2020年は、アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)の発見20周年である。その記念すべき年に、期せずして、人類の日々の営みさえ大きく変えようとしているCOVID-19パンデミックの原因ウイルスSARS-CoV-2感染における細胞受容体であることが同定され、ACE2に大きな注目が集まることとなった。ともすればネガティブな悪玉イメージが定着しそうな雲行きのACE2であったが、ここに来て本来の領域でポジティブなニュースが飛び込んできた。そもそも、ACE2は細胞膜メタロプロテアーゼで、古典的レニン・アンジオテンシン(RA)系における中心的な調節因子アンジオテンシン変換酵素(ACE)のホモローグである。言うまでもなくACEは、アンジオテンシン(ang)IからangIIを産生し、angII1型受容体(AT1R)を介する細胞増殖・肥大、酸化ストレス、血管収縮といった生理学的あるいは病態生理的作用に関与する。それに対して、ACE2はangIおよびangIIをそれぞれang 1-9およびang 1-7に分解、すなわち、angII産生を減少させる。さらに、ang 1-7はmas受容体を活性化してAT1Rの作用を抑制する。すなわち、ACE2は過剰に活性化したRA系に対する内因性抑制機構で、臓器保護的に作用するkey moleculeである。

外傷性脳損傷への入院前トラネキサム酸投与に有益性なし(解説:中川原譲二氏)-1306

中等度~重度の外傷性脳損傷(TBI)は、外傷性死亡および障害の最重要の原因であるが、早期のトラネキサム酸投与がベネフィットをもたらす可能性が示唆されていた。そこで、米国・オレゴン健康科学大学のSusan E. Rowell氏らが、多施設共同二重盲検無作為化試験の結果を報告した(JAMA誌2020年9月8日号掲載の報告)。試験は2015年5月~2017年11月に、米国およびカナダの外傷センター20ヵ所と救急医療機関39ヵ所で実施された。適格患者は、Glasgow Coma Scaleスコア12以下および収縮期血圧90mmHg以上である15歳以上のTBI入院前患者(1,280例)で、受傷2時間以内に治療を開始する以下の3つの介入が評価された。(1)入院前にトラネキサム酸(1g)をボーラス投与し、入院後に同薬(1g)を8時間点滴投与(ボーラス継続群、312例)、(2)入院前にトラネキサム酸(2g)をボーラス投与し、入院後にプラセボを8時間点滴投与(ボーラスのみ群、345例)、(3)入院前にプラセボをボーラス投与し、入院後にプラセボを8時間点滴投与(プラセボ群、309例)。

トリプルネガティブ乳がん術前治療における免疫チェックポイント阻害剤併用(解説:下村昭彦氏)-1305

2020年9月19日から欧州臨床腫瘍学会(ESMO)がバーチャル開催され、多数の重要演題が発表された。IMpassion031試験もその1つであり、同日Lancet誌に論文掲載となっている。IMpassion031試験はトリプルネガティブ乳がん(TNBC)の術前化学療法としてアルブミン結合パクリタキセル(nab-PTX)とAC(ドキソルビシン+シクロホスファミド)療法に、抗PD-L1抗体であるアテゾリズマブを上乗せすることにより病理学的完全奏効(pCR)率が向上するかどうかを検証したランダム化比較第III相試験である。アテゾリズマブ群で17%のpCR率改善を認め、アテゾリズマブのpCR率に対する効果が統計学的有意に示された。PD-L1陽性(1%以上)・陰性のいずれでもpCR率の改善傾向を認めたが、サブグループでは統計学的有意差は認めなかった。同様の試験として抗PD-1抗体であるペムブロリズマブを用いたKEYNOTE-522試験(CBDCA+PTX f/b AC療法へのペムブロリズマブの上乗せを検証)があり、こちらも全体集団でペムブロリズマブによるpCR率改善が示されており、その傾向はPD-L1ステータスにより変わらなかった。

SGLT2阻害薬でも糖尿病患者の心血管イベントは抑制されない?(解説:吉岡成人氏)-1304

糖尿病患者における心血管疾患のリスクを低減するためにSGLT2阻害薬が有用であると喧伝されている。米国糖尿病学会(ADA)では心血管疾患、慢性腎臓病(CKD)、心不全の既往のある患者やハイリスク患者では、血糖の管理状況にかかわらずGLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害薬を第一選択薬であるメトホルミンと併用することが推奨されている。欧州心臓病学会(ESC)と欧州糖尿病学会(EASD)による心血管疾患の診療ガイドラインでは、心血管リスクが高い患者での第一選択薬としてSGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬を用いることも選択肢の一つであるとしている。

カナグリフロジンと下肢切断リスク(解説:住谷哲氏)-1303

最新のADA/EASD高血糖管理ガイドラインにおいて、SGLT2阻害薬は心不全またはCKDが問題となる2型糖尿病患者に対して、HbA1cの個別目標値とは切り離してメトホルミンに追加すべき薬剤と位置付けられている。糖尿病ケトアシドーシス、性器感染症の増加はすべてのSGLT2阻害薬に共通の有害事象であるが、下肢切断リスクの増加はカナグリフロジンに特異的と考えられている。これは、これまで報告されたエンパグリフロジン、カナグリフロジン、ダパグリフロジン、ertugliflozinのCVOTのなかで、唯一下肢切断リスクの増加がカナグリフロジンのCANVAS programで報告されたことによる。しかしその後に報告されたカナグリフロジンのCREDENCEでは下肢切断リスクの増加は認められなかった。つまり本当にカナグリフロジン特異的に下肢切断リスクが増加するか否かについては、はっきりしていない。

RCTの評価はどこで行うか? ELDERCARE-AF試験の場合(解説:香坂俊氏)-1302

今回解説させていただくELDERCARE-AFはわが国で実施された試験であるが、出血ハイリスクの心房細動患者に対して抗凝固療法(ただし低用量)の有用性を確立させたという点で画期的であった。高齢者で基礎疾患のある心房細動患者には抗凝固療法(最近ではワルファリンよりもNOACと呼ばれるクラスの薬剤が使われることが多くなっている)を用いた脳梗塞予防が広く行われているが、抗凝固を行えばそれだけ出血するリスクも高くなるわけであり、そこのバランスをどう保つかということは大きな課題であった。