内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:2

専門家ワーキンググループが電子タバコを禁煙支援選択肢として推奨

 国際的な非営利団体であるニコチン・タバコ研究学会(SRNT)の専門家ワーキンググループ「Harm Reduction Workgroup」が、成人の禁煙支援に電子タバコを用いることに関する臨床上の推奨事項を発表した。電子タバコを米食品医薬品局(FDA)承認のニコチン代替療法やバレニクリン、ブプロピオンなどの薬物療法とともに、選択肢として提示すべきだとしている。米カンザス大学人口健康学分野のEleanor Leavens氏らがまとめたこの推奨事項は、7月30日付で「Journal of the American Medical Association(JAMA)」に掲載された。

地域活動への参加、オーラルフレイルリスク低下と関連――3万人超の縦断研究

 日本の地域在住高齢者約3万人を3年間追跡した研究で、地域活動への参加がオーラルフレイルリスクの低下と関連することが示された。さらに、その関連は社会経済的地位(SES)が低い高齢者でより強く認められ、社会参加がオーラルフレイルの健康格差の縮小と関連する可能性が示唆された。研究は、北海道大学大学院保健科学研究院地域看護学/公衆衛生看護学教室の富岡那奈子研究員、田高悦子教授らによるもので、詳細は7月24日付の「PLOS One」に掲載された。

70歳以上の1次予防、スタチンは有益か?/NEJM

 地域で暮らす70歳以上の高齢者を対象としたプラセボ対照無作為化試験で、アトルバスタチンは主要心血管イベントリスクを抑制したが(追跡期間中央値5.9年時点)、障害のない生存期間の延長には寄与しなかったことが示された。オーストラリア・モナシュ大学のSophia Zoungas氏らSTAREE Investigatorsが、同国の一般診療所(general medical practice)で行った「STAREE試験」の結果を報告した。高リスク成人において、スタチンが心筋梗塞や虚血性脳卒中のリスクを低減させることは十分に確立されているが、臨床ガイドラインにおいて、70歳以上の高齢者へのスタチン処方を強く推奨する記述はなく、とくに75歳以上の高齢者への処方を推奨するエビデンスは乏しい。

GLP-1RA使用は脱毛を起こす可能性があるが、非瘢痕性で可逆的であるため、丁寧な説明をすることで患者さんの不安解消への配慮を忘れないでほしい(解説:島田俊夫氏)

GLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)は、2型糖尿病治療において体重減少・心血管保護効果を含む多面的な利点を有し、近年その使用が急速に拡大している。一方で、これら薬剤の導入後に脱毛を訴える症例が散見され、FDAも2023年以降、安全性シグナルとして評価を開始している。本稿では、BMJ誌2026年7月22日号に報告された大規模ターゲットトライアル・エミュレーション研究の結果を踏まえ、一般内科医が臨床で留意すべきポイントを整理する。Penn Medicineの電子カルテデータ(2019~24年)を用いた本研究では、GLP-1RA新規使用者1万2,004例を対象に、SGLT2阻害薬1万5,221例およびDPP-4阻害薬1万1,233例との比較が行われた。

認知症高齢者、診断の何年前から自動車事故リスクが高い?

 アルツハイマー病およびアルツハイマー関連認知症(ADRD)の患者は、認知機能の低下により自動車事故のリスクが高まる。この認知機能低下は、診断の数年前から始まっていることも少なくない。自動車事故は、ADRDに関連する認知機能障害の指標となり、早期診断を促進する可能性がある。米国・ブラウン大学のNina R. Joyce氏らは、ADRD患者の自動車事故発生について、診断前までさかのぼり、調査を行った。Journal of the American Geriatrics Society誌オンライン版2026年8月6日号の報告。

AF治療中に脳梗塞を招く潜在的要因とは

心房細動(AF)患者における経口抗凝固薬(OAC)投与は、脳梗塞予防の中心であるが、適切に治療されていても脳梗塞を発症する事例が存在する。こうしたブレークスルー脳梗塞(breakthrough ischemic stroke)の潜在的原因や、その後の予後への影響は十分に明らかになっていない。そこで、イタリア・University of L'AquilaのFederico De Santis氏らは、AFに対するOAC継続中に発症した脳梗塞患者を対象に、潜在的な原因と90日転帰との関連を検討した。その結果、潜在的な原因は約半数で認められ、90日以内の脳梗塞再発リスク上昇と関連していた。本研究結果は、Journal of Neurology誌オンライン版2026年8月17日号に掲載された。

「消化性潰瘍診療GL2026」、ボノプラザンの位置付けを強化/J Gastroenterol

消化性潰瘍では、ヘリコバクター・ピロリ(H. pylori)感染と非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)使用が主要因である一方、除菌治療の普及や強力な酸分泌抑制薬の登場により、有病率や死亡率は低下している。しかし、特発性潰瘍や非H. pylori性ヘリコバクター(NHPH)感染による潰瘍の増加傾向が注目されている。日本消化器病学会(JSGE)は2026年4月に「消化性潰瘍診療ガイドライン2026(第4版)」を改訂、治療アルゴリズムの骨格は大きく変えず、H. pylori除菌治療について状況に応じた選択肢を整理するとともに、薬物療法ではボノプラザンの位置付けを強化した。本改訂内容は、ガイドライン作成・評価委員会の杉本 光繁氏らより論文化され、Journal of Gastroenterology誌オンライン版2026年8月24日号に掲載された。

水泳は腰痛の症状軽減に有効?

 腰痛に悩んでいる人は、プールで何往復か泳ぐことで症状が和らぐかもしれない。8週間の個別化水泳プログラムにより、腰痛患者の身体機能が改善し、痛みについても一定の改善傾向が見られたことが、新たな研究で示された。マッコーリー大学(オーストラリア)のDeborah Wareham氏らによるこの研究結果は、7月21日付で「British Journal of Sports Medicine」に掲載された。  Wareham氏は、「慢性腰痛のある人に対して水泳はよく勧められているが、これまで効果を裏付ける十分なエビデンスがなかった。そこでわれわれは、慢性腰痛に対する水泳の有効性を明らかにするため、研究を行う必要があると考えた」と研究背景について説明している。

心血管疾患のないCOPD、メトプロロールは有効か

 心血管疾患を有しない慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者において、β遮断薬が予後を改善する可能性が指摘されているが、無作為化比較試験の結果は一貫していない。今回、スウェーデン・Orebro UniversityのJosefin Sundh氏らが心血管疾患のないCOPD患者に対するメトプロロール追加投与の有効性を検討した結果、メトプロロールがCOPD増悪・心血管イベント・死亡の複合アウトカムまでの期間を有意に改善しなかったことを報告した。NEJM Evidence誌オンライン版2026年9月6日号に掲載。

IBD患者の大腸がん発生、家族歴でどこまで増える?

炎症性腸疾患(IBD)では大腸がん(CRC)リスクが高いことが知られており、CRC家族歴も重要なリスク因子とされる。一方、IBD患者においてCRC家族歴がCRC発生に及ぼす影響を検討した研究は少ない。そこで、スウェーデン・カロリンスカ研究所のAsa H. Everhov氏らは、IBD患者とマッチさせた一般人口対照を対象に、CRC家族歴別のCRC発生率と発生率差、およびIBDとCRC家族歴の相互作用を検討した。その結果、CRC家族歴はIBD患者と一般人口対照のいずれにおいても絶対尺度では同程度にCRC発生を増加させ、増加幅はCRC罹患者が複数いる場合に最も大きかった。本研究結果は、Gastroenterology誌オンライン版2026年9月3日号に掲載された。