内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:2

インフルで入院しやすい人、死亡リスクが高い人の特徴~メタ解析

 インフルエンザ患者における入院および死亡に関連するリスク因子を特定することは、臨床管理および公衆衛生戦略を策定するうえで重要である。今回、中国・Shandong University School of Public HealthのYa Gao氏らは、WHOインフルエンザ臨床ガイドラインの更新を支援する目的で、季節性インフルエンザ患者における入院および全死因死亡のリスク因子を系統的レビューおよびメタ解析で検討した。その結果、非重症例の入院の主要リスク因子として、65歳以上、免疫不全、心血管疾患、神経疾患、慢性呼吸器疾患が、重症例の全死因死亡の主要リスク因子として、2次細菌感染、栄養不良、敗血症、急性腎障害、65歳以上、慢性心血管疾患、悪性腫瘍、慢性神経疾患が示唆された。Lancet Respiratory Medicine誌オンライン版2026年9月8日号に掲載。

高度なケアを要する高齢者における認知症・BPSDの有病率は

 高齢者において、高度なケアを必要とする疾患と認知症を合併すると、そのケアは複雑化する。台湾・Changhua Christian Hospitalの氏らは、経管栄養、呼吸器ケア、皮下注射、尿道カテーテル、ストーマケアまたは浣腸、創傷ケア、疼痛管理、透析といった高度なケアを要する患者を対象に、認知症および認知症の行動・心理症状(BPSD)の有病率を明らかにするため、調査を実施した。The Journal of Prevention of Alzheimer's Disease誌オンライン版2026年8月14日号の報告。  本研究は、台湾全国規模の集団ベース横断調査として実施した。多段階層化系統抽出法を用い、2020年9月〜2022年6月に計1万1,297例の参加者を登録した。

米国の20代の8割に心腎代謝症候群の兆候

 米国では多くの若年成人が、将来の心血管・腎・代謝に関する健康リスクを高める状態にあることが明らかになった。米ボストン大学のDonald Lloyd-Jones氏らの研究の結果であり、詳細は「Circulation:Population Health and Outcomes」に8月20日付で掲載された。平均年齢23歳という若年集団を対象とした調査で、参加者の約8割に心腎代謝(CKM)症候群の兆候が認められたという。  CKM症候群とは、代謝性リスク因子、腎疾患、心血管疾患が相互に関連し、心血管疾患の発症・進行リスクを高める状態を指し、米国心臓協会(AHA)によると、その初期兆候として、高血圧、脂質異常、インスリン抵抗性、糖尿病前症などが現れてくるという。

オベポレクストン、ナルコレプシータイプ1の眠気・覚醒を改善/NEJM

 ナルコレプシータイプ1患者において、経口オレキシン2受容体(OX2R)選択的作動薬オベポレクストンは12週間にわたり、覚醒状態、眠気および情動脱力発作(カタプレキシー)の評価尺度を有意に改善したことが、フランス・Centre Hospitalier UniversitaireのYves Dauvilliers氏らが行った2つの第III相試験「First Light試験」「Radiant Light試験」の結果で報告された。オベポレクストン群では最も一般的な有害事象として、頻尿および一過性の不眠が認められた。ナルコレプシータイプ1は、日中の過度の眠気、カタプレキシー、睡眠分断、および入眠時や覚醒時の幻覚などで特徴付けられる。オベポレクストンは第II相試験で、ナルコレプシータイプ1の症状を軽減することが示されていた。NEJM誌オンライン版2026年9月9日号掲載の報告。

心血管疾患歴や糖尿病がない高齢者でも、高用量スタチンは心筋梗塞、脳卒中発症を予防する。しかし、認知症、フレイルの発症予防には効果なし―STAREE研究(解説:桑島巖氏)

メルボルン在住で、心血管疾患の既往や糖尿病がない70歳以上の住民9,971例を、アトルバスタチン40mg治療群とプラセボ群にランダマイズして平均5.9年間追跡し、(1)心血管疾患発症率、心血管死および、(2)認知症、フレイル、総死亡の2つを主要エンドポイントとして評価した臨床研究である。本試験の特徴として、両群ともLDL-コレステロール平均値が、治療群では126.2±27.8mg/dL、プラセボ群では127.0±28.1mg/dLと正常範囲内であることである。すなわち、高コレステロール基準に達していない例が多いことが挙げられる。

糖尿病へのスタチン、開始時期で認知症リスクに差?/ESC2026

高齢化に伴い認知症の負担は増大しており、とくに糖尿病患者ではリスクが高いことが知られている。一方、LDLコレステロールは認知症の修正可能なリスク因子として注目されている。そこで、デンマーク・Copenhagen University Hospital-Herlev and GentofteのTummas Ternhamar氏らは、2型糖尿病診断後のスタチン開始時期と認知症リスクとの関連を検討した。その結果、診断後1年以内の「スタチン早期開始」が、全認知症リスクの有意な低下と関連することが示された。本結果は、2026年8月28~31日にドイツ・ミュンヘンで開催されたEuropean Society of Cardiology 2026(ESC2026、欧州心臓病学会)で発表され、The Lancet Regional Health Europe誌オンライン版2026年8月27日号に掲載された。

エチゾラムとゾピクロンの投与期間30日上限以降、処方傾向はどう変わったか?

 2016年10月、日本においてベンゾジアゼピン受容体作動薬(BZD)であるエチゾラムおよびゾピクロンは第3種向精神薬に指定され、両剤の投与期間の上限が30日に制限された。横浜市立大学の立岡 幸大氏らは、エチゾラムおよびゾピクロンの投与期間上限の設定が両薬剤の処方に及ぼした影響を評価した。Therapeutic Innovation & Regulatory Science誌オンライン版2026年8月8日号の報告。  本研究は、2012〜20年の日本の全国医療保険レセプトデータからランダムに抽出されたデータに基づいて実施した。2016年に向精神薬に指定されたBZDであるエチゾラムおよびゾピクロンについて、年齢層別の処方動向を分析した。向精神薬指定が処方動向に及ぼす影響は、中断時系列分析を用いて評価した。

犬を飼うことで認知症予防は可能か?〜日本人対象研究

 国立環境研究所の谷口 優氏らは、犬の飼育者の身体的、社会的、心理的特性に基づいた傾向スコア重み付け法を用い、犬の飼育と要介護認知症の発症および死亡との関連を調査した。さらに、操作変数モデルを用いて、この関係における因果関係の可能性を検討した。加えて、費用対効果分析を用いて、犬の飼育に伴う費用と効果についても検討を行った。International Journal of Environmental Research and Public Health誌2026年7月22日号の報告。  犬の飼育状況は、「現在飼育中」、「過去に飼育経験あり」、「飼育経験なし」の3つに分類した。要介護認知症は、日本の介護保険制度における医師の判定に基づき定義し、死亡については約7.5年間のフォローアップ期間中に日本の人口動態統計を用いて確認した。

極端な暑さは数十種類の健康問題と関連

 極端な暑さによる健康への影響は、単なる脱水や熱中症にとどまらないようだ。米ノースウェスタン大学地球・環境・惑星科学准教授のDaniel Horton氏らによる研究で、極端な暑さへの曝露と関連する診断カテゴリーは、急性腎不全、多発性硬化症、カンナビノイド関連の精神・行動障害、昆虫による咬傷・刺傷、交通事故、銃器による外傷など33に上ることが示された。この研究の詳細は、8月26日付で「Science Advances」に掲載された。Horton氏は、「これまでの研究から、人は極端な暑さにさらされると攻撃的に振る舞いがちになることが示されている。今回の結果にも、そのことが関係している可能性がある。暑いと心身の双方にストレスがかかり、注意力が散漫になったりいら立ちが強まったりして、事故が増える可能性がある」とニュースリリースで述べている。

喫煙者の多くはタバコが心臓や脳に及ぼすリスクを認識していない

 タバコのリスクに関する過去数十年にわたる啓発活動にもかかわらず、多くの喫煙者が喫煙や受動喫煙が心臓発作や脳卒中を引き起こすという事実をまだ十分認識していないことが、46カ国で行われた調査から明らかになった。ウォータールー大学(カナダ)と米疾病対策センター(CDC)タバコ規制プログラムの研究者による研究の結果であり、同大学のJanet Chung-Hall氏らによる論文が、「BMJ Open」に8月4日付で掲載された。  この研究では、2002~2022年の国際タバコ規制プロジェクト(ITC)と、2008~2020年の世界成人タバコ調査(GATS)のデータを用い、46カ国の18歳以上の喫煙者において、喫煙と受動喫煙が肺がんや心血管疾患(CVD)の原因になるという認識が、過去約20年間でどのように変化してきたかが解析された。