PSSA菌血症治療の常識は変わるか?(解説:栗原宏氏)
現在のPSSA(Penicillin-Susceptible Staphylococcus aureus)を取り巻く環境は10年前とはかなり変化している。欧米を中心に、かつては稀とされていたPSSAの割合が再増加傾向であることが本研究の背景となっている。PSSAであれば、治療としてペニシリンGは、最も狭域で抗菌活性が高く、内服アモキシシリンへの移行が容易、腎障害・肝障害・静脈炎が少ない可能性があるなど利点が多い。その一方で、低レベルペニシリナーゼ産生菌がPSSAと誤判定されていた場合の治療失敗リスクを踏まえて、抗ブドウ球菌ペニシリン系薬が第一選択とされていた。本研究はPSSAに対して「念のために抗ブドウ球菌ペニシリンを使う」という従来の治療戦略に再考を促す結果となった点で意義が大きい。