内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:2

約230万例のコホート研究が特定した不適切処方カスケードのパターン/BMJ

 カナダ・Sinai Health SystemのPaula A. Rochon氏らは、同国オンタリオ州に在住の66歳以上の高齢者を対象とした後ろ向きコホート研究により、潜在的に不適切な処方カスケード(potentially inappropriate prescribing cascade:PIPC)65種類のうち、24種類がとくに介入優先度が高いPIPCとして特定されたことを報告した。高齢者においてPIPCは頻繁にみられるものの、その多くは見過ごされており、患者や医療システムに多大な負担を強いる不適切な多剤併用の一因と指摘されている。今回示された24種類のリストは、個々の高齢患者および高齢者集団レベルにおける、薬剤安全性を向上させる処方および脱処方(deprescribing)の取り組みや政策策定に役立つ可能性があるという。BMJ誌2026年9月10日号掲載の報告。

TAVI後の抗血栓療法は抗凝固薬がよい?それとも抗血小板薬?(解説:後藤信哉氏)

社会の高齢化と共に大動脈狭窄症は増加し、TAVIを受ける患者数も増えている。TAVIの弁置換後の抗血栓療法のベストは確立されていない。本研究では、参加症例数は360例と多くはなく、primary efficacy endpointも臨床症状を惹起しないsubclinical leaflet thrombosisと間接的ではあるが、抗凝固薬にて抗血小板薬より血栓が少ないことを示した。重篤な出血イベントは両者で差はなかった。人工弁における血栓弁の予防には、ワルファリンが標準治療であった。TAVIでは生体弁を利用するため、機械弁より血栓リスクは少ないとされた。

高齢者に対するSSRI継続使用、認知症リスクを上昇させるか?低下させるか?

 うつ病は、認知症のリスク因子である。しかし、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)と認知症リスクとの関連を検討した研究において、うつ病を交絡因子として調整した研究は少なく、神経病理学的アウトカムを検討した研究はほとんど存在しない。米国・ジョンズ・ホプキンス大学のJacob S. Shaw氏らは、うつ病の既往歴を有する高齢者におけるSSRIの継続使用と認知機能障害および機能障害の進行、抑うつ症状、認知症に関連する神経病理学的所見との関連を検討した。The American Journal of Geriatric Psychiatry誌2026年1月号の報告。

ピロリ除菌の保険適用拡大後、日本の胃がん死亡・罹患はどう推移したか

日本では、2013年2月にHelicobacter pylori(H. pylori)陽性の内視鏡診断慢性胃炎に対する除菌療法が保険適用となり、胃がん予防に関わる診療環境が大きく変化した。一方、この保険適用拡大後の胃がん死亡・罹患数の全国的な推移については、人口高齢化や内視鏡検査の普及などを踏まえた解釈が求められる。そこで、札幌・カレス記念病院の浅香 正博氏らは、2013年の保険適用拡大前後における日本の胃がん死亡および罹患の推移を検討した。その結果、2013年以降、日本の胃がん死亡数は減少し、とくに80歳未満で死亡数の減少が顕著であった。罹患数もその後のピークを経て減少した。本研究結果は、Helicobacter誌2026年9・10月号に掲載された。

Country Specific and Practical Clinical TrialsがNEJMに掲載される時代(解説:後藤信哉氏)

臨床研究者はNEJMに論文を掲載されるのが夢である。NEJM掲載の審査は、きわめて慎重に行われており、世界の医学にインパクトを与える論文が発表されてきた。歴史的に循環器内科領域では、米国、欧州の研究代表者による論文が多かったが、日本などで施行された研究も、臨床へのインパクトが大きい場合には採択される場合があった。本研究では、冠動脈にDES留置後12ヵ月のDAPTとクロピドグレル単独療法が、臨床的、病変的にhigh riskとされた症例において比較された。症例数は3,203例と、著しく多いわけではないが仮説検証には十分な症例数であった。

残余リスク可視化へ、Lp(a)コンセンサス・ステートメント公表/日本動脈硬化学会

 日本動脈硬化学会は2026年9月14日、Lp(a)に関する日本版『コンセンサス・ステートメント』を公表した。本ステートメントは、「世界的なエビデンスと日本の疫学的および臨床的現実を統合し、将来の治療および医療システムの発展を支援しつつ、日本に合わせたLp(a)の測定、解釈、リスク層別化、および管理に関する明確な推奨事項を提供することを目標」として作成された。今回、日常診療においてLp(a)測定の普及促進を訴える、日本動脈硬化学会Lp(a)タスクフォースの吉田 雅幸氏(日本動脈硬化学会理事長/東京科学大学 生命倫理センター長・大学院先端倫理医科学分野 教授)が測定法や心血管リスク評価への具体的な活用法など、診療で実践すべき臨床的Key takeawayについて解説した。

今年も「ワクチン虎の穴セミナー」を開催/プライマリ・ケア連合学会

 日本では、今年も麻しん流行や肺炎球菌ワクチンのPCV20への変更など、感染症やワクチンに関係する話題が多い。また、海外ではハンタウイルス、エボラ出血熱などの再興感染症の流行も危惧されている。  こうした環境の中、「こどもとおとなのワクチンサイト」を運営する日本プライマリ・ケア連合学会 感染症委員会 ワクチンチームは、10月に医師・医療従事者向けに「ワクチン虎の穴セミナー」を開催する。

わずか2日で開発、医師が生成AIで作った医療英語アプリ

 医療現場で使う英語をスマートフォンで学べるiOSアプリ「Casey English Prep」が登場した。開発したのは、米国で臨床に携わる山田 悠史氏(マウントサイナイ医科大学 老年医学科 アシスタントプロフェッサー)。問診や病状説明、申し送り、学会発表などで使う英語フレーズのほか、医療英単語や略語などを反復して学習できる。特徴的なのは、山田氏は監修にとどまらず、生成AIを活用して自らアプリそのものを開発したことだ。週末の2日ほどでアプリの原型を作り上げたという。  アプリ開発の原点には、山田氏自身の米国での臨床経験がある。

日本の胃がん検診、内視鏡vs.胃部X線の感度・特異度は

本邦では、50歳以上を対象とする住民ベースの胃がん検診における検査法として、胃内視鏡検査と胃部X線検査が推奨されている。しかし、両検査法の限局性胃がん検出能に関する、近年のリアルワールドでのエビデンスは限られている。神奈川県立がんセンターのChoy-Lye Chei氏らは、リアルワールドにおける集団検診の環境下で、胃がんおよび各臨床病期について胃内視鏡検査および胃部X線検査の検出性能を推定した。Gastric Cancer誌オンライン版2026年9月9日号掲載の報告より。

全国に整備が義務付けられた「認知症疾患医療センター」その地域格差は

 日本の認知症施策では、各2次医療圏に1ヵ所以上の認知症疾患医療センターを設置し、地域を問わず専門的な認知症医療サービスへの公平なアクセスを確保することが求められている。新潟医療福祉大学の馬場 美彦氏らは、認知症疾患医療センターの地理的・気候的特性および地理的アクセシビリティを明らかにするとともに、各2次医療圏への設置方針にもかかわらず同施設が未設置である2次医療圏の地理的特性を解明することを目的とし、本研究を実施した。BMJ Open誌2026年8月14日号の報告。