内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:2

極端な暑さは数十種類の健康問題と関連

 極端な暑さによる健康への影響は、単なる脱水や熱中症にとどまらないようだ。米ノースウェスタン大学地球・環境・惑星科学准教授のDaniel Horton氏らによる研究で、極端な暑さへの曝露と関連する診断カテゴリーは、急性腎不全、多発性硬化症、カンナビノイド関連の精神・行動障害、昆虫による咬傷・刺傷、交通事故、銃器による外傷など33に上ることが示された。この研究の詳細は、8月26日付で「Science Advances」に掲載された。Horton氏は、「これまでの研究から、人は極端な暑さにさらされると攻撃的に振る舞いがちになることが示されている。今回の結果にも、そのことが関係している可能性がある。暑いと心身の双方にストレスがかかり、注意力が散漫になったりいら立ちが強まったりして、事故が増える可能性がある」とニュースリリースで述べている。

喫煙者の多くはタバコが心臓や脳に及ぼすリスクを認識していない

 タバコのリスクに関する過去数十年にわたる啓発活動にもかかわらず、多くの喫煙者が喫煙や受動喫煙が心臓発作や脳卒中を引き起こすという事実をまだ十分認識していないことが、46カ国で行われた調査から明らかになった。ウォータールー大学(カナダ)と米疾病対策センター(CDC)タバコ規制プログラムの研究者による研究の結果であり、同大学のJanet Chung-Hall氏らによる論文が、「BMJ Open」に8月4日付で掲載された。  この研究では、2002~2022年の国際タバコ規制プロジェクト(ITC)と、2008~2020年の世界成人タバコ調査(GATS)のデータを用い、46カ国の18歳以上の喫煙者において、喫煙と受動喫煙が肺がんや心血管疾患(CVD)の原因になるという認識が、過去約20年間でどのように変化してきたかが解析された。

PCI後1年での高リスク例、クロピドグレル単剤vs.DAPT延長/NEJM

 欧米の現行ガイドラインは、薬剤溶出性ステントを用いた経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行後は、6~12ヵ月間の抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)の後、アスピリンまたはクロピドグレルによる長期の抗血小板薬単剤療法を推奨しているが、冠動脈の複雑な解剖学的形態や併存疾患などの患者特性を考慮しつつ、虚血と出血リスクのバランスを取ることが可能な長期の維持療法の戦略は確立されていない。韓国・延世大学校医科大学のSeung-Jun Lee氏らA-CLOSE investigatorsは、PCI後12ヵ月の時点で虚血性イベントのリスクが高い患者では、その24ヵ月後の全臨床的有害事象の発生に関して、クロピドグレル単剤療法はDAPTの延長に対し非劣性であり、同単剤療法は虚血性イベントと死亡が多いものの出血イベントは少ないことを「A-CLOSE試験」の結果で示した。

電子シーシャ、ニコチンの有無で人体への影響に違いは?

 フレーバー付きリキッドを加熱・エアロゾル化して吸引する電子シーシャは、近年若年層を中心に普及が進んでいる。ニコチンを含有しない製品も販売されているが、心血管系を含め人体への影響については未解明の点が多い。  米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のMary Rezk-Hanna氏らの研究グループは、健康な若い習慣的シーシャ(水タバコ)喫煙者を対象に、ニコチン含有/非含有の電子シーシャの吸引前後での心血管疾患関連マーカーの変化を比較した。その結果、ニコチンの有無にかかわらず、電子シーシャ吸引後に炎症および凝固系マーカーである血漿フィブリノゲンレベルが有意に上昇したことが確認された。本研究結果は、Journal of the American Heart Association誌2026年8月4日号に掲載された。

高リスクASCVDのLDL-C低下、インクリシランvs.ベムペド酸/ESC2026

最大耐用量のスタチン治療を受けてもLDL-C目標値に到達しない高リスクのアテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)患者を対象に、ドイツ・Deutsches Herzzentrum der ChariteのIngo Hilgendorf氏らは、インクリシランとベムペド酸を直接比較する第IV相無作為化比較試験「VICTORION-Challenge試験」を実施した。その結果、インクリシランはベムペド酸よりLDL-C低下率および目標値達成率が有意に高かった。本結果は、2026年8月28~31日にドイツ・ミュンヘンで開催されたEuropean Society of Cardiology 2026(ESC2026、欧州心臓病学会)で発表され、European heart journal誌オンライン版2026年8月31日号に同時掲載された。

MASHへのセマグルチド、日本人でも有効性示す/ESSENCE試験サブグループ解析

代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)では、肝線維化の進展抑制や脂肪肝炎の改善を目指した薬物治療の確立が課題となっている。そこで、国際医療福祉大学 消化器内科統括教授の中島 淳氏らは、第III相ESSENCE試験のサブグループ解析として、MASHを有する日本人参加者におけるセマグルチドの有効性と安全性を検討した。その結果、日本人集団において、セマグルチドは肝線維化の悪化を伴わないMASHの消失などの達成割合をプラセボより高め、全体集団と方向性が一致した有効性と安全性を示した。本研究結果は、Journal of Gastroenterology誌オンライン版2026年8月28日号に掲載された。

11月まで要警戒!「蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針」改訂

人類の多くが不快に感じる蚊。刺されれば、かゆみや腫れに悩まされる身近な存在である。一方で、蚊はデング熱やチクングニア熱などの感染症を媒介することがあり、ときに人の健康を脅かす「危険な存在」でもある。蚊は15~20℃で活動を始め、25~30℃で最も活発に行動するといわれている。近年は、気候変動などに伴う地球温暖化や残暑の長期化の影響を受け、国内におけるヒトスジシマカなどの生息域や活動期間も拡大しつつある。さらに、訪日外国人の増加などを背景に、海外から持ち込まれた蚊媒介感染症が国内で広がるリスクにも注意が必要である。

日常診療での肥満判定、「BMI」より「腹囲」?

 体重の増加が健康に与える影響が心配な人は、ベルトの穴の位置を確認してみるとよいかもしれない。腹囲は、肥満に伴う健康リスクを把握するための極めて簡便で有用な指標の1つである可能性が、新たな研究で示された。米Rutgers-RWJBarnabas Center for Climate, Health, and HealthcareのAayush Visaria氏らによるこの研究の詳細は、8月7日付で「JAMA Network Open」に掲載された。  Visaria氏は、「ベルトを緩めたりズボンのサイズを大きくしたりする必要がないか、注意してほしい。

(シタグリプチンと比べて)チルゼパチドでMACEリスク32%低減(解説:小川大輔氏)

GLP-1受容体作動薬やGIP/GLP-1受容体作動薬には、主要心血管イベント(MACE:心血管死・非致死性心筋梗塞・非致死性脳卒中)のリスクを抑制する効果が認められている。ただ、実際にどの程度抑制する効果が認められるかは明らかではない。最近、GIP/GLP-1受容体作動薬のチルゼパチドの実臨床における心血管イベント抑制効果を検討した研究結果が報告された1)。この研究は米国の保険請求データベースを用いて、心筋梗塞や脳卒中などアテローム動脈硬化性心血管疾患の既往のある2型糖尿病のデータを解析したコホート研究である。標準治療にチルゼパチドの投与を開始した群と、その対照としてDPP-4阻害薬のシタグリプチンの投与を開始した群の合計5万2,971例の解析が行われ、チルゼパチド投与群はシタグリプチン投与群と比較してMACEの発生を32%抑制したという結果であった。

ひとり飯はうつ病のリスク因子か?

 世界的な高齢化の進行や子供の独立後に親のみが残る世帯(エンプティ・ネスト)の増加に伴い、高齢者が1人で食事をすること(孤食)が急増している。こうした食事様式の変化は、高齢者の健康管理において重要な課題となっている。中国・蘇州大学のYingying Zhang氏らは、地域在住高齢者を対象に、誰かと一緒に食事をすること(共食)と孤食における栄養摂取量およびうつ病リスクの違いを定量的に評価するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Frontiers in Nutrition誌2026年7月13日号の報告。