内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:2

抗うつ薬治療開始後、1日の歩数はどう変化する?

 抗うつ薬治療開始後の実生活における活動量の変化については、これまで十分に検討されていなかった。台湾・中山医学大学附設医院のYu Chang氏らは、抗うつ薬治療開始前後の日常的な歩行活動量の短期的変化を定量化するため、ウエアラブルデバイスを用いた評価を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2026年3月29日号の報告。  対象は、90日以内に初めて抗うつ薬による治療記録が登録された成人の新規うつ病患者168例(平均年齢:44.2歳、女性:78%)。過去1年間の抗うつ薬使用歴および統合失調症または双極性障害の既往歴のある患者は除外した。All of Us Research Program CDR v8(データカットオフ日:2023年10月1日)のデータを解析した。

心血管リスクが高い女性は骨折リスクも高い

 女性では心臓の健康状態が骨折のリスクと関連していることを示すデータが報告された。米テュレーン大学のRafeka Hossain氏らの研究によるもので、詳細は「The Lancet Regional Health-Americas」に3月27日掲載された。心血管イベントリスクが高い女性は、大腿骨近位部骨折のリスクもほぼ2倍に上るという。  論文の筆頭著者であるHossain氏は、「これまでの研究でも心血管疾患と骨折リスクの関連性が示唆されていたが、大腿骨近位部骨折のリスクとの関連の強さに驚いた」と述べている。また、「心血管イベントと骨折はいずれも非常に発生頻度が高く、治療費も高額となる」とし、「両者のリスクを抑制することで高齢者の生活の質(QOL)を向上させられるのではないか」と語っている。

生活習慣病予防、朝と夕どちらに運動するのが効果的?

 運動を行う時間帯の違いが、健康状態に異なる影響を及ぼす可能性のあることを示唆するデータが報告された。朝に運動をしている人は、遅い時間帯に運動をしている人よりも、肥満や2型糖尿病などの有病率が低いという。米マサチューセッツ大学チャン医学部のPrem Patel氏らが3月29日、米国心臓病学会学術集会(ACC.26、3月28~30日、ニューオーリンズ)で発表した。  Patel氏はこの研究の目的を、「どんな運動でもしないよりはした方が良いことは既に分かっているが、われわれは運動を行う最適なタイミングがあると考え、その特定を試みた」と解説。

尿路感染症疑いの適切な外来トリアージとは?推奨を発表

 尿路感染症(UTI)疑いの成人患者に対する外来トリアージについて、経験的抗菌薬投与、尿検査および診察方法の妥当性を検討し、推奨事項をまとめたコンセンサス声明が、「JAMA Network Open」に2月2日掲載された。  米退役軍人省(VA)アナーバー医療システムのJennifer Meddings氏らは、UTIが疑われる成人患者に対するトリアージおよび管理方針の妥当性を評価するため、研究論文のスコーピングレビューを実施した。136の臨床シナリオごとに最大9つの管理戦略の妥当性が評価された。

短時間でも高強度の運動で慢性疾患リスクは低下する

 健康のために、長時間の運動は必ずしも必要ないようだ。新たな大規模研究で、毎日、ほんの数分でも強めの運動を取り入れるだけで、主要心血管イベント(MACE)や心房細動、2型糖尿病などの慢性疾患リスクを下げるのに役立つ可能性が示された。中南大学(中国)湘雅公衆衛生学院のMinxue Shen氏らによるこの研究結果は、「European Heart Journal」に3月29日掲載された。  運動時間が同じである場合、高強度の運動は中強度の運動よりも健康効果が高いことが知られている。しかし、高強度の運動がさまざまな慢性疾患にどの程度の効果があるのか、また、運動の強度と量のどちらが重要なのかは明確になっていない。

AIで医療教育は変わるか? 問診評価で指導医の負担軽減の可能性

 医師の働き方改革が進む中、医療教育の現場でも効率化と質の担保の両立が課題となっている。AIを活用した仮想患者による問診評価について、指導医による評価と比較した研究が発表された。AIの評価は指導医と高い一致を示し、評価時間は6割以上短縮されたという。研究は、順天堂大学医学部総合診療科の高橋宏瑞氏らによるもので、詳細は2月17日付の「JMIR Medical Education」に掲載された。  適切な臨床面接は正確な診断と患者との信頼関係構築に不可欠であり、従来は実際の患者や模擬患者との実習と指導医の指導によって習得されてきた。

中リスクの急性肺血栓塞栓症に対する超音波補助カテーテル血栓溶解療法が有効で重篤な出血合併症を増加させなかった(HI-PEITHO試験)(解説:佐田政隆氏)

急性肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism:PTE)の死亡率は、診断されず未治療の場合は約30%と高いが、適切な治療を実施すれば2~8%まで低下することが知られている。致死的PTE患者の75%は発症から1時間以内に、残りの25%は発症48時間以内に死亡するとされており、遅れることなくPTEを診断して適切な治療を施すことがきわめて重要である。心停止やショックといった高リスク例では、早急に機械的補助循環を導入し、抗凝固療法に加えて再灌流療法(血栓溶解療法、外科的血栓摘除術、カテーテル治療)の実施を検討することが国内外で推奨されている。

脳の老化はアルツハイマー病でどのくらい加速する?

 脳の老化に伴う進行性の形態学的および神経生物学的変化は、アルツハイマー病などの神経変性疾患では著しく加速する。これらの変化を早期に検出し鑑別することは、診断、治療計画、治療法の開発においてきわめて重要である。米国・スティーブンス工科大学のShima Jalalian氏らは、加齢に伴う脳の萎縮に対する軽度認知障害(MCI)やアルツハイマー病の影響を明らかにするため、本研究を実施した。Annals of Biomedical Engineering誌オンライン版2026年3月24日号の報告。  本研究では、タンパク質バイオマーカーの伝播と組織レベルの萎縮を連動させ、認知機能が正常な加齢、MCI、アルツハイマー病を鑑別するための計算マルチフィジックスフレームワークを開発した。

キネシオテーピングの効果に疑問符

 トップアスリートが脚や腕、肩に鮮やかな色のテープを貼った状態でスタートラインに立つ姿をよく見かける。このキネシオテープは、筋肉や関節の痛みを和らげ、可動域を広げることを目的として利用される。しかし、南方医科大学リハビリテーション医学院(中国)のXiaoyan Zheng氏らによる新たなレビューによると、キネシオテーピングの効果は限定的であり、得られる作用は主に、テープの効果を信じることに起因するプラセボ効果である可能性があるという。Zheng氏らは、「筋骨格系疾患に対するキネシオテーピングの臨床的な効果については、追跡期間の長さにかかわりなく、現時点のエビデンスは極めて不確実である」と結論付けている。詳細は、「BMJ Evidence Based Medicine」に3月31日掲載された。

尿路感染症治療の新しい迅速抗菌薬検査が登場

 新しい迅速尿検査により、尿路感染症(UTI)の治療がより的確で効果的になる可能性が新たな研究で示された。現状の検査では、個々のUTIに効果的な抗菌薬を特定するまでに2~3日かかるが、新しい検査では約6時間で結果が得られるため、検査当日に適切な抗菌薬を処方できる可能性がある。英レディング大学発のスピンアウト企業であるAstratus Limited社のCEOで、同大学薬学部のOliver Hancox氏らによるこの研究は、「JAC-Antimicrobial Resistance」4月号に掲載された。  Hancox氏は、「現行の検査方法では、結果が届く頃には患者がすでに抗菌薬の服用を終えていたり、効果のない薬を処方されていたりすることがあった。