内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

少量〜中等量でも死亡リスクが高まるお酒の種類は?/ACC2026

 過度な飲酒は健康に悪影響を及ぼすが、少量~中等量の飲酒と死亡率との関連については、飲料の種類によってリスク構造が大きく異なることがUKバイオバンクのデータを用いた大規模調査で明らかになった。本研究は米国心臓学会議(ACC2026、3月28~30日)のPoster Contributionsにおいて、中国・中南大学湘雅第二病院のZhangling Chen氏が発表し、Journal of the American College of Cardiology誌オンライン版2026年4月7日号(第87巻第13号増刊号)に掲載された。  本研究は、アルコールの総摂取量ならびに種類別摂取量と、全死亡および原因別死亡率との関連を明らかにするため、2006〜22年にUKバイオバンクに参加した34万924人を解析。各参加者を1日および1週間あたりの純アルコール摂取量(グラム)に基づいて4つのカテゴリーに分類し、Cox回帰分析した。

慢性片頭痛に対するオナボツリヌス毒素A+抗CGRP抗体~メタ解析

 オナボツリヌス毒素Aと抗CGRP抗体による二重標的療法は、単剤療法で効果が不十分な慢性片頭痛患者に対する潜在的な治療選択肢として浮上している。個々の観察研究報告からのエビデンスにおいて有益性が示唆されているが、利用可能な研究の規模、一貫性、方法論的な質については依然として不明である。イラン・テヘラン医科大学のAbbas Sarvari Soltani氏らは、慢性片頭痛におけるオナボツリヌス毒素Aと抗CGRP抗体の併用療法の有効性を評価するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。European Journal of Medical Research誌オンライン版2026年2月20日号の報告。

尿路結石の再発予防、水分摂取への介入は無効/Lancet

 尿路結石再発予防のための水分摂取を促す行動介入プログラムは、ガイドラインベースのケアと比較して、2年間の追跡期間中、症候性の結石再発を減少させず、尿量増加もわずかだった。米国・セントルイス・ワシントン大学のAlana C. Desai氏らUrinary Stone Disease Network Investigatorsが、アドヒアランス介入に関する無作為化試験の結果を報告した。尿路結石の再発リスク減少のために水分摂取量を増やすことが広く推奨されているが、アドヒアランスが課題となっている。水分摂取量を維持するための介入効果について、これまで十分に試験されていなかった。Lancet誌2026年3月21日号掲載の報告。

『大型血管炎診療ガイドライン』改訂、治療のCQ推奨が新設/日本循環器学会

 大血管炎の高安動脈炎(TAK)や巨細胞性動脈炎(GCA)、そしてバージャー病に関する治療エビデンスや診断基準などをまとめた『2026年改訂版 大型血管炎診療ガイドライン』1,2)が8年ぶりに改訂された。第90回日本循環器学会学術集会(3月20~23日)会期中の3月20日に発刊され、本ガイドラインの研究班長を務めた中岡 良和氏(国立循環器病研究センター研究所副所長/血管生理学部長)が本学術集会プログラム「ガイドラインに学ぶ2」において、改訂点などを解説した。

リアルワールドにおけるチルゼパチドの減量効果

 減量治療を行っている肥満患者への薬物治療において、チルゼパチドの効果はどのくらいあるのであろうか。このテーマについて米国・Weill Cornell MedicineのSarah R. Barenbaum氏らの研究グループは後ろ向きコホート研究を実施し、チルゼパチド治療を受けた成人の6ヵ月間の減量の転帰を分析した。その結果、チルゼパチドは全群において有意な体重減少をもたらすことがわかった。この結果はObesity誌オンライン版2026年3月28日号で公開された。

早期アルツハイマー病、経口セマグルチドは進行を抑制せず/Lancet

 2型糖尿病患者などでは、GLP-1受容体作動薬の投与により認知症およびアルツハイマー病のリスクが低下することを示唆する実臨床研究のエビデンスがある。米国・ネバダ大学のJeffrey L. Cummings氏らは、「evoke試験」および「evoke+試験」において、経口セマグルチドは早期の症候性アルツハイマー病の臨床的な進行を遅らせる効果を有さず、安全性や忍容性は他の適応症を対象とした試験の結果と一致することを示した。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2026年3月19日号で報告された。  evoke試験およびevoke+試験は、40ヵ国566施設で実施した二重盲検無作為化プラセボ対照第III相試験であり、2021年5月~2024年9月に参加者を登録した(Novo Nordiskの助成を受けた)。

経口GLP-1受容体作動薬orforglipronの期待と課題―セマグルチドを置き換えるか?(解説:永井聡氏)

経口GLP-1受容体作動薬であるorforglipronは、もともと中外製薬が開発した中分子化合物で、細胞内でG蛋白依存性シグナルを特異的に活性化する“バイアスリガンド”という新しい機序の非ペプチド製剤である。経口セマグルチドと異なり、胃内で分解されにくく、吸収を助ける添加剤を必要としない。そのため、空腹時の服用や飲水制限といった条件を課さず、日常生活における服薬の自由度が格段に向上することが特徴である。これまで本剤を用いた2型糖尿病を対象とするRCTは、プラセボとの比較であるACHIEVE-1、ATTAIN-2試験が発表されている。いずれの試験でも体重およびHbA1c値の改善は、週1回セマグルチド注射製剤に匹敵する効果が報告されている。

ベンゾジアゼピン使用は自殺リスクに影響しているのか

 ベンゾジアゼピン(BZD)は、精神疾患の治療に広く用いられているが、BZD使用開始が自殺行動に及ぼす影響については、これまでの研究で明らかにされていない。米国・インディアナ大学のMarianne G. Chirica氏らは、BZD使用開始前後の自殺行動の時間的ダイナミクスを調査し、患者のサブグループにおけるリスクパターンを検証した。Psychiatry Research誌2026年3月号の報告。  2016~19年の匿名化されたデータベースであるOptum Clinformatics Data Martから得られたBZD使用歴のある患者69万1,517例(年齢範囲:13~64歳)を対象に調査を行った。

62万人の解析で見えてきた、日本人のバレット食道リスクとは

 「バレット食道」は、胃酸などの逆流によって食道の粘膜が本来とは異なるタイプの細胞(円柱上皮)に置き換わる状態を指す。この状態は、将来的に食道腺がんの発生母地になることが知られている。今回、日本人約62万人の大規模データを解析した研究から、胃食道逆流症(GERD)や食道裂孔ヘルニアなどが、日本人におけるバレット食道のリスク因子である可能性が示された。研究は、静岡県立総合病院消化器内科の平田太陽氏、静岡社会健康医学大学院大学の菅原照氏、名古屋市立大学大学院医学研究科の中谷英仁氏らによるもので、詳細は2月6日付で英科学誌「Scientific Reports」に掲載された。

意欲低下と抑うつの併存、高齢者の多面的フレイルと関連か

 高齢者のフレイルは身体機能だけでなく、認知、社会、口腔など多面的な側面を持つことが知られている。今回、地域在住高齢者を対象とした研究で、意欲低下(アパシー)と抑うつ症状はいずれも身体・認知・社会フレイルと関連し、両者を併存する場合には口腔を含む多面的フレイルとの関連が示唆された。研究は、島根大学医学部内科学講座内科学第三の黒田陽子氏、同大学地域包括ケア教育研究センター(CoHRE)の安部孝文氏らによるもので、詳細は2月6日付で「Geriatrics & Gerontology International」に掲載された。