内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:6

オメガ3サプリメントにうつ病予防効果はあるのか?/JAMA

 米国の50歳以上のうつ病リスクを有する集団において、海洋由来オメガ3脂肪酸(オメガ3)サプリメントの長期投与によりプラセボと比較し、うつ病または抑うつ症状の新規発症や再発リスクがわずかではあるが統計学的に有意に増加した一方で、気分スコアには差がないという複雑な結果となった。米国・マサチューセッツ総合病院のOlivia I. Okereke氏らが「VITAL-DEP試験」の結果を報告した。オメガ3サプリメントは、うつ病の治療に用いられているが、一般成人のうつ病予防効果は不明であった。著者は、「今回の知見は、一般成人においてうつ病予防にオメガ3サプリメントの使用は支持されないことを示している」と結論づけている。なお、本研究は、米国の成人(男性50歳以上、女性55歳以上)2万5,871人を対象に、ビタミンD3とオメガ3脂肪酸の心血管疾患およびがんの一次予防効果を評価する無作為化臨床試験「VITAL試験」の補助的な試験で、ビタミンD3の結果はすでに報告されている。JAMA誌2021年12月21日号掲載の報告。

片頭痛に対する抗CGRP抗体の有効性と忍容性

 反復性および慢性片頭痛の予防には、いくつかの薬剤が利用可能である。どの治療を、どのタイミングで選択するかを決定することは簡単ではなく、一般的な有効性、忍容性、重篤な有害事象の可能性、併存疾患、コストなどさまざまな因子に基づいて検討される。ベルギー・ブリュッセル自由大学のFenne Vandervorst氏らは、新たに片頭痛予防の選択肢の1つとして加わったカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)またはその受容体に対するモノクローナル抗体の有効性、忍容性について検討を行った。The Journal of Headache and Pain誌2021年10月25日号の報告。

過活動膀胱は高齢者の転倒リスクを高める

 過活動膀胱は、単に不快感や困惑の原因になるだけではないようだ。高齢者においては、尿意切迫感により歩行時の注意力が削がれ、転倒リスクが高まることが明らかにされた。アルバータ大学(カナダ)のWilliam Gibson氏らによるこの研究の詳細は、「PLOS ONE」に10月4日掲載された。  Gibson氏らは、過活動膀胱と診断されている、65歳以上の高齢者27人(平均年齢75歳、女性22人)を対象に、尿意切迫感が分割的注意(複数のことに同時に注意を払うこと)の原因となり、歩行にも変化がもたらされるのかどうかを、複数のカメラを用いた三次元歩行分析により調べた。対象者には、普段から履いている靴を着用して実験室の端から端まで(9.1m)を往復してもらい、最後の3歩行周期(6歩)について分析を行った。往復歩行は、膀胱が空の状態、尿意切迫感がある状態、または脳機能を調べるための課題(Nバック課題)を行いながらの状態の3パターンで行った。

善玉コレステロールと血圧はU字型の関係―特定健診データの解析

 善玉コレステロール(HDL-C)と血圧はU字型の関係にあるというデータが報告された。この関係の背景として、HDL-Cが低くて血圧が高い場合はメタボリックシンドロームの影響、HDL-Cが高くて血圧が高い場合は飲酒習慣の影響が考えられるという。神奈川県立保健福祉大学大学院保健福祉学研究科の中島啓氏らの研究によるもので、詳細は「Journal of Clinical Medicine」に10月30日掲載された。  高比重リポタンパク(HDL)は心血管保護作用を有し、一般的にはHDL-Cが高い方が良いとされる。しかしHDL-Cが極端に高い場合(例えば100mg/dl以上)にも、心血管イベントリスクが高いことがある。またHDL-CとBMIや中性脂肪(TG)が逆相関することはよく知られているが、HDL-Cと血圧との関連は十分に検討されていない。そこで中島氏らは、特定健診のビックデータを用いてこの点の詳細な解析を行った。

今後25年間の日本における認知症有病率の予測

敦賀市立看護大学の中堀 伸枝氏らは、富山県認知症高齢者実態調査の認知症有病率データと人口予測データを用いて、日本における認知症有病率の将来予測を行った。BMC Geriatrics誌2021年10月26日号の報告。  まず、1985、90、96、2001、14年の富山県認知症高齢者実態調査のデータを用いて、性別・年齢別の認知症推定将来有病率を算出した。次に、2020~45年の47都道府県それぞれの65歳以上の推定将来人口に性別年齢を掛け合わせ、合計することで認知症患者数を算出した。認知症の推定将来有病率は、算出された認知症患者数を47都道府県それぞれの65歳以上の推定将来人口で除することで算出した。また、2020~45年の47都道府県それぞれの認知症推定将来有病率は、日本地図上に表示し、4段階で色分けした。

風の強い日は新型コロナ感染リスクが低い

 屋外で集まるのなら、風の強い日がベストのようだ。屋外で人と交流するとき、風がほとんど吹いていない日は、風が強い日に比べて、新型コロナウイルスに感染するリスクが最大45%も高くなることが、新たな研究で明らかにされた。米ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校公衆衛生プログラム准教授のSean Clouston氏らによるこの研究結果は、「BMC Infectious Diseases」に11月27日掲載された。  Clouston氏らは今回、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックに屋外での感染伝播が寄与するのかどうかを調べるために、風の弱い日の屋外での集まりは新型コロナウイルス感染リスクが高まると仮定し、それを調べる研究を実施した。そのために同氏らは、統計モデリングプログラムを開発し、ニューヨーク州サフォーク郡で2020年3月16日から12月31日までに発生したCOVID-19の症例9万6,057件について分析。その数字を、米国海洋大気庁より取得した毎日の風速と最高気温のデータと組み合わせて検討した。

超加工食品の摂取は心血管疾患死のリスクを上げる

 心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患(CVD)の経験がある人は、「超加工食品」を食べるのは避けた方が良いかもしれない。IRCCS NEUROMED(イタリア)のMarialaura Bonaccio氏らの研究で、CVDの既往歴がある人では、超加工食品の摂取量が多いと、CVD再発による死亡リスクの高いことが示されたのだ。この研究結果は、「European Heart Journal」に11月30日発表された。  超加工食品とは、通常の料理では使用しないタンパク加水分解物やマルトデキストリン(でんぷんを加水分解して作られる糖質)、硬化油(油脂に水素を添加して固体にした脂肪)といった物質が一部あるいは全体に使われており、着色料や保存料、酸化防止剤、固化防止剤、風味増強剤、甘味料などの添加物が含まれる食品のことを指す。Bonaccio氏らは超加工食品の具体例として、砂糖入り飲料や炭酸飲料、パッケージに入った状態で販売されている食品、スプレッド類、ハードビスケット、朝食用のシリアル、クラッカー、フルーツヨーグルトなどを挙げている。

多くのコロナ後遺症患者が慢性疲労症候群と呼吸器障害を経験

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の後遺症に長期にわたって悩まされている患者の多くに、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)と呼ばれる消耗性の疾患やその他の呼吸器障害が生じていることが明らかになった。米マウント・サイナイ医科大学教授のDonna Mancini氏らが実施したこの研究の詳細は、「JACC: Heart Failure」12月号に掲載された。  ME/CFSは医学的に解明されていない病態で、重度の疲労により少なくとも6カ月以上、通常の日常活動が制限されるのが特徴だという。Mancini氏は、「ME/CFSの症状はたいていの場合、曖昧だ。例えば、睡眠をとっても解消されない疲労感や運動後の不調、ブレインフォグ(頭に霧がかかったような状態)、めまい、筋肉痛、喉の痛みなどだ」と説明する。米疾病対策センター(CDC)によると、米国では80万~250万人がME/CFSに悩まされており、全体の約3分の1はウイルス性疾患罹患後に発症するという。

新型コロナへのモノクローナル抗体は皮下注射でも有効

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者に対するモノクローナル抗体の投与は、発症後5日以内に投与された場合には、入院と死亡のリスクを劇的に低下させることが示されている。  しかし、臨床試験では、投与方法として静脈注射のみが用いられていたため、FDAの緊急使用許可でも、同薬の静脈注射での投与が強く推奨されている。そのため、投与できる医療従事者と投与可能な設備の整った場所に限りがある点が問題となっている。  そんな中、米ピッツバーグ大学医療センター(UPMC)のErin McCreary氏らが、モノクローナル抗体を皮下注射しても、静脈内投与と同等の効果が得られるとする研究結果を発表した。この研究の詳細は、査読前の論文のオンライン・アーカイブである「medRxiv」に12月1日掲載された。

重症COVID-19サバイバーの回復後死亡リスクは2倍以上

 重症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)罹患者は、回復後にも死亡リスクが高いことを示す、米フロリダ大学のArch Mainous氏らの研究結果が、「Frontiers in Medicine」に12月1日掲載された。重症COVID-19から回復後1年以内の死亡リスクは2.5倍であり、非高齢者に限ると3倍以上に上るという。  論文の筆頭著者であるMainous氏は、「COVID-19にはさまざまな合併症が起こることがこれまでに報告されてきたが、回復後の死亡リスクの上昇は合併症として最も深刻なものと言えるだろう。しかも、COVID-19で直接的なダメージを受ける呼吸器や心血管の疾患で亡くなるのは5人に1人に過ぎない」と述べ、重症COVID-19罹患による全身的な健康状態への長期的な影響の重大さを強調している。