内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:4

アルツハイマー病、発症から診断までは2.2年/新潟大学ら

 アルツハイマー病(AD)では、治療・ケア方針の決定において早期診断が極めて重要となるが、日本における診断までの実際の経過は明らかではなかった。新潟大学の春日 健作氏らは、日本国内の複数施設を対象に、症状出現からAD診断に至るまでの期間とその過程で最も時間を要する段階を明らかにする後ろ向き観察研究を実施した。本試験の結果はAlzheimer's & Dementia誌オンライン版2025年12月25日号に掲載された。  本研究には、2011年4月~2023年3月に「ADによる軽度認知障害(MCI)」または「AD型認知症」と診断された18~79歳の患者138例が含まれた。発症年齢65歳未満を若年発症AD、65歳以上を高齢発症ADと定義し、初診日で1対1にマッチングした上で解析した。

食事の飽和脂肪酸を減らすことは心疾患の高リスク者に有益

 心疾患のリスクが高い人は、飽和脂肪酸の摂取量を減らすことで健康にプラスの効果を得られる可能性のあることが、新たなシステマティックレビューで示された。心疾患リスクの高い人が食事中の飽和脂肪酸の量を減らした場合、心筋梗塞や脳卒中の発症数が減少することが明らかになったという。一方、心疾患のリスクが低い人では、5年間の追跡期間で同様の効果は明確には確認されなかった。詳細は、「Annals of Internal Medicine」に12月16日掲載された。  このシステマティックレビューでは、合計6万6,337人が参加した17件の臨床試験のデータを分析し、飽和脂肪酸の摂取量を減らすことが心臓の健康やコレステロール値、全死因死亡にどのような影響を与えるのかを調べた。

日本人市中肺炎、β-ラクタムへのマクロライド上乗せの意義は?

 市中肺炎(CAP)の治療では、β-ラクタム系抗菌薬が中心となるが、とくに重症例ではマクロライド系抗菌薬が併用されることがある。ただし、マクロライド系抗菌薬の併用が死亡率の低下に寄与するか、依然として議論が分かれている。本邦の『成人肺炎診療ガイドライン2024』では、重症例に対してはマクロライド系抗菌薬の併用が弱く推奨されている一方で、非重症例に対しては併用しないことが弱く推奨されている。そこで、中島 啓氏(亀田総合病院 呼吸器内科 主任部長)らの研究グループは、市中肺炎の多施設共同コホート研究の2次解析を実施し、マクロライド系抗菌薬の併用の有無別に院内死亡などを検討した。

疥癬へのイベルメクチン、外用薬に非劣性を示せず/BMJ

 通常疥癬の治療において、経口イベルメクチンは5%permethrin クリームと比較して、臨床的治癒に関して非劣性を示せず、むしろ5%permethrin クリームが統計学的な優越性を有することが、フランス・Groupe Hospitalier PellegrinのFranck Boralevi氏らが実施した「SCRATCH試験」で示された。研究の成果は、BMJ誌2026年1月6日号に掲載された。  SCRATCH試験は、フランスの28施設で実施した評価者盲検クラスター無作為化実薬対照非劣性試験(フランス保健省などの助成を受けた)。ダーモスコープで疥癬が確定された体重15kg超の成人および小児を対象とし、2016年1月~2021年12月にインデックス・ケースとして289例を登録した。

「全国がん登録」での初の5年生存率発表、小児/成人・性別・進展度・都道府県ごとに集計/厚労省

 厚生労働省は、2026年1月14日に「2016年全国がん登録生存率報告」の結果を公開した。この「全国がん登録」は、すべての病院と都道府県が指定する診療所に対し、がん患者の情報の登録を義務付けた制度であり、2016年から登録が開始され、今回、初めて5年生存率が公表された。

夜勤と日勤の頭痛有病率、ストレスや睡眠の影響は?

 夜勤は、主に概日リズムの乱れや睡眠障害により、頭痛リスクを高めることが示唆されている。これまでの多くの研究において夜勤者と日勤者が比較されているが、両群間の職務特性や業務内容の違いがバイアスをもたらす可能性がある。デンマーク・The National Research Centre for the Working EnvironmentのRikke Harmsen氏らは、この潜在的なバイアスを最小限にする目的で、同一被験者における異なる労働条件(夜勤と日勤)が頭痛の発症に及ぼす影響を検討した。Headache誌2025年10月号の報告。

NSAIDsによるVTEリスク上昇は本当?~アセトアミノフェンと比較

 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、静脈血栓塞栓症(VTE)発症リスクを上昇させる可能性が指摘されている。しかし、VTE発症リスクの上昇は、NSAIDsが必要となる患者背景による影響を受けている可能性も考えられている。そこで、松尾 裕一郎氏(東京大学)らの研究グループは、日本のレセプトデータベースを用いた研究において、NSAIDsとアセトアミノフェンのVTE発症リスクを比較した。その結果、新規にNSAIDsを処方された患者は、アセトアミノフェンを処方された患者と比較して、VTE発症リスクが有意に低かった。一方で、NSAIDsを処方された患者は、NSAIDsを処方されていない患者と比較するとVTEリスクが高かった。著者らは、アセトアミノフェンがVTE発症リスクを上昇させないと仮定すると、NSAIDsがVTE発症リスクを上昇させるわけではないことが示唆されたとしている。

紅茶は高齢女性の骨の健康に良い可能性

 足の付け根の周辺(大腿骨近位部)の骨折をできる限り防ぎたいという女性が自分で用意できる「処方箋」があるとすれば、それは「コーヒーではなく、紅茶を飲むこと」かもしれない。高齢女性を対象とした10年間にわたる研究で、紅茶を飲む人はコーヒーを飲む人に比べて、わずかながら骨密度(BMD)が高く、骨が強いことが示されたのだ。フリンダース大学(オーストラリア)医学・公衆衛生学部のEnwu Liu氏とRyan Liu氏らによるこの研究の詳細は、「Nutrients」に2025年11月23日掲載された。

前糖尿病状態が寛解すれば心臓の健康が守られる

 2型糖尿病の合併症の中で心血管疾患などについては、糖尿病の診断基準に至らない軽度の高血糖状態である「前糖尿病」の段階でも増加することが知られている。しかし前糖尿病が寛解(血糖値が正常化)すると、そのリスクが有意に低下することを示すデータが報告された。心血管死や心不全入院などが半減するという。英キングス・カレッジ・ロンドン(KCL)のAndreas Birkenfeld氏らの研究によるもので、詳細は「The Lancet Diabetes & Endocrinology」に12月12日掲載された。  前糖尿病では心血管疾患や心不全のリスクが高いため、主として減量を目指した食事療法や運動療法などの生活習慣改善が推奨されている。

加工食品、がん罹患リスクと関連する保存料は?/BMJ

 フランス・ソルボンヌ・パリ・ノール大学のAnais Hasenbohler氏らは大規模前向きコホート研究において、加工食品で広く使用されている保存料の摂取と、がん(全体、乳がん、前立腺がん)罹患率上昇に、複数の正の関連が観察されたことを報告した。保存料は、微生物や酸化による劣化を防ぐことで保存可能期間を延長する、包装食品に添加される物質。それら保存料については、in vivoおよびin vitroの実験的研究において、終末糖化産物(AGE)ならびに変異原性および潜在的発がん活性に関与する負の影響が示唆されていた。BMJ誌2026年1月7日号掲載の報告。