内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:7

パンデミックで正規雇用労働者でも希死念慮が増大

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック下で、正規雇用労働者でも希死念慮が高まっていたという実態が明らかになった。東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野の佐々木那津氏、川上憲人氏らが行った縦断的Web調査の結果であり、「British Journal of Psychiatry Open」に10月29日、論文が掲載された。特に女性、若年者、高学歴の人などの間で、希死念慮の高まりが見られたという。  COVID-19パンデミック発生後、国内外から自殺者数の増加が報告されている。しかし、この特殊な状況での自殺リスク因子については十分に検討されていない。佐々木氏らは、「新型コロナウイルス感染症に関わる全国労働者オンライン調査(E-COCO-J)」のデータを縦断的に解析し、この点を検討した。

健診に入院リスク抑制効果はない?―中高年者縦断調査の解析

 健診の効果を、非感染性疾患(NCD)による入院や日常生活動作(ADL)障害のリスクとの関連から検討した研究結果が、「Journal of Occupational Health」に11月11日掲載された。種々の交絡因子で調整後、高血圧による入院に関しては男性の健診受診者で抑制されていたが、その他の疾患による入院やADL障害に関しては、有意な影響が認められなかったという。  この研究は、一橋大学経済研究所の小塩隆士氏、北里大学医学部公衆衛生学の堤明純氏、産業医科大学IR推進センターの井上彰臣氏が、厚生労働省「中高年者縦断調査」の第1~14回調査のデータを用いて行った研究。健診の効果を検討したこれまでの研究の多くは、ハードエンドポイントである死亡率で検討したものが多い。ただし、中高年者の場合は死亡に至らない入院も、その後の生活の質(QOL)に大きな影響を及ぼすことが少なくない。そこで小塩氏らは入院などをエンドポイントとして設定し、健診によるそのリスク抑制効果を検討した。

ノババックスワクチン、安全性と有効性を確認/NEJM

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンのNVX-CoV2373(Novavax製)は、COVID-19の予防に関して安全かつ有効であることを、米国・NovavaxのLisa M. Dunkle氏らが、米国およびメキシコで行われた第III相無作為化プラセボ対照試験の結果を報告した。NVX-CoV2373は、英国と南アフリカで行われた第IIb・III相の試験において臨床的効果が示されていたが、北米ではまだ検討が行われていなかった。NVX-CoV2373は、サポニンベースのアジュバントを添加した遺伝子組換えスパイク蛋白ナノ粒子ワクチンで、冷蔵保管(2~8℃)が可能であることから、世界的なワクチン不足に資するワクチンと目されている。NEJM誌オンライン版2021年12月15日号掲載の報告。

大規模屋内ライブ、包括的介入でコロナ感染予防は可能か~無作為化比較試験

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)蔓延防止のため、2020年は多くの屋内で集まるイベントが禁止された。フランスにおけるSPRING研究(Study on Prevention of SARS-CoV-2 Transmission During a Large Indoor Gathering Event)グループでは、大規模な屋内集会イベントで、開催前3日以内の抗原検査、医療用マスクの着用、十分な換気などの包括的な予防的介入を実施した場合、参加者と非参加者の感染率が同等かどうかを非劣性試験で検証した。その結果、イベント参加とSARS-CoV-2感染リスクに関連は認められなかったことをThe Lancet Infectious Diseases誌オンライン版2021年11月26日号で報告した。

電子タバコの使用で勃起不全リスクが倍増?

 男性では、電子タバコの使用により勃起不全(ED)リスクが倍増する可能性のあることが新たな研究で示された。EDとの関連が認められている心疾患やその他の疾患の既往がなくても、電子タバコを使用する人のEDリスクは、使用しない人の2倍以上であったという。米ニューヨーク大学(NYU)グロスマン医学部のOmar El-Shahawy氏らによるこの研究は、「American Journal of Preventive Medicine」に11月30日掲載された。  今回の研究では、EDに関する質問に回答した20歳以上の男性1万3,711人を対象に、ニコチン供給電子タバコ(ENDS)とEDとの関連が検討された。解析は、これらの対象者全て(全サンプル)を含めて行うとともに、対象を心血管疾患(CVD)の診断歴を持たない20〜65歳の男性1万1,207人(限定サンプル)に絞った上でも行った。

ソーシャルメディアの使用は抑うつと関連

 ソーシャルメディアの使用が抑うつと関連することを示した新たな研究結果が、また一つ報告された。米マサチューセッツ総合病院のRoy Perlis氏らが18歳以上の成人を対象に1年間、追跡調査したところ、Snapchat、Facebook、TikTokの使用者では、後に抑うつレベルの上昇を報告する傾向が強かったという。研究の詳細は、「JAMA Network Open」に11月23日掲載された。  Perlis氏は、「ソーシャルメディアとメンタルヘルスの関係については、これまでにも多くの議論が交わされてきた」と話す。ソーシャルメディアは、人々がより大きなコミュニティとのつながりを維持し、知りたい情報を手に入れるための手段である。ただ、今日のソーシャルメディア上には誤情報があふれている。また、このような状態になる以前から、若年者はソーシャルメディアから良くない影響を受けるのではないかと危惧する声があった。

心血管疾患2次予防にインフルエンザワクチンは必要か

 急性冠症候群の治療期間中における早期のインフルエンザワクチン接種によって、12ヵ月後の心血管イベント転帰改善が示唆された。本研究は、スウェーデン・Orebro UniversityのOle Frobert氏らにより欧州心臓病学会(ESC 2021)にて報告された。Circulation誌2021年11月2日号に掲載。  実施された国際多施設共同二重盲検ランダム化比較試験(IAMI trial)は、2016年10月1日~20年3月1日の4シーズンに8ヵ国(スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、ラトビア、英国、チェコ、バングラデシュ、オーストラリア)30施設で参加者を登録。急性心筋梗塞(MI)または高リスクの冠動脈疾患患者を対象に、入院から72時間以内にインフルエンザワクチンまたはプラセボを接種する群に1:1でランダムに割り付けた。  なお、過去12ヵ月間にインフルエンザワクチン接種を受けた者、入院したシーズン中にワクチン接種を受ける意思がある者は除外された。

「頭痛の診療ガイドライン」8年ぶり改訂、ポイントは

 カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を標的とした新規薬剤の片頭痛予防薬としての相次ぐ承認、2018年の「国際頭痛分類 第3版(ICHD-3)」の発表等、頭痛診療における重要な変化を反映する形で、8年ぶりの改訂となった「頭痛の診療ガイドライン 2021」が10月に刊行された。ガイドライン作成委員会委員長を務めた荒木 信夫氏(よみうりランド慶友病院 委員長)に、改訂のポイントについてインタビューを行った(zoomによるリモート取材)。  本ガイドラインは前回の「慢性頭痛の診療ガイドライン 2013」をもとに改訂が行われているが、二次性頭痛の項目を加え、その記載を大幅に拡充したことから、タイトルは従来の「慢性頭痛」から「頭痛」に変更されている。

COVID-19パンデミック時の不眠症状とそれに関連する因子

 ノルウェー・オスロ大学のOyvind Halsoy氏らは、COVID-19パンデミック中の不眠症状に関連する因子について、調査を行った。Frontiers in Psychiatry誌2021年11月5日号の報告。  ノルウェーの成人4,921人を対象に、2020年3月31日~4月7日および2020年6月22日~7月13日の2つの期間において調査依頼を実施した。1回目の調査で関連するリスク因子や心理的相関を、2回目の調査で不眠症状を測定し、時間経過に伴う関連を含めた調査を行った。不眠症状の測定には、Bergen Insomnia Scale(BIS)を用いた。  主な結果は以下のとおり。

スマホのアプリが認知障害者の展望記憶を改善

 認知症が初期段階の高齢患者でも、スマートフォン(以下、スマホ)のアプリケーション(以下、アプリ)を、物忘れ防止のためのツールとして活用できることが、小規模研究で示された。記憶力や思考力に軽度の問題がある高齢者でもアプリの使い方を学ぶことができ、またアプリの使用により、電話をかけるなどの日常生活動作が改善したことを報告したという。米ベイラー大学心理学・神経科学分野准教授のMichael Scullin氏らによるこの研究結果は、「Journal of the American Geriatrics Society」に11月17日掲載された。  予定や用事など未来に行う事柄に対する記憶を展望記憶という。認知症患者では、主にこの展望記憶の低下により、日常生活を機能的に営むことが難しくなる。しかし、このような記憶障害に対して有効な治療薬は開発されていない。