内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:3

バターよりマーガリンの方が健康的になった?

 マーガリンは長年、健康に悪いと言われ続けてきた食品だが、2018年以降の米国では、バターよりも健康的な食品になっている可能性を報告する論文が、「Public Health Nutrition」に11月2日掲載された。筆頭著者である米ミネソタ大学のCecily Weber氏は、「マーガリンは心臓の健康にとってバターよりも優れた選択肢だ。特に、硬いスティック状のタイプではなく、タブやチューブなどの容器に入っている柔らかいタイプが最良の選択肢と言える」と述べている。  この変化には、米食品医薬品局(FDA)が2018年に、食品への水素添加油脂の使用を禁止したことも関係している。水素添加は液体の油脂を固形化する際に用いられる加工技術だが、この加工に伴いトランス脂肪酸が生成されやすい。トランス脂肪酸は、LDL(悪玉)-コレステロールを増やし、HDL(善玉)-コレステロールを減らす。トランス脂肪酸の摂取量が、心臓病や脳卒中、2型糖尿病のリスクと関連することも示されている。

コロナワクチンの感染抑制効果、デルタ株では低下/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)へのワクチン接種について、アルファ変異株と比較してデルタ変異株のほうが感染減少が少なく、ワクチンの有効性は経時的に低下したことが示された。また、感染発端患者の診断時PCRサイクル閾値(Ct)値は、感染減少を部分的に説明するのみであることも明らかにされた。英国・オックスフォード大学のDavid W. Eyre氏らが、後ろ向き観察コホート研究の結果を報告した。SARS-CoV-2のデルタ(B.1.617.2)変異株の出現以前は、ワクチン接種によりウイルス量が減少し、感染したワクチン接種者からのSARS-CoV-2の伝播が抑制したとみなされていた。ワクチン接種により感染リスクはさらに低下しているが、デルタ変異株に感染したワクチン接種者と未接種者のウイルス量は同程度であることが判明し、ワクチン接種が感染をどの程度予防するのか疑問視されていた。NEJM誌オンライン版2022年1月5日号掲載の報告。

3回目接種でオミクロン株への中和抗体が大きく増加/NEJM

 新型コロナウイルスのmRNAワクチン2回接種から6ヵ月以降に3回目の接種を受けると、オミクロン株に対する中和抗体価が大きく上昇することが、米国・ロックフェラー大学のFabian Schmidt氏らの研究で示された。また、ワクチン未接種の既感染者においても、mRNAワクチンの接種によりオミクロン株に対する中和抗体価が大きく上昇した。NEJM誌オンライン版2021年12月30日号のCORRESPONDENCEに掲載。  著者らは、新型コロナウイルスのワクチン接種または感染、もしくはその両方で曝露された47人における169の血漿検体において、武漢株とオミクロン株に対する中和抗体価を測定した。

日本におけるコミュニティレベルの学力と認知症リスク

 コミュニティレベルの学力と認知症リスクとの関連は、あまり知られていない。浜松医科大学の高杉 友氏らは、認知症発症リスクに対し、コミュニティレベルでの低学歴の割合が影響を及ぼすかについて、検討を行った。また、都市部と非都市部における潜在的な関連性の違いについても、併せて検討した。BMC Geriatrics誌2021年11月23日号の報告。  日本老年学的評価研究(JAGES)より、2010~12年にベースラインデータを収集し、6年間のプロスペクティブコホートを実施した研究のデータを分析した。対象は、7県16市町村のコニュニティ346ヵ所の身体的および認知機能的な問題を有していない65歳以上の高齢者5万1,186人(男性:2万3,785人、女性:2万7,401人)。認知症発症率は、日本の介護保険制度から入手したデータを用いて評価した。教育年数を9年以下と10年以上に分類し、個々の学力レベルをコミュニティレベルの独立変数として集計した。共変量は、まず年齢および性別を用い(モデル1)、次いで収入、居住年数、疾患、アルコール、喫煙、社会的孤立、人口密集度を追加した(モデル2)。欠落データに対する対処として、複数の代入を行った。コミュニティおよび個人における2つのレベルでの生存分析を実施し、ハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を算出した。

運動は安全?―AHAニュース

 米国では最近、運動に伴う心臓突然死が話題になった。そのきっかけは、67歳の俳優Chris Noth(クリス・ノース)が、運動後に心臓発作を起こして亡くなる役を演じたことだ。それはドラマの中での話だったが、人々はそのようなリスクが現実にも起こり得るのではないかと心配した。  しかし、米カリフォルニア大学アーバイン校のElizabeth Dineen氏は、「ドラマでの突然死のシーンを見た後に、愛用のトレーニングシューズを見つめて、それをいつものように履くべきか否か躊躇する必要はない」と語る。運動中に致命的な心臓発作が起きるリスクは非常に低く、一般的には、座ってばかりいる人に比べて定期的に運動している人の方が、そのようなリスクは低いという。

単回投与の中国製コロナワクチン、予防効果は57.5%~第III相試験/Lancet

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するアデノウイルス5型ベクターワクチン「Ad5-nCoV」(中国・カンシノ・バイオロジクス[康希諾生物]製)の単回投与について、健康な18歳以上成人における有効性および安全性が示された。接種後28日以降のPCR検査確定・症候性COVID-19の予防効果は57.5%であり、また、重篤有害事象の発生率は0.1%でプラセボと同等であったという。カナダ・ダルハウジー大学のScott A. Halperin氏らが、第III相の国際二重盲検プラセボ対照無作為化試験の結果を報告した。Lancet誌オンライン版2021年12月23日号掲載の報告。  試験は、アルゼンチン、チリ、メキシコ、パキスタン、ロシアの試験センターで18歳以上を登録して行われた。被験者は、不安定または重度の内科的・精神的基礎疾患がなく、検査確定の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染歴が認められず、妊娠または授乳中でない、アデノウイルス・ベクター、コロナウイルス、またはSARS-CoV-2ワクチンの未接種者だった。

「誤解を招く医療略語」の解決に役立つアプリ、ポケットブレインとは?

 電子カルテの普及により多職種間で患者情報を共有しやすくなり、紙カルテ時代とは比にならないくらい業務効率は改善したー。はずだったのだが、今度は医療略語の利用頻度の増加による『カルテの読みにくさ』という新たな課題が浮上している。  医療略語は忙しい臨床現場で入力者の負担軽減に寄与する一方で、略語の多用や種類の増加が、職種間での情報共有における新たな弊害になっている可能性がある。また、診療科や職種により医療略語の意味が異なるため、“医療事故”のリスク因子にもなりかねない。増加の一途をたどる医療略語に、医療現場はどう対処していけばよいのだろうか。

ブースター接種、オミクロン株に対する発症・入院予防効果は?

 オミクロン株に対するワクチンの有効性について、発症予防効果はデルタ株と比較して低く、投与後の期間に応じてさらに低下する一方で、入院予防効果は2回目接種後6ヵ月以降も約50%となり、3回目接種により約90%まで高まるというデータが報告された。英国・UK Health Security Agency(UKHSA)が2021年12月31日にオミクロン株に関する大規模調査結果を公開した。  デルタ株と比較したオミクロン株の症候性COVID-19に対するワクチン有効率(VE)が、診断陰性例コントロールデザインを用いて推定された。2021年11月27日~12月24日までに検査を受けたオミクロン株感染20万4,036例とデルタ株感染16万9,888例のデータを使用している。

未治療の高血圧と大腸直腸がんに有意な関連―日本人200万人超の調査

 高血圧と大腸直腸がんリスクの関連を示唆するデータが報告された。既知のリスク因子の影響を除外してもなお、有意性が維持されるという。東京大学医学部附属病院循環器内科の金子英弘氏らが、200万人以上の医療データを解析して明らかにしたもので、詳細は「Journal of the American Heart Association」に11月2日掲載された。  これまでの研究から、高血圧が大腸直腸がんのリスク上昇と関連する可能性が示されている。ただし、その関連を示した研究は、高血圧患者に肥満や糖尿病などの発がんリスク因子を有する人が多いことや、一部の降圧薬が発がんリスクに影響を与える可能性を考慮していないといった解釈上の限界があり、高血圧そのものと大腸直腸がんのリスクとの関連の有無は明らかになっていない。そこで金子氏らは対象を未治療の高血圧症例に絞り、肥満や糖尿病の影響を調整した上で大腸直腸がんリスクを検討した。

新型コロナ、異種ワクチン接種の有益性を確認/Lancet

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの異種接種について、1回目接種がアデノウイルスベクターワクチンのChAdOx1 nCoV-19(ChAd、AstraZeneca製)またはmRNAワクチンのBNT162b2(BNT、Pfizer-BioNTech製)いずれの場合も、2回目接種がmRNAワクチンのmRNA-1273(m1273、Moderna製)の場合は、一過性の反応原性を増大することが示された。遺伝子組換えスパイク蛋白ナノ粒子ワクチンのNVX-CoV2373(NVX、Novavax製)は、BNTのプライム接種群で非劣性が示されなかった。英国・オックスフォード大学のArabella S. V. Stuart氏らによる無作為化試験の結果で、「複数のワクチンが、BNTまたはChAdでプライミング後の免疫完了に適していた。今回の結果は、異種ワクチンによる接種スケジュールを支持するもので、ワクチン接種の迅速なグローバル展開を促進することになるだろう」と述べている。Lancet誌2022年1月1日号掲載の報告。