内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:3

減塩食品の普及が国民の心臓や脳を守る

 加工食品として流通しているパンやピザなどの塩分が減ったとしても、それに気づく人はいないかもしれない。しかし、人々の体は間違いなくその変化に反応するようだ。減塩食品の普及によって、国民の心臓病や脳卒中のリスクが低下した可能性を示唆する欧州発の2件の論文が、「Hypertension」に1月26日掲載された。  一つ目の論文はフランス国立公衆衛生局のClemence Grave氏らによるもので、パンに含まれる食塩を減らすことで、毎年約1,200人のフランス人の命が救われただろうと推測している。同国では2022年に、政府とパン製造業界との間で食塩含有量を減らすための自主的な協定が結ばれており、今回の研究ではその潜在的な影響が調査された。なお、パンは意外なほど食塩含有量が多く、特にバゲット(最も一般的なフランスパン)には、1日当たり推奨摂取量の約25%の食塩が含まれているという。

AI搭載聴診器による心不全、心房細動、弁膜症の診断を検討したプラグマティック・クラスターランダム化比較試験―AI搭載聴診器を実装しても使用されなければ効果はない(解説:名郷直樹氏)

英国のプライマリ・ケア医を対象に、AI搭載聴診器(Eko DUO, Eko Health Inc, Emeryville, CA, USA)を支給し、トレーニングし、実際の臨床で使用するグループと従来の診療を行うグループを比較し、心不全の診断と診療のセッティングによる心不全診断の違いを1次アウトカムとしたプラグマティック・クラスターランダム化比較試験である。AI搭載聴診器はBluetoothでスマートフォンに接続され、AIによる分析がなされ、心疾患の診断がフィードバックされるようになっている。結果は1次アウトカムである心不全診断の罹患率比は0.94(95%信頼区間[CI]:0.87~1.00)、2次アウトカムの心房細動、弁膜症でもそれぞれの相対危険は1.01(95%CI:0.94~1.10)、1.00(0.91~1.10)と診断の増加を認めていない。

治療抵抗性高血圧症の新たな治療法「腎デナベーション」、適正使用指針も公表

治療抵抗性高血圧症の新たな治療法として、2025年9月1日に製造販売承認を取得していた日本メドトロニックの「Symplicity Spyral腎デナベーションシステム」*1ならびに2025年8月25日に製造販売承認を取得していた大塚メディカルデバイスの「ParadiseTM 超音波式腎デナベーションシステム」が、2026年3月1日に保険適用を取得し、順次発売された。

アルツハイマー病に伴うアジテーションに対するブレクスピプラゾールの有用性~臨床試験結果の統合解析

 米国・ネバダ大学のJeffrey L. Cummings氏らは、ブレクスピプラゾール2mg/日または3mg/日のアルツハイマー病に伴うアジテーションの治療における有効性を評価するため、統合臨床試験データに基づく解析を実施した。Clinical Drug Investigation誌オンライン版2026年1月27日号の報告。  介護施設または地域社会に居住するアルツハイマー病に伴うアジテーションを有する患者を対象に、ブレクスピプラゾール固定用量を投与した2つの12週間多施設共同ランダム化二重盲検プラセボ対照第III相試験のデータを統合した。有効性評価項目には、Cohen-Mansfield Agitation Inventory(CMAI)合計スコア(29種のアジテーション症状の頻度を測定)、臨床全般印象度-重症度(CGI-S)スコア、CMAI因子スコア(攻撃的行動、身体的非攻撃的行動、言語的興奮行動)、治療反応率を含めた。

脳卒中管理で非専門医が押さえておきたい重要ポイントは?「脳卒中治療ガイドライン」改訂

一次・二次予防でさまざまな診療科との連携が必要になる脳卒中。2025年8月には『脳卒中治療ガイドライン2021[改訂2025]』が発刊され、本書より「改訂のポイント」が各章の冒頭に新設、前版からの改訂点やその経緯が把握しやすい仕様に変更された。近年の知見もタイムリーに反映し、140項目中52項目のエビデンスレベルが見直されている。そこで今回、非専門医が本書を手に取る際に理解しておきたい改訂点や取りこぼしてはいけない点を中心に、ガイドライン作成委員長の黒田 敏氏(富山大学脳神経外科 教授)に話を聞いた。

寿命の半分以上は遺伝で決まる?

 長生きするためには、健康的な食生活を送り、適度に運動を行い、悪い習慣を避けることが基本だと言われている。しかし、遺伝の影響(遺伝率)はそれ以上に重要かもしれない。新たな研究で、寿命の約55%は遺伝によって説明される可能性が示された。これは、これまでの推定(6〜33%)を大きく上回る数字だ。ワイツマン科学研究所(イスラエル)のBen Shenhar氏らによるこの大規模研究の詳細は、「Science」に1月29日掲載された。  これまで推定された寿命の遺伝率は20~25%程度と推定されており、なかには6%と見積もられたこともあった。

コーヒーは片頭痛のリスク因子か?

 コーヒー摂取と頭痛との関連性については、依然として議論が続いている。カフェインは、鎮痛作用と血管収縮作用を有しているが、過剰摂取は頭痛の有病率上昇と関連しているといわれている。台湾・高雄医学大学のPin-Rong Chen氏らは、台湾の大規模コホートにおいて、コーヒー摂取と頭痛の関連性を調査するため、横断研究を実施した。International Journal of Medical Sciences誌2026年1月1日号の報告。  台湾バイオバンクより30〜70歳の2万7,109例の参加者からデータを取得した。頭痛の状態とコーヒー摂取パターン(種類、頻度、1日当たりの摂取量など)は、構造化質問票を用いて評価した。関連性の評価には、多変量ロジスティック回帰モデルを用いた。

タケノコが血糖管理などの健康維持に役立つ可能性

 タケノコが血糖コントロールをサポートするように働く可能性のあることが報告された。英アングリア・ラスキン大学のLee Smith氏らの研究によるもので、血糖コントロールのほかにも、タケノコには炎症抑制や消化促進、抗酸化作用などの働きがあるという。この研究結果の詳細は「Advances in Bamboo Science」2025年11月発行号に掲載されるとともに、1月14日に同大学からニュースリリースが発行された。  竹は地球上で最も成長の速い植物と考えられていて、種類によっては1日で3フィート(約90cm)近く成長することもある。その豊富さや軽さなどのため、建築や家具製造などに広く用いられている。さらにアジア諸国では、竹の芽(ごく若い竹の茎)であるタケノコが食されていて、一部の地域では食卓に欠かせない食材となっている。

米国「食事ガイドライン」改訂――初の超加工食品制限に評価も、専門家から批判も相次ぐ

 米国の「食事ガイドライン(Dietary Guidelines for Americans:DGA)」は、学校給食などをはじめとした国民の栄養摂取の指針となるもので、米国農務省(USDA)と米国保健福祉省(HHS)が5年ごとに改訂している。2026年1月7日に最新版(2025~2030年版)が発表され、大きな内容変更が話題となっている。  改訂版の中心となるメッセージは、「Eat real food(本物の食物を食べよう)」で、全体を通じて「ホールフード」(加工されていない/加工が最小限の食品、全粒粉穀物など)の摂取が推奨されている。従来のDGAは、基本的に塩分や糖分といった1日の栄養目標値の範囲内であれば、あらゆる食品の選択肢が許容されるものとしてきたが、この方針を大きく転換した。

現在の認知症診断、その費用対効果は?

 アルツハイマー病および認知症は、世界において臨床的および経済的に大きな負担となっている。早期診断や介入は、疾患の進行を遅らせる可能性がある。現在の診断ガイドラインでは、臨床評価と併せて画像診断およびバイオマーカー分析を検討することが推奨されている。しかし、医療資源は限られているため、資源配分の指針として診断技術の費用対効果を検証する必要がある。カナダ・Western UniversityのMunira Kashem氏らは、アルツハイマー病または認知症の診断および/または進行フォローアップのための神経画像診断、バイオマーカー、その他の診断、スクリーニング戦略に関する経済評価研究をシステマティックにレビューした。Alzheimer's Research & Therapy誌2026年1月23日号の報告。