内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:5

運動で肺炎のリスクも低下する可能性

 習慣的な身体活動には健康上の多くのメリットがあることが知られているが、肺炎のリスクを抑制する可能性もあることが明らかになった。英ブリストル大学のSetor Kunutsor氏らの研究によるもので、詳細は「GeroScience」に11月25日掲載された。  身体活動のメリットはこれまでのところ、肥満や糖尿病、心血管疾患などの非感染性慢性疾患を中心に研究されてきており、確固たるエビデンスが確立している。それに対して、感染性疾患に対する身体活動のメリットについては、それを証明する研究報告が十分とは言えない。そこでKunutsor氏らは、主要な感染性疾患である肺炎に着目し、システマティックレビューとプール解析により、身体活動と肺炎リスクとの関連を検討した。なお、2016年の統計では、肺炎は全世界の死因の第4位にランクされている。  Kunutsor氏らは、MEDLINE、Embase、Web of Scienceという文献データベースに2021年9月15日までに公開された論文を対象として、観察期間が少なくても1年以上の研究を検索。抽出された研究報告数は10件(欧州と北米から各4件、日本から2件)で、研究参加者数は合計104万4,492人(年齢の加重平均55.8歳)だった。大半の研究で有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせて実施することの効果が検討され、交絡因子は研究により異なるものの1件を除いた全てで、年齢、性別、BMI、飲酒・喫煙習慣、併存疾患、社会経済的状況が調整されていた。

中年期でも口の健康と栄養状態が有意に関連

 口腔機能が低下している高齢者は栄養状態も良くないことが知られているが、このような関連は非高齢者でも認められることが明らかになった。東京歯科大学老年歯科補綴学講座の上田貴之氏らの研究によるもので、詳細は「Clinical and Experimental Dental Research」に11月17日掲載された。  口腔機能の軽度の低下を表す「オーラルフレイル」が近年、フレイル(要介護予備群)の表現型の一つとして注目されている。口腔機能低下のために栄養状態に影響が生じ、両者の相互作用によって心身機能が加速度的に低下してしまうことから、高齢者のオーラルフレイルには早期介入が求められる。ただし、このようなオーラルフレイルのリスクは高齢者だけでなく、中年期から生じている可能性がある。しかしその実態はこれまで検討されていない。上田氏らの研究はこの点に着目したもの。

高リスク外来コロナ患者、レムデシビル早期3日間投与で入院リスク低減/NEJM

 疾患進行リスクが高い新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の非入院患者において、レムデシビルによる3日間の外来治療は、安全性プロファイルは許容可能であり、プラセボに比べ入院/死亡リスクは87%低かった。米国・ベイラー大学メディカルセンターのRobert L. Gottlieb氏らが、第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験「GS-US-540-9012(PINETREE)試験」の結果を報告した。レムデシビルは、中等症~重症のCOVID-19入院患者の臨床転帰を改善することが示唆されていたが、疾患進行リスクが高い症候性COVID-19の非入院患者における入院予防効果は不明であった。NEJM誌オンライン版2021年12月22日号掲載の報告。

モルヌピラビル使用の注意点は?コロナ薬物治療の考え方第11版/日本感染症学会

 日本感染症学会(理事長:舘田一博氏[東邦大学医学部教授])は、12月24日に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬について指針として「COVID-19に対する薬物治療の考え方第11版」をまとめ、同会のホームページで公開した。 今回の改訂では、先般特例承認されたモルヌピラビル(商品名:ラゲブリオ)に関する記載が追加された。 以下に主な改訂点について内容を抜粋して示す。 【4. 抗ウイルス薬等の選択】 (1)抗ウイルス薬としてレムデシビル、モルヌピラビルなど、中和抗体薬としてカシリビマブ/イムデビマブ、ソトロビマブなど、(2)免疫調整薬・免疫抑制薬としてデキサメタゾン、バリシチニブ、トシリズマブについて記載を追加。

ロコモの進行は40歳過ぎから加速する―全国8千人超の調査結果

 関節や筋肉などの運動器の機能が低下した状態である「ロコモティブシンドローム」の関連因子が、若年者も含む8千人以上の日本人を対象とする調査から明らかになった。東京大学医学部附属病院企画情報運営部の山田恵子氏らの研究によるもので11月19日、「BMC Geriatrics」に論文が掲載された。  ロコモティブシンドローム(以下、ロコモ)は、運動器の障害のために身体の移動機能が低下した状態で、放置すると要介護リスクが高まる。ロコモ該当者は高齢者に多いが、高齢だからロコモになるのではなく、若い時期からリスクのある状態が続いていた結果としてロコモになると考えられる。しかし、これまでのロコモの疫学研究は高齢者を対象としたものが多く、非高齢者とロコモの関連はよく分かっていない。山田氏らは、この点を明らかにするため、若年者を含めた幅広い年齢層での調査を行った。

高齢AF患者、リバーロキサバンvs.アピキサバン/JAMA

 65歳以上の心房細動患者に対し、リバーロキサバンはアピキサバンに比べて、主要な虚血性または出血性イベントリスクを有意に増大することが、米国・ヴァンダービルト大学のWayne A. Ray氏らが米国のメディケア加入者約58万例について行った後ろ向きコホート試験の結果、示された。リバーロキサバンとアピキサバンは、心房細動患者の虚血性脳卒中予防のために最も頻繁に処方される経口抗凝固薬だが、有効性の比較については不明であった。JAMA誌2021年12月21日号掲載の報告。

モルヌピラビル、新型コロナの入院・死亡リスクを低減/NEJM

 重症化リスクがあるワクチン未接種の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)成人患者について、モルヌピラビルによる早期治療(発症後5日以内に開始)は、入院または死亡リスクを低減することが、コロンビア・IMAT OncomedicaのAngelica Jayk Bernal氏らによる第III相プラセボ対照無作為化二重盲検試験で示された。試験は約1,400例を対象に行われ、29日間の入院または死亡の発生リスクは中間解析で-6.8ポイント差、全解析で-3.0ポイント差であったという。モルヌピラビルはSARS-CoV-2に対し活性を示す、経口小分子抗ウイルスプロドラッグである。NEJM誌オンライン版2021年12月16日号掲載の報告。

新型コロナ感染リスク、ワクチン未接種者は接種者の4倍!?

 米国の大手ドラッグストアであるCVSヘルスに所属するYing Tabak氏らは、新型コロナ感染に対するワクチン有効性を推定するにあたり、時間経過による変化がみられるのかなどを評価するため、診断陰性例コントロール試験を実施。その結果、ワクチン未接種者はワクチン接種者よりも感染リスクが最大で4倍も高いことが明らかになった。JAMA Network Open誌2021年12月22日号のリサーチレターに掲載された。  本研究は全米の新型コロナ検査のデータベースを使用し、2021年5月1日~8月7日の期間にドラッグストアのPCR検査で症候性の新型コロナ感染症が確認されたの特有の患者発生率を評価した。新型コロナ関連の症状(CDCの定義に準拠)、ワクチン接種状況、時期、投与回数について、鼻咽頭スワブを収集する前にスクリーニング質問票に自己報告してもらった。分析には、BNT162b2(ファイザー製)、mRNA-1273(モデルナ製)、およびJNJ-78436735(J&J製)のワクチンを使用した。また、米国での昨年7~8月のデルタ変異株の流行を考慮して、最後のワクチン接種からの経時的な症候性新型コロナ感染に対し、ワクチン接種の有効性を検査実施者の年齢、地域、暦月で調整して推定した。

認知症の急速な進行に関する原因調査

 急速進行性認知症(RPD)は、1~2年以内に急速な認知機能低下が認められ認知症を発症する臨床症候群である。RPDの評価に関する進歩は著しく、その有病率は時間とともに変化する可能性がある。ギリシャ・Attikon University HospitalのPetros Stamatelos氏らは、RPD診断の近年の進歩を考慮し、以前の結果と比較したRPD原因となる疾患の頻度を推定した。Alzheimer Disease and Associated Disorders誌2021年10~12月号の報告。  5年間でRPDの疑いによりAttikon University Hospitalに紹介された患者47例を対象に、医療記録をレトロスペクティブに検討した。

モデルナ製とファイザー製、それぞれの心筋炎・心膜炎リスク因子/BMJ

 英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのAnders Husby氏らは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン接種と心筋炎/心膜炎との関連を調査する目的で、デンマーク住民を対象にコホート研究を行った。その結果、ワクチン未接種者と比較して、mRNA-1273(Moderna製)ワクチンは心筋炎/心膜炎の有意なリスク増加と関連しており、とくに12~39歳でリスクが高いこと、BNT162b2(Pfizer-BioNTech製)ワクチンは女性においてのみ有意なリスク増加が認められたことが示された。ただし、絶対発症率は若年層でも低いことから、著者は「今回の知見の解釈には、SARS-CoV-2 mRNAワクチン接種の利点を考慮すべきであり、少数のサブグループ内でのワクチン接種後の心筋炎/心膜炎のリスクを評価するには、より大規模な国際的研究が必要である」と述べている。BMJ誌2021年12月16日号掲載の報告。